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小論文と作文の違いとは? 都立高校入試の実例を交えて解説!

2022.09.06

小論文と作文の違いとは? 都立高校入試の実例を交えて解説!

こんにちは。家庭教師Campライターの工藤です。さっそくですが今回は小論文と作文の違いについて解説していきます。

小論文と作文の違いとは?

小論文と作文の違い まとめ

小論文は「論理的・説明文的」な要素が強いのに対して、作文は「主観的・随筆文的」な要素が強いという違いがあります。小論文は「論文」であるため、文章の流れも「序論・本論・結論」のような形式的な構成が基本です。作文も「意見・体験・まとめ」のような流れはありますが、その区分は小論文ほど厳密ではありません。

 

もちろん、作文においてただ主観からものを述べるだけでは、入試の作文などで良い点数を取ることはできません。しかし、小論文は資料やデータ(客観的な論理性)をもとに結論を述べます。一方で、作文は個人の体験や感情(主観的な論理性)をもとに自分の意見を主張します。この点は小論文と作文で大きく違います。

 

そのため、どちらかというと文章の書き方自体も、小論文の方が硬派になります。小論文は基本的に「だ・である調」なのに対し、作文では「です・ます調」でも特に減点対象にはなりません。(一つの作文内で、「だ・である調」と「です・ます調」が入り混じるのはNG)

小論文とは? 都立高校入試の実例から

では、実際に小論文とはどのような問題が出題されているのでしょうか。ここでは、都立高校の推薦入試の過去問を例にとって説明します。例えば、令和4年度の都立高校推薦入試のテーマで、「小論文」に分類されている問題にはこのようなものがあります。

都立日比谷高校

小問1:再生可能エネルギー推進に向けた日本の取り組みの現状を、資料から読み取る。200字~240字

小問2:地球温暖化対策に付随して得られる効果について述べるとともに、地球温暖化対策を進めていく中で生じ得る問題について、考えを述べる。340字~400字

都立戸山高校

小問1:4点の資料を参照して、鎌倉時代から室町時代にかけての産業や経済の発展について、技術の発達、貨幣、流通という三つの側面からまとめる。200字~250字

小問2:2011年から2020年までの10年間に発生した台風についての、月ごとの統計表と、台風が発生していたときの天気図とを二つ示し、沖縄・奄美と関東甲信地方の月別台風接近数の違いとその違いが生じる理由について説明する。字数制限なし

都立竹早高校

小問1:図1と図2について、それぞれから読み取れる全体的な傾向を書きなさい。100字以内

小問2:小問1の内容を踏まえて、「これからの社会の課題」を見いだし、「その解決策」について、あなたの考えを書きなさい。ただし、例としてあげる「コモンズの悲劇」の例え話を必ず用いること。500字以内

「小論文」は、資料や筆者の意見の読み取り⇒論理的な主張が大切!

都立高校の推薦入試における小論文の特徴として、「資料や筆者の意見の読み取り・要約」問題と、「それを踏まえた自分の意見」を答える問題となっている構成が非常に多いです。

 

大学入試の小論文問題などでは、そういった構成をとらない大学も多いですが、いずれにせよ「与えられた情報から得られた客観的な内容」と、「それに基づく論理的な主張」という流れは同じです。

 

客観的な根拠をもとに、読み手がだれであっても自分の意見を納得してもらえるように論理的に書く、というのが小論文だと言えるでしょう。そのため、「~だと思う」といった主観的な表現は極力排除しましょう。

作文とは? 都立高校入試の実例から

次に、実際に作文ではどのような問題が出題されているのでしょうか。ここでは、都立高校の推薦入試の過去問を例にとって説明します。令和4年度の都立高校推薦入試のテーマで、「作文」に分類されている問題にはこのようなものがあります。

都立駒場高校

小問1:図1から読み取れる、企業と学生の能力要素に対する意識の違いについて具体的な例を挙げ、その特徴を述べなさい。101~120字

小問2:図1を踏まえて、社会人として多様な人々と仕事をしていくためにはどのような能力要素が大切だと考えるか、理由を含めて答えなさい。また、将来に向けてどのような高校生活を送りたいと考えるか、具体的に述べなさい。441字~500字

都立城東高校

「書くことによって認識することは、人生を豊かにする。」という言葉がある。自分の体験を例に挙げ、この言葉についてのあなたの考えを述べよ。540字~600字

都立東大和南高校

以下のテーマについてあなたの考えを書きなさい。「学校にあったら楽しいと思うもの」500字~600字

「作文」は、自分の体験をもとに、自分の考えや価値観を述べることが大切!

作文では、小論文よりもテーマが抽象的になっているほか、「自分の体験を例に挙げ」や、「高校での3年間をどのように過ごそうと思っているか」といった質問、「何が大切か」という主観的な要素が多いです。

 

ただし、自分の意見をただただ書けば良いわけではなく、小論文における資料のように、「根拠」にあたるものが必要です。作文においては、筆者や課題文の文章の内容、あるいは自分の体験が根拠となります。その点で、小論文よりは主観的になりやすいですが、読み手に理解してもらおうとする姿勢・書き方は大切です。

 

また、小論文とは異なり、明確な正解というのはありません。ただし、価値観や考え方が高校・大学の求める生徒像などと一致するかどうか見られていますので、注意が必要です。作文は、自分の体験を整理して、それをもとに自分の考え・価値観を分かりやすく発信するものだと言えるでしょう。

小論文も作文も、添削を受けることが重要!

小論文と作文の違いについて見ていきましたが、どちらの対策についても共通することがあります。それは、「添削を受けて書き直しをすること」です!

 

小論文も作文も、先ほど述べたように「相手に理解してもらう」ことが大切です。独りよがりな内容になってしまっていては点数に結び付きません。また、小論文であれば「序論・本論・結論」のような文章の型を確認したり、作文であれば口語的な表現が入り混じってしまっていないか点検したりと、自分一人で見直ししても気づきにくいことはたくさんあります。

 

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【この記事を書いた人】
工藤
【略歴】
自らも個別指導塾に通い、私立中・国公立大に合格。個別指導塾の講師として働き、就職。個別指導塾の校長を務め、現在は個別教師Camp校長。個別指導一筋で8年間指導。
都立南多摩中、区立九段中、私立桐朋中、明大中野八王子中など、高校・大学受験でも都立国分寺高校、上智大学、法政大学などに合格者を輩出。
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