【2025年度版最新！】 私国立高校入試問題分析 ⑫市川高等学校　理科・社会

〔地点１〕地学分野　〔地点２〕生物分野　〔地点３〕物理分野　〔地点４〕化学・物理分野　

例年と違い、全体を通して文章読解の含まれる大学共通テストに近い問題形式となった。【地点１】～【地点４】をめぐる中で場面の転換があり、そこを区切りとして分野が分けられている。
【地点１】では地学分野の基礎知識に加え、社会科の地理の要素が含まれている教科横断的な問題も出題された。資料の読み取りによって解ける問題であったので、合否を分ける問題になったと推測できる。
【地点２】は文章量が少なく、植物の知識を問う問題が中心であった。植物の構造やそのはたらきについては PERSPECTIVE（家庭教師Camp授業テキスト） にも記載されているので、押さえておくこと。
【地点３】ではエネルギーや圧力に関する問題が出題。条件に沿って正確に計算する力が問われる。また、記述式の穴埋め問題も出題され、文章に正対できているかが問われた。
【地点４】では化学分野に加え、エネルギー変換に関して物理分野の知識も問われる問題となった。基礎的な知識だけでなく、文章や資料の読み取りから思考する問題も多く、設問の条件を正しく分析・判断する力が問われた。
全体的に見ると、問題量は例年に比べてやや少ないくらいである。問われる知識も、例年に比べると基礎的なものが多かった。だが、大学共通テストに近い形式になったことで、より一層正確に素早く問題文を読む力が決められる結果となった。与えられた条件に対し、その場で思考・判断する問題自体は過去にも出題されているので、短時問で正確に解けるように対策する必要がある。

〔１〕世界地理　〔２〕日本地理　〔３〕古代～近世史　〔４〕近現代史　〔５〕政治分野　〔６〕経済分野

大問3題の構成で、問題量や出題傾向、難度は例年と変わらない。過去問と同じテーマからの出題も多く、「男女雇用機会均等法」「自己決定」「需要・供給曲線」などは過去にも出題されていた。
歴史・地理・公民のそれぞれの分野で深く掘り下げられた問題が多く、複数の知識を正確に運用できないと正答できない設問が多い。また、一部教科書外の内容まで出題され、広い知識が求められる。また適性検査型の文章や資料の読み取りの問題も出題されている。1⃣は小問12問の歴史分野である。
問2での「初の全国的な戸籍（庚午年籍）」や問5での「宗門改や寺請制度」を説明する記述問題では、教科の注に書かれているような知識が問われている。また、問4での「太開検地は近江から始まった」ことは教科書外の内容が問われている。
2⃣は小問14問の地理分野である。そのうち 11問が資料問題で、資料を読み取る分析力や思考力が求められている。いずれも世界の各国や日本の都道府県の農業や工業などの主要品目の特徴を問う標準的な問題である。ただし、広い知識が必要なため、PERSPECTIVEの練習問題や過去問などで十分な演習量を積んでおきたい。ヨーロッパやアジアは各国の特徴だけではなく、白地図の場所も一致させなければいけないため、国名と場所の暗記も徹底しておきたい。
3⃣は小問12問の公民分野である。人権、景気、国際に関する問題は過去問でもよく出題されているテーマである。問6の「需要・供給曲線」は前のように2024年にも出題されていて、自由経済の市場原理の理解が問われている。初見では難しく感じるかもしれないが、過去問で理解を深めていた受験生であれば解きやすい問題であった。問7は効率性の追求とトレードオフをテーマにした適性検査型の問題で、文章に書かれている条件を正確に読む力が問われている。
日頃より基本用話の理解と記を徹底することはもちろん、数科香の本文や資料を熟読し、数科書の内容を広く理解していきたい。遅くとも中3の夏までには単元学習を終え、9月以降には過去問を取り組み始めたい。
過去問と同じテーマの出題も多く見られるため、出題テーマを周辺事項のつながりまで理解し復習ノートに整理していこう。