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【2024年度最新版】2024年度 東京大学教育学部付属中等教育学校 適性検査について

2024.04.08

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こんにちは。

家庭教師Campの深川です。

本日は、2024年度 東京大学教育学部付属中等教育学校 適性検査についてご紹介していきます。

2024年度 東京大学教育学部付属中等教育学校 適性検査Ⅰ

今年度は大問数が3題、小問数が17題と小問数が例年に比べて増加しました。

また、大問1が社会分野、大問2が国語・社会の融合問題、大問3が国語分野からの出題でした。

 

<大問1> 仏教を題材に会話や資料を活用する問題

小問数は7題。聖武天皇の時代の仏教に関する問題で、知識をもとにするものが多く出題されました。前年度に比べて難化傾向と言えます。

【問1】 資料を分析・考察する問題

資料に出てくる内容から、いつ書かれたものであるのかを考察する問題です。資料1では、寺をつくること、資料Ⅱでは大仏をつくることに注目ができれば解答にたどりつけたはずです。

 

【問2】 天皇の活躍に関する問題

資料に出てくる内容から、天皇を推測する問題です。【問1】でみたように、「仏教」や「大仏」というキーワードから聖武天皇であることが導き出せます。これは必ず正解したい問題です。

 

【問3】 資料をもとに考察する問題

天皇が国分寺や大仏をつくろうとした理由を答える問題です。資料Ⅲのことばを使う必要がありますが、資料Ⅰ資料Ⅱの内容もふまえる必要があります。資料Ⅰでも資料Ⅱでも、「仏の恩恵を受けたい」という内容がありますから、その点に注目して、疫病や飢餓ということばを使って説明ができればよいわけです。

 

【問4】 資料を分析問題

国分寺の分布に関する問題です。正しいと思うものをすべて選ばなければならなかったので、その点に注意が必要でした。また、天皇が命令を出しているというところにも注目をして選択肢を選ぶ必要がありました。

 

【問5】 会話や資料をもとに考察する問題

青山さんと緑川さんの会話に適する資料を選ぶ問題です。二人の会話の内容に注目してみましょう。青山さんは「多くの民衆の協力を求めた」、緑川さんは「見栄を張って言っている」というように述べていますから、それに適する内容を資料から選べば正解です。

 

【問6】 資料を分析・考察する問題

大仏の材料を答える問題です。資料Ⅲに、「金銅の大仏をつくりたい」とあります。そして、表の中には、すず、水銀、金が書かれていますから、銅が解答であることが分かります。これは必ず正解した問題だったでしょう。

 

【問7】 都道府県に関する問題

資料に出てくる都道府県の場所を選ぶ問題です。資料の日本地図には県境が惹かれていませんから、日本地図の場所を選択肢としてきちんと照らし合わせて解答を導く必要がありました。さほど難易度は高くない問題ですので、正解したい問題でした。

 

<大問2> 「自由」に関する問題

小問数は3題でした。ページ数もA3用紙1枚分だったので、素早く処理したい問題だといえます。

出題の内容は、「自由」という言葉が生まれたことの社会的様子を問う問題です。

 

【問1】 歴史上のできごとに関する問題

幕末から明治にかけてのできごとを選ぶ問題です。誤りの選択肢も一見するとよさそうに見えるものもあります。学んできた知識を活用して解答する必要がありました。

 

【問2】 日本国憲法に関する問題

社会権の内容として適切ではないものを選択する問題です。問いの条件を見逃さなければ、容易に選べた問題だと言えます。

 

【問3】 文章内容の言い換えに関する問題

福沢諭吉の述べている「自由は不自由の中にあり」という言葉について、言い換えた文の空欄に入る言葉を考える問題です。福沢諭吉が「自由」を「わがまま」ではなく再解釈しているところに注目して空欄に適する語を考えます。

 

<第3問> 福沢諭吉の文章の読解問題

小問数は6題でした。福沢諭吉の『西洋事情』の読解と作文の出題でした。

文章自体が長く、あまり読解してこなかったタイプの問題という印象を持つ生徒も多かったのではないかと思います。

<第2問>をスピードよく解き、<第3問>に時間を回せたかが勝負を分けるところといえるでしょう。

 

【問1】 傍線部の言い換えに関する問題

福沢諭吉の考えている「その人はその人であって、天下は天下の天下である」という言葉を文章をもとに解釈する問題です。指示語や接続詞が直前にありますので、直前との関連性が読み取ることができれば十分解けた問題であると言えます。

 

【問2】 傍線部の根拠を読み取る問題

「実はそうではない」と福沢諭吉が考えている理由を答える問題です。傍線が含まれている段落の内容を解釈することができれば、解くことができます。

 

【問3】 傍線部の言い換えに関する問題

「職分」という言葉の言い換えを選ぶ問題です。文章中でどのような使い方がされているかを読み取ることができれば容易み答えを選ぶことができました。【問6】とも関連してくるので、必ず正解したい問題です。

 

【問4】 傍線部の根拠を読み取る問題

病気がちな人が他人の助けを受けたとしても恥じる道理がない理由について読み取る問題です。傍線部の直前に「だから」と言う接続詞があるますので、直前との関連性を読み取ることができれば十分解けた問題であると言えます。

 

【問5】 文章全体の要旨に関する問題

文章の内容として合致しないものを選ぶ問題です。長い時間をかけることは難しいので、いかに早く読み取ることができたかがポイントになります。

 

【問6】 文章をもとに自分の意見を記述する問題

【問3】  でも問われていた「職分」に関して、どのようなことであるのか、また具
体例を挙げながら説明する問題です。

作文の字数は前年度の161字以上240字以内から、241字以上300字以内と微増しました。

また、昨年度と異なり、段落に関する条件が無くなりました。

 

2024年度 東京大学教育学部付属中等教育学校 適性検査Ⅱ

大問数が3問は前年度と同じでした。問題数は前年度まで20問でしたが17問に減りました。

また、記述問題がなくなりましたが作図問題が出題されました。

形式面では会話文が復活しました。

しかし、都立中のように会話文の中にヒントが述べられているというわけではなく、出題テーマを理解してもらう説明になっていました。

 

<大問1> 電動車の普及と問題点を問う問題

【問1】 は表の数値を確認する問題でした。【問2】、【問3】は資料の数値の割合計算
の問題で、正確かつ迅速に通過したい問題でした。

【問4】は表1と表2の数値を読み取り急速充電器1台当たり何台の電動車が利用できるか問う問題でした。

電動車の販売台数の単位が千(台)であることに注意を要します。

【問5】は電動車とガソリン自動車の年間コストの差が問われました。条件は単純化されているので難易度はあまり高くありません。

【問6】は基本料金がある場合とない場合の損得を調べさせる典型的な問題ですが、今まで取り上げてきた急速充電ではなく普通充電で問われているので、戸惑った受検生も多かったことでしょう。

 

<大問2> コイルに流れる電流の大きさを問う問題

<第1問> の電動車の話を受けての問題ですが電動車の問題というよりもコイルに流れる電流の大きさを対照実験で問う問題と電流回路の知識を問う問題でした。2年連続の電気分野からの出題でした。

【問1】はAとBを比較しておりコイルの回転数の影響が分かります。

【問2】はコイルの巻き数が電気の大きさに与える影響を調べるための条件が問われています。

巻き数以外の条件が等しいものを3つ選べばよい問題です。

【問3】は実験結果が①~⑤と5つ示されているので一つひとつの実験で導き出される結論を書き留めながら考えてほしい問題です。鉄芯を入れると場がれる電流が格段に大きくなるという知識を持っている受検生は多いと考えられます。銅芯の影響が理解できるかがポイントです。

【問4】は、【問3】の結論を前提としての問題で、【問3】の理解に左右されます。

【問5】は独立した回路の問題で、電池の直列、並列の知識があれば容易に正解できる問題でした。

 

<大問3> 折り返しの図形から相似の考えを問う問題

A4の紙の折り返した時にできる相似の直角三角形を発見させる問題です。

簡単そうに見えますが折り返しの作業でつくった辺を正しく確認できないと解答はできません。

【問1】は作図が問われました。受検生は容易に正解できたと考えられます。

【問2】は①三角形は2つの角度が等しければ相似になること、②角度が分からなくても等しい角を特定できるという能力が問われました。角度が分からないが等しい角度は印や記号を付けるなどの工夫が必要です。

【問3】は重なる辺を確認すると上下の横の折り目の長さの比が分かるか否かがポイントでした。それを前提にして相似比の2乗が面積比なる知識が問われました。

 

実技検査

適性検査Ⅱで会話文が復活しましたが、実技検査でも会話文から始まっています。

実技のメインは【問3】ですので、【問1】と【問2】は短時間で通過したいところです。

【問1】は「議論と推理」の問題であり会話文を丁寧に読めば4チームの対戦表が確定できます。

【問2】は18チームの対戦表を作図することが問われました。条件が解答らんを前提として4条件が示されており条件に適合した作図が必要です。2回戦に参加できない1チームの次の試合をどこに組み込むのかがポイントです。

【問3】が東大付属中らしい立体図形の作成問題でした。7項目の【注意事項】を満たすことが求められすべての条件満たすには高いチェック能力が求められました。

「台座は底面はつけない。」とあるので展開図を作ることではないことに注意が必要です。

 

いかがでしたでしょうか。来年度受験の方、志望校として検討していらっしゃる方いずれもご活用いただけましたら幸いです。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。

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【この記事を書いた人】
深川佐知子
【略歴】
指導歴30年以上のベテラン。現在はena個別の校長を務め、大学受験では早稲田大学や東京薬科大学、高校では立川・国分寺・中大附属高校などに合格者を輩出。自身の子供も中学受験を経験し駒場東邦中学に進学後、東京大学に合格した。どの学年で、どんな勉強をしたらよいのか、など、教育者と保護者の視点から情報を発信していきます。

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