家庭教師ブログ
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2024.06.12
こんにちは。家庭教師Campライターの夏海です。
皆さん、作文を書く機会、とても多いと思います。読書感想文などはもちろん、都立中・公立中高一貫校の適性検査入試や、都立高校の国語の問題でも作文が出題されます。また、模試や定期テストで作文を書くと、なぜか分からないのに減点されていることありませんか? それは、「話し言葉」を使っているからかもしれません。実際に作文を採点していると、無意識のうちに「話し言葉」を使ってしまっている例がよく見受けられます。
今回は、正しい作文の表記について、お伝えしようと思います。
作文試験には、厳密な採点基準があります。ひとりで全員分の作文を採点するのは不可能なので、だれが採点しても同じ点数になるよう、つまりは採点者によって不公平の出ないよう、一定の基準が設けられている、というわけです。
この採点基準には、点数の付け方、あるいは点数の引き方が事細かに記されているわけですが、内容だけでなく、文法にも細かく注意が入っています。
そのなかで、減点対象になっているものの一つのが「口語」の使用、つまり、「話し言葉」を使ってしまっている、ということです。皆さんは、当然作文を「書いて」いるわけですから、書くのにふさわしい言葉選びをしなければなりません。
極端な例を言うと、「マジ」です。皆さん、日常的な会話の中で、「マジ」という言い方はよくするのではないでしょうか? もちろん話している分には、誰かに怒られることはありませんが、「マジで」と作文に書いたら、当たり前ですが即刻減点になります。このように、意味が通っていても、作文に書くのにふさわしくない表現を使ってはいけません。
ここからは、使ってしまいがちな話し言葉と、正しい書き言葉の表現を例を挙げながらご説明します。
まずは、接続詞です。文章と文章、あるいは文節と文節をつなぐ際に欠かせない接続詞ですが、「話し言葉」と「書き言葉」では、大きな違いがあります。以下、左側が話し言葉、右側が書き言葉です。
だけど・でも~ → しかし~
だから~ → そのため~
~から → ~ため
~けど → ~が
これらは、私が実際に採点をしていて出くわすことの多い話し言葉のミスです。「あっ!よく使ってる!」となってしまった人もいるのではないでしょうか。
次に間違いが多いのは、副詞です。物事の状態を説明する際に必要な語句である副詞ですが、日常で使う話し言葉では、かなり表現がくだけたものが多いため、作文を書く際には注意しましょう。
ちゃんと → きちんと
やっぱり → やはり
もっと → さらに
だんだん → 次第に
やっと → ようやく
だいたい → およそ
話し言葉の表現はみなさん非常になじみのあるものが多いと思います。よく使っているからと言って作文でも使ってしまうと間違いなので、気を付けてください。
その他、接続詞・副詞以外のものもご紹介します。
こっち → こちら
こんな → このような
こんなに → これほど
どんな → どのような
~とか → ~や
いろんな → 色々な、様々な
~みたいな → ~のような
ここまで、書き言葉の正しい用法についてお伝えしまいたが、もう一つ、注意の必要なものがあります。
それは、「省略形」です。人々が会話をしていると、発音しにくい言葉や、発音するのが面倒な言葉は、発音しやすいように崩して使われてしまいます。
例えば、「雰囲気」という言葉があります。「ふいんき」と読んでしまう人が多いと思いますが、スマホやパソコンにタイピングをするときに「ふいんき」と入力しても「雰囲気」には変換されません。これの正しい読み方は「雰囲気」ですが、非常に発音しにくいため、「ふいんき」と発音されるようになりました。
しかし、これも先ほどの接続詞や副詞と同様に作文で使ってしまってしまうと、減点対象になる可能性があるので要注意です。以下、代表的なものをご紹介します。
~じゃ/ちゃ → ~では
(例) 食べちゃいけません→食べてはいけません
~きゃ → ~ては
(例) しなきゃいけません→しなくてはいけません
~ちゃう → ~してしまう
(例) 困っちゃう→困ってしまう
では、正しい表現を使って作文を書き、減点されないようにするためには、どうしたらよいのでしょうか?
大切なのは、「正しく書かれた文章を読む」ことです。皆さんが日常的に読んでいる文章は、実は、文法的な間違いがあることがあります。子供向けの本やマンガは、かなりくずれた表現を使って書かれていることが多いです。というのも、正しい表現で書かれた文章は、読みにくく、堅苦しく感じてしまうのです。
人間は、自分が読んだものをよく覚える性質があるので、皆さんも知らず知らずのうちに、こうした崩れた表現に見慣れてしまい、自分が実際に作文を書く際にも、こうした表現を使ってしまっているかもしれません。
「読んだものを覚えやすい」性質を逆手にとって、正しい表現で書かれた文章を読むことで、ミスなく正しい表現を使えるようになるので、新聞や論説文を読み、減点されない作文を書く力を身につけていきましょう。
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