家庭教師ブログ
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2024.04.16
こんにちは。家庭教師Campの深川です。
本日は、2024年度 お茶の水女子大学附属中学校 入学検定についてご紹介していきます。
お茶の水女子大附属中(略して「お茶中」)の入学検定問題には、
「検査Ⅰ」・「検査Ⅱ」・「検査Ⅲ」の3種類があります。
検査Ⅰ:「国語」の知識・技能、情報活用能力・言語運用能力をみる検査(30分)
検査Ⅱ:「算数」の知識・技能、数理的思考力をみる検査(30分)
検査Ⅲ:「理科」「社会」の知識・技能、思考・判断・表現等の力、および教科の枠を超えた思考・判断・表現等の力をみる検査(45分)
本日はまず「検査Ⅰ」の問題分析についてお伝えいたします。
〔問1〕では脊椎動物の体の特徴、〔問2〕ではアレンの法則を導き出す実験考察問題、〔問3〕は昆虫の体の性質、〔問4〕は流れる水の働き、そして〔問5〕は星の日周運動についての問題でした。
問題数は16問で、前々年度から1問増、前年度から2問増でした。しかしその分、前年度よりも会話文の量・資料の量いずれも減っていたため、問題数増は難易度に影響しなかったと言えます。ただ「会話文からヒントを読み取る」ことがあまりできないため、理科の基本的な知識がきちんと身についていたかどうかがカギとなりました。
(1) はキタサンショウウオが脊椎動物の仲間(魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)
のどの仲間と同じ特徴を持つのかを答える問題です。資料からキタサンショウウオは両生類であることが読み取れるため、ここは同じ両生類であるカエルと答えましょう。(2)は図1において「大人になると陸で生活する」「体が鱗で覆われている」「卵で子を産む」の3つの特徴では区別ができない動物の仲間、すなわち3つの特徴が共通している動物の仲間を答える問題です。仲間はずれの動物の仲間を取り除いていけば自ずと答えは「カエルの仲間」と「ニワトリの仲間」と絞れます。3つの特徴を一気に考えようとせず、ひとつひとつ丁寧に処理していくことが要求されました。
(1) は「カップに注いだお湯の温度」と「皿に注いだお湯の温度」の変化の仕方を観
察する実験の際に、気をつけなければならないことを答える問題でした。「お湯の温度を揃えること」は会話文の中で既に言及されているため、ここでは「お湯の量を揃えること」を述べましょう。
(2)は図4から読み取れることを「カップ」「皿」という言葉を用いて文章作成する問題です。図から「お皿に注いだお湯の方が、カップに注いだお湯よりも早く冷めていく」ことが読み取れるため、この内容で文章を作成すれば良いです。
(3)は(2)のような実験結果になる理由について考える問題です。会話文で「お湯が、空気やカップ、皿などの周囲に触れている部分の面積が大きい」ことが資料から分かるので、誘導に従い考えることでCに当てはまるのはQだとわかり、Dに当てはまるのはPだと分かります。(4)は文章中で使われている表現を抜き出して適語補充を行う形式で、キタキツネの耳はどうして小さいのか結論をまとめる問題です。(3)で「周囲に触れている部分の面積が大きいほど早くお湯が冷めていく」ことが読み取れるため、その表現に合うよう適語補充をしましょう。空欄部分の近くに適切な表現があるので、会話文の流れを読み取れていれば正解できる問題でしょう。
(1)は昆虫の体の作りについて適切な選択肢を選ぶ問題でした。「昆虫の足は、胸から6本生えている」ことを知っていれば正解ができるでしょう。
(2)はトンボと同じく「幼虫から成虫になるまでに、さなぎにならないで成虫になるもの」を選択する問題です。私立中受験頻出の不完全変態する昆虫として「カマキリ、トンボ、バッタ、セミ、ゴキブリ、コオロギ」を押さえていれば得点源になったでしょう。
(1)は「人が川に手を加えることで、洪水を防ぐ働きがあるもの」を、4択の中から選ぶ問題です。
洪水は川の水位が上昇することによって発生する自然現象ですから、治水の基本は「水位を下げること」になります。この事を踏まえれば「川幅を広げ水位を下げることが、洪水発生防止につながる」という結論が得られます。
理科内容ではあるものの「数学的考察(ここでは立体の切断面と体積の関係)」の力が問われる問題でした。
(2)は「釧路川の水が水溶液ではない」と判断できる理由として適切なものを4択の中から選ぶ問題です。水溶液であると言うための条件のひとつは「透明である」です。湿原に関するレポートには、「釧路川の水は全体が茶色だった。これは泥炭という種類の土によるものだ」という記述があります。土は水に溶けません。このことから「釧路川の水は、泥水のように、水に土が浮いていて不透明な液体である」と考えることができます。このことから答えを選びましょう。
(3)は水の状態変化についての選択問題です。「氷が溶けた。」「ぬれた洗濯物を干すと乾いた。」「暑い日に冷えたコップの表面がくもった。」これらの状況下において水がどのように状態変化をしているのかを考えればよいのです。比較的容易に答えることができたでしょう。
(1)は「北の空に見られる、時間が経過しても動かせない星の名称」を答えさせる問題で、答えは北極星です。今回は問われていませんでしたが「なぜ北極星は時間が経っても動かないように見えるのか」も説明できるようにしておくことが望ましいです。
(2)は「星が15°回転するのにかかる時間を答えさせる問題」です。会話文に誘導があるので、仮に知らなかったとしても誘導に従えば「15°回転するのに360÷24より1時間かかる」ことを求めることができます。ただしこの事実は、お茶の水女子大附属中受験者は知識としてもっておいた方がいいでしょう。
(3)は「時間経過に伴う西の空の星の位置の変わり方を答える問題」でした。星も太陽と同じく「南の空を通って西の地平線へと沈んでいく」ことを踏まえれば正解を選択できたでしょう。理科の基本的知識として「各方位に見られる星の日周運動の様子」はしっかりと押さえておくことが望ましいです。
(1)は「花子さんが立てた2つの予想のうち、どちらが正しいのか」を確かめる観察計画を練る問題でした。まず前提として、お茶の水女子大学付属中受検生は、時差に関する情報「経度が15°ずれる毎に1時間の時差が発生すること」は前提知識として知っておきましょう。「北にある場所ほど日の出の時刻が早くなる」という予想が正しいかどうかを確かめたいのであれば、図8を踏まえて奥尻と東京の時刻を比較すれば良いと分かります。
(2)は「8月1日の日の入りの時刻が東京と釧路でほとんど変わらない」ことについて考えさせる問題でした。図9から「釧路は東京の北東に位置する」ことがわかるため、「北東にある地域ほど日の入りの時刻は早くなる」と考えられます。これは後期日曜特訓(※演習問題中心の特訓授業)にて出題されていた問題に類するものでしたので、特訓参加者は是非とも得点したい問題でした。
奈良県・大阪府・京都府をテーマに、各分野からの問題が出題されました。
問題数は15問と前年度よりも1問増えました。前年度は地理分野が2問、歴史分野が7問、公民分野が5問でしたが、今年度は資料の読み取りが7問、地理分野が2問、歴史分野が5問、公民分野が1問と、資料読み取り問題の比重が大きくなりました。
思考力系の問題も出題され、傾向が変化したと言えるでしょう。難易度は前年度並みでしょう。
(1)本来であれば大問3の思考力系問題として出題されるような問題が出題されました。総数としては京都府が多いものの、それで決定してしまうことについて疑問を感じるのはなぜかを問う問題です。1、2組は行きたい府県に大阪を1番に挙げていますから、この部分に注目できれば解答を導くことができたと思います。(2)一回の多数決だけではなく、加えてなにかを行うことでより納得できる結果が得られるとあります。解答はいろいろと考えられますが、大阪府と京都府のみで再投票を行えばよいと考えられます。
奈良県・大阪府・京都府以外で歴史的に重要な出来事があった場所を選びます。日ごろから主要な事件・建物等の場所は抑えておきたいです。必ず正解したい問題であると言えます。
人口・製造品出荷額・貿易貨物・果実産出額。国宝の数をもとに近畿地方の各府県を特定する問題です。海なしの県等の知識を活用し、当てはめてひとつずつ紐解いていく必要があります。解答自体は導き出すことはできますが、やり方次第では時間がかかりすぎてしまった可能性があります。
(1)東海道を解答させる問題です。五街道の名称を覚えていれば解答することは容易だったでしょう。資料集等を活用した学習ができていたかがポイントです。
(2)東京から新大阪に向かうまでに通る地域についての問題です。選ばない選択肢も含みつつ、並び替える必要があります。姫路城が兵庫県であると知っていれば、難しくはない問題だったでしょう。
(1)お茶の水頻出の歴史の並べ替えの問題です。一つひとつの選択肢にあるキーワードを拾いながら、時代を特定していきます、文化面について学習しているかが問われました。
(2)資料をもとに選択肢の正誤を確認します。一つひとつを確認し、選択肢を切ることは簡単ですが、すべて計算すると大幅な時間ロスとなります。概数で答えを導いたり、選択肢の吟味の順番を変えたりするなどの作戦を立てていたかどうかがカギでした。
(3)今回唯一の公民の知識を問う問題です。国会。地方自治体についての知識を問われました。公民まで手が回らないことも多く、差がついた問題だったでしょう。
(1)1970年の大阪万博以降の出来事を選びます。日本の復興までの流れをしっかりと抑えていたかどうかが勝負でした。
(2)関西国際空港と大阪国際空港を比較し、埋め立て地にある関西国際空港の利点を考察します。二つの空港の違いは、周りに住居があるかどうかですから、「騒音」の問題が考えられます。ここを解答としてまとめましょう。
(3)資料を見ながらニュータウンの入居者についてわかることを文中に入れていきます。入所開始当時に人口比率が高いのは30代と9歳以下の子供ですから、子供のいる家庭が入居してきたと考えられます。
(1)大政奉還で、幕府からどこに政権が返されたかを問う問題です。必ず正解したい問題でした。
(2)出勤せずにどこに住んでいても働きやすくするため、具体的にどのような働き方を導入するかを問う問題。昨今の情勢下でよく耳にする内容ですから、こちらも解答しておきたい問題でした。ただ、10字以内と文字数が短いので、まとめに困ったかもしれません。
(3)「てまえどり」をすることでなぜ食品ロスを削減できるのかについて問う問題です。食べ残しゼロと資料にありますから、消費期限が迫っている食品からとるという意味だと考えられます。それをふまえて、解答をつくっていきます。
問題数は前年度よりも減少しました。最後の記述の文字数は増えたものの、条件も明確に定まっているので、解答しやすいものでした。やや易化したと言えるでしょう。
(1)図の小学生たちの様子からどのような危険が潜んでいるかを解答します。それぞれの雨の日に身を乗り出したり、傘を振り回したりしていますから、そこから考えられる結末を解答します。(2)なぜ雨の日だと車にひかれる事故が多くなるかを問う問題です。雨の日は視界が悪くなることや、滑って転びやすくなることなどが考えられますから、これらをそれぞれまとめていきます。
家具の上と天井の間にある棒のおかげで防ぐことができる危険について問う問題です。これがあることで地震が発生しても家具が倒れなくなります。
ハインリッヒの法則をもとに、事故を防ぐにあたっての考え方として適切なものを選びます。細かな不注意が積み重なって1つの重大な事故に結びつくという内容をふまえて解答しましょう。資料からは読み取れない、言い過ぎと言える選択肢が存在すると意識することが大切です。
60~110字の長さで、条件をふまえて記述していく問題です。一つひとつの条件に沿うように構成メモをつくり、問いに正対した解答することができたかどうかがポイントでした。
検査Ⅰの問題分析はここまでです。
いかがでしたでしょうか。
来年度受験の方、志望校として検討していらっしゃる方いずれもご活用いただけましたら幸いです。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
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