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【2024年度最新版】2024年度 東京学芸大学附属国際中等教育学校 適性検査について

2024.04.10

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こんにちは

家庭教師Campの深川です。

本日は、2024年度 東京学芸大学附属国際中等教育学校 適性検査についてご紹介していきます。

2024年度 東京学芸大学附属国際中等教育学校 適性検査適性検査Ⅰ

今年度の問題は来年度実施の大学共通問題テストより追加される「情報」を意識してか、データの読み取りや数値変換などの情報書に関する問題が多く出題され、問題数も昨年度の18問から25問と大幅に増えました。

一方、前年度は出題されていた字数指定はなくなり、理由を記述する問題2問となりました。

1⃣ 画像のデジタル変換を題材にした問題

医療分野で使用されるCT画像を人工知能の画像診断支援に利用する際の数値変換を題材とした問題でした。今年の問題は記号のみを答える問題のみで、以前出題されていた記述問題はありませんでした。その分問題数は前年度の6問から12問と2倍になったため、文章読解のスピードと精度が求められる問題だといえます。

 

【問題1】グレースケール画像をヒストグラムに変換する問題

グレースケール画像を度数分布表に変換する問題でした。〔問1〕は「斜めのピクセルの値がほぼ同じ値」であることをヒントにそれぞれの明るさの値に属するピクセルの個数を考えます。画像Aは一方向にスケールしていますが、画像Bは中央の明るさが255でその両端に向かって明るさの値が少なくなっているため、ピクセル数が2倍になることを注意しなければなりません。

 

【問題2】デジタル画像を任意の関数で変換する問題

与えられたCT画像を任意の関数に当てはめて数値変換する問題で、変換後のピクセルの値の定め方まとめて提示されている例年通りの出題方法でした。

〔問1〕は3つの小問に分かれており、順を追って数値を考えていく問題です。(2)は定め方(ⅱ)に注意して考えます。(3)は(2)の考え方をヒントに該当する画像を選びます。〔問2〕は別の変換ですが、考え方は問1と同様です。1.8倍した値で考えますからxが142以上の明るさは全て255に変換されることを考えてグラフを選びます。〔問3〕は関数を見て明るさが逆転する変換であることをもとにしてグラフを選びます。

 

【問題3】デジタル画像変換をグラフで考える問題

【問題2】で考えた数値による変換をグラフで考える問題でした。操作自体は【問題2】と変わらないため、連続しない関数に冷静に対応すれば解きやすい問題でした。

〔問1〕は連続しないグラフについてのルールが示され、それに従って2つの小問に答える問題でした。

(1)はグラフを読み取り(2)は【問題2】の(2)を利用して考えます。

〔問2〕はCT画像を2つのグラフに従って変換した場合の画像を選ぶ問題でした。グラフAはスケールが小さくなること、グラフBは3つの値しか取らないことを利用して考えます。

〔問3〕は元の画像と変わらない変換を選ぶ問題ですが、【問題1】〔問3〕が明るさを逆転させる関数(この問題では選択肢エ)だったので、それを利用して答えを選びます。

 

2⃣ 竹を題材にした問題

竹の広がり方や成長のしかた、利用方法を題材にした数値計算やデータの読み取りの問題でした。

問題数は前年度の12問と比べて13問とほぼ同数ですが、うち2問は理由を説明する記述問題でした。ただ、例年この大問で出題されていた複雑な条件設定にある計算はありませんでした。

 

【問題1】 竹の繁殖力を計算しデータを分析する問題

面積計算も含まれていますが、主に散布図や棒グラフなど様々なデータを読み取る問題でした。

そのデータがどのような内容を示すのかを正しく判断する必要がありました。

〔問1〕は面積約8%に広がった場合の正方形の面積を求めた上でたてと横の長さの増え方を考えると比較的スムーズに解くことができました。

〔問2〕は方法の提示はあるものの表を散布図に表した場合のグラフのかたよりを選び、そのデータから得た情報が正しい文章を選ぶ問題でした。問題形式が大学入学共通テストの数学ⅠAに似ていますが、グラフのかき方の説明があったり例年全文記述だった問題が空欄補充になったりしているので正解したい問題です。

〔問3〕は棒グラフから読み取った内容の正誤を判断する問題でした。述べられた文章とグラフをよく見比べて考えます。

 

【問題2】 竹の利用方法を題材にした問題

竹炭をテーマに竹を有効利用する方法を考える問題で、理由を記述する問題2問がここにまとまっていました。〔問1〕は温度と期待の体積変化に関する知識が必要ですが小学校で学習する内容なので正解したい問題です。〔問2〕(1)は単位量あたりの計算を用いて長さと面積の関係を考える問題でした。

これらの関係を正しく理解できていれば比較的平易な問題です。(2)は先の計算結果から木材と比べて運搬時に効率が悪くなる理由を答える問題でした。指定語句を書き忘れないよう注意が必要です。

2024年度 東京学芸大学附属国際中等教育学校 適性検査適性検査Ⅱ

 

1⃣ 地方再生をテーマとした問題

〔問1〕(1)は東京都の人口推移の資料から正しいものを選ぶ選択問題、(2)は同様の資料から転入超過数が急激に減少し、また増加した理由を考える選択問題、(3)は若者の地方暮らしの理想の条件について資料から読み取る記述の問題、(4)は過疎地域への移住者に対するアンケート調査の結果の資料の読み取りをする選択問題でした。

読み取る問題および、地方再生にかかわる問題でした。全体的に枝問数が多くなった印象です。

〔問2〕(1)は宮古島のオーバーツーリズムからオーバーツーリズムの意味を答える選択問題、(2)は宮古島から観光客への注意喚起の背景を資料から読み取りをする問題でした。

〔問3〕(1)は福井県池田町の池田暮らしの7か条がでうしてつくられたのかを考える穴埋め問題、(2)は池田暮らしの七か条の参加を求められる地域行事の例を資料7の新聞記事から3つ答える問題、(3)では池田暮らしの七か条についてクラスで話し合いをする会話が挿入され、「都会暮らしを地域に押し付ける」例と「都会風を吹かせる」例を選択しから選ぶ問題、

(4)は会話をしている登場人物のどちらの意見に賛成するかを論述させる問題でした。

こちらも枝問数が多くなった様子です。今までとの違いは選択肢問題が多いこと、また記述問題が極端に少ないことであり、前年度までと様子が大きく変わりました。

選択肢問題が格段に増えた結果、問題としての難易度はやや下がったといえます。

【問題1】 資料読み取り問題

(1)では資料を読み取り選択肢を選ぶ問題でした。資料の内容をよく読めば正解にたどり着くでしょう。

(2)は、指定されている期間にあったことと人口減少・増加にかかわる出来事を選べば正解にたどり着くと考えられます。

(3)は、移住先の必須条件では公共機関の利便性や都心へのアクセスなどが大きな割合を占めているものの、理想の地方暮らしがかなえられそうな都道府県では北海道は長野など自然があふれる場所が選ばれており、自然の中で暮らせるものの都市部へ行きやすい場所を選ぶ傾向があることを読み取る問題でした。

(4)は資料を読み取り選択肢を選ぶ問題でした。こちらは選択肢の内容を資料と照らし合わせることが大切です。

 

【問題2】 因果関係について資料を読み取り考察する問題

(1)では、問題文の中に観光客が激増したためオーバーツーリズムが起こったこと
が読み取れるので、正答しやすい問題だと考えられます。

(2)は、画像に合う背景と目的を選択する問題でしたが、背景と目的は組み合わせやすいので、それを画像に合わせることができれば正答できると考えられます。

 

【問題3】 資料読み取りおよび課題発見・課題解決型の記述問題

(1)では資料を読んだうえで、課題の文を読むと、空所を補充するための選択肢は限定されていきます。

(2)は資料7にある地域行事の読み取りですが、資料7内に「草刈りや雪かき、祭りといった地域行事」といった文言があるため、この3つを読み取ることはできたと考えられます。

(3)は、都会ということに注目して選択肢を選べばよいと考えられます。

(4)は、地方に移住したらその生活に合わせるという考え方のアキラと変える必要はないと考えるカオルのどちらかの意見に立ち論述する問題です。「先生」の最後の「自分たちとは異なる価値観や文化の人を受け入れて、一緒に生きていくにはどうしたらいいのでしょうね。」というセリフに着目して、それを解決できる立場を選んで論述する必要があります。

いかがでしたでしょうか。来年度受験の方、志望校として検討していらっしゃる方いずれもご活用いただけましたら幸いです。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。

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【この記事を書いた人】
深川佐知子
【略歴】
指導歴30年以上のベテラン。現在はena個別の校長を務め、大学受験では早稲田大学や東京薬科大学、高校では立川・国分寺・中大附属高校などに合格者を輩出。自身の子供も中学受験を経験し駒場東邦中学に進学後、東京大学に合格した。どの学年で、どんな勉強をしたらよいのか、など、教育者と保護者の視点から情報を発信していきます。

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