家庭教師ブログ
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2023.02.25
こんにちは。家庭教師Campライターの杉浦です。2月21日、2023年度の都立高校の一般入試が行われました。本日はその中から「理科」について問題の傾向や解答のポイントを解説していきます。
高校受験を終えた中学3年生の皆様は、ぜひ自分の解答と照らし合わせて、高校での学習に備えましょう。また今後の受験を控える中学2年生と1年生は、いま学校で習っている単元がどのように入試では出題されるのか、ぜひチェックしましょう!
例年と同様に、物理・化学・生物・地学など各分野の小問集合でした。実験操作や観察に関する問題も多く見られました。
生産者と消費者についての問題です。植物のみ生産者として選び、残りの動物は消費者となります。分解者であるミミズも消費者の一部である点に注意です。
火成岩に関する問題です。黒いことと見た目(等粒状組織)から、岩石Bが玄武岩です。また玄武岩はマグマが急激に冷えて固まった火山岩です。
中学校で学習する岩石について、深成岩は花こう岩(白系)、閃緑岩(灰色系)、斑レイ岩(黒系)です。そして火山岩は流紋岩(白系)、安山岩(灰色系)、玄武岩(黒系)です。
おすすめの覚え方は「新幹線はカリアゲ」
シン→深成岩
カ(ン)→花こう岩
セン→閃緑岩
ハ→斑レイ岩
カ→火山岩
リ→流紋岩
ア→安山岩
ゲ→玄武岩
このように対応します!ぜひ覚えてみてください。
ガスバーナーの操作に関する問題です。上のねじが「空気調節ねじ」、下のねじが「ガス調節ねじ」です。回し方はペットボトルを開けるときと同じです。左に回すと開きます。
光とレンズの問題です。光の道筋を作図できると簡単に解ける問題です。
化合物と単体についての問題です。単体は1種類の元素でできた物質です。この問題では酸素(O2)のみ当てはまります。
アブラナの花の構造についての問題です。おしべとめしべ、がくと花弁を混同しないように注意しましょう。
例年と同様に、物理・化学・生物・地学など各分野からレポートを読んで考える問題が出題されました。操作がやや複雑であったり、間違えを誘発するような条件設定もあったため、注意が必要です。
速さに関する問題です。2m地点から6m地点(つまり4m)ということに注意しましょう。
質量パーセント濃度と密度に関する問題です。レポートは複雑ですが、3%と0.84%という数字にのみ注目すればよい問題でした。密度に関しては、「浮いた」という文章から、密度が小さい方が浮くことを思い出しましょう。完答形式です。
発生に関する問題です。体細胞分裂では、分裂の前後で細胞1つあたりの染色体の数は同じになります。そのため細胞に2つに増えれば合計で2倍、4つに増えれば合計で4倍になります。
太陽の動きに関する問題です。北極付近で太陽が沈まない現象(白夜)は、北の空で起こる現象です。そのため太陽は西→北→東へと移動します。また、日本が夏至になるのは北半球が太陽方向に傾いているときです。
文章題や完答形式の問題があり、満点を狙いにくい構造になっています。問題自体の難易度はそこまで高くないので、ミスの無いように解答しましょう。
実験操作に関する記述問題です。急激に温度を変化させると、対象の変化が起きた温度が測定しにくくなります。そのため、少しずつ温度を変化させることで、水滴の付き始める温度を正確に測れるようになります。
湿度に関する問題です。「水滴が付き始めた温度」に注目すると、その時の空気に含まれる水蒸気の量が分かります。それを飽和水蒸気量で割れば湿度が求められます。また、低い温度でやっと水滴が付着するということは、それだけ空気中の水分が少ないということです。
雲の発生に関する問題です。気圧が下がる→温度が下がる→水蒸気が水滴になる、という流れを覚えておきましょう。
前線に関する問題です。寒冷前線と温暖前線の違いについては、断面図を覚えてしまうのが一番早いでしょう。そうすることで、その地点の天気の変化も理解できるようになります。
体内の消化や循環に関する問題でした。過去問や模試でも頻出のテーマだったと思います。記述や完答問題の無いシンプルな問題構成なので、高得点を狙いたい大問です。
唾液についての問題です。ヨウ素液とベネジクト液を使うこのタイプの問題は頻出です。唾液によってデンプン→ブドウ糖に変化する流れは必ず覚えておきましょう。
吸収に関する問題です。小腸の柔毛から毛細血管へと吸収されるのがブドウ糖とアミノ酸です。そしてリンパ管へと吸収されるのが脂肪酸とモノグリセリド(結合して脂肪になる)です。
血液循環に関する問題です。小腸から肝臓へ向かう血管には、小腸で吸収した栄養が多く含まれます。また、酸素は栄養分からエネルギーを取り出すために必要な物質です。
イオンに関する問題です。図表が多く、その読み取りでミスのないように注意しましょう。
イオンの数に関する問題です。塩化銅はCuCl₂です。つまり電気分解すると1個のCu²⁺と2個のCl⁻になります。そのため、陽イオンと陰イオンが1:2になっているアの図を選びます。
電極や電流に関する問題です。電極Aは電源装置のマイナス極に繋がっています。そのため陰極です。また、電流は電源装置のプラス極から出て、マイナス極に戻っていきます。電流の向きと電子の移動する方向が逆であることに注意しましょう。
塩素ガスの発生についての問題です。塩素イオンは電子を放出し、2個のイオンが結びつき1個の分子になります。これが気体の塩素分子です。
電気分解によるイオンの変化に関する問題です。塩化銅水溶液の電気分解では、銅が析出するため水溶液中の銅イオンは減少します。一方、水酸化ナトリウム水溶液の電気分解では、ナトリウムイオンは陰極でも陽極でも反応しないため、イオンの数に変化はありません。
電流に関する問題で構成されています。5択や6択の問題もあり、また問題文の読み取りも難しい印象です。
抵抗に関する問題です。同じ電圧がかかったとき、抵抗が小さいほど流れる電流は大きくなります。また、回路全体の抵抗を比較したとき、抵抗器を並列つなぎにするほうが、直列つなぎよりも抵抗は小さくなります。このことは、問題文のグラフからも読み取れます。
回路の合成抵抗に関する問題です。直列つなぎのときは全体R=X+Y、並列のときは全体1/R=1/X+1/Yとなります。各抵抗器にかかる電圧の大きさや、流れる電流の大きさから求めることもできます。しかし合成抵抗の式を覚えてしまったほうが早いでしょう。
グラフの分析力や電気回路の性質についての問題です。この大問で一番分析力が求められる難問だったと思います。抵抗器を並列につないだ回路と、直列につないだ回路で電流の大きさが同じという条件設定です。グラフでは縦軸の電流の大きさを揃えて見るため、横方向に分析する形になります。
電力量に関する問題です。電力量は電力(W)に時間をかけて求めます。9Wから4Wになったということは、電力が4/9倍になったということです。よって時間を9/4倍すれば、電力量は同じになります。
今年の都立高入試・理科でも、例年と同様に実験レポートを読み取る問題や、記述問題が出題さました。問題文の情報量が多く、時間が足りないと感じた人も多いはずです。暗記で答えられる問題も多くあります。一問一答で各分野の知識を定着させ、知識のヌケやモレが無いように対策しましょう。また、高得点を目指すには資料の読解や分析が必要です。実戦形式の演習問題で、多くの問題形式に触れましょう。そして、記述問題は必ず添削指導をしてもらいましょう。
また、理科や社会では中1・中2の単元の復習なども大切です。今習っている内容の理解はもちろん、早め早めの復習を心がけましょう。家庭教師Campの前期日曜特訓では、7月までの日曜日を無駄にすることなく、自分の希望に応じてオンラインマンツーマン指導が受けられます。理科で苦手だった単元などがあれば、日曜日に集中的に学習し、克服しておきましょう。
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