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東大受験対策コース
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大学は、各学部によって出題科目が異なります。
また、同じ科目であっても出題傾向が大きく異なるため、独自の対策を行う必要があります。
今回は、東京大学理科一類・理科二類・理科三類の出題傾向・入試対策についてご紹介いたします。
教科 | 科目 | 試験時間 | 配点 | 出題範囲 |
---|---|---|---|---|
一般 | 国語 | 10分 | 80点 | 国語総合,国語表現,現代文B,古典B |
理科 | 150分 | 120点 | 「物理基礎・物理」,「化学基礎・化学」,「生物基礎・生物」,「地 学基礎・地学」から2科目 | |
数学 | 100分 | 150点 | 数学Ⅰ,数学Ⅱ,数学Ⅲ,数学A,数学B | |
外国語 | 120分 | 120点 | 英語、ドイツ語、フランス語、中国語から1外国語 | |
共通テスト | — | 110点 | 900点満点を110点に変換 |
大問番号 | 出題形式 | 問題の傾向 |
---|---|---|
1A | 記述方式 | 要約 |
1B | 記述方式 | 空欄補充 |
2A・2B | 記述方式 | 英作文 |
3 | 記述方式 | リスニング |
4A | 記述方式 | 文法問題 |
4B | 記述方式 | 和訳問題 |
5 | 記述方式 | 長文読解問題 |
要約・自由英作文・リスニング・和文英訳・長文読解など、バラエティに富んだ出題が特徴です。要約問題は、300語程度の文に対し70~100語で答える形式です。文章の論理性が問われるため、「結論⇒具体例⇒全体のまとめ」の構成を意識しましょう。自由英作文は、与えられたイラストまたはテーマに対して、状況の描写や意見論述を約60字で答える形式です。発想力・客観的視点に加え、簡単な単語で正確に記述できるかどうかなど、英語の総合力が問われる設問といえます。リスニングは、試験時間45分ごろから30分にわたって放送されます。3~4人が会話している音声を聞き、5つの選択肢の中から正しいものを選ぶ形式となっています。聞き取った上で思考力が要求される設問のため、明らかに異なる選択肢は省くなど、効率的に解くための工夫を行いましょう。文法問題では、長文にいくつか下線が引いてあり、文法的に誤りのものを選ぶ形式となっています。単語の用法として、最も自然になるような選択肢が正解になるため、似たような意味の単語の使い分けができるかを問う設問となっています。和訳問題は、英文の下線部を和訳するオーソドックスな形式ですが、日本語に直しづらい表現がよく含まれます。長文読解は、例年約800語程度の物語が出題されます。英問英答や、下線部を日本語で説明する問題が出題されるため、速読力と読解力が問われる設問といえます。それぞれの設問の難易度は標準的であるものの、解答時間に対して分量が非常に多いため、高度な処理能力が要求されます。過去問に取り組む際は、スピードを意識し、本番よりも短い時間で演習することを徹底しましょう。
大問番号 | 出題形式 | 問題の傾向 |
---|---|---|
第1問 | 記述方式 | 図形問題、微積分、複素数平面が頻出 |
第2問 | 記述方式 | 第1問と同様 |
第3問 | 記述方式 | 第1問と同様 |
第4問 | 記述方式 | 第1問と同様 |
第5問 | 記述方式 | 第1問と同様 |
第6問 | 記述方式 | 第1問と同様 |
理系数学では、解答時間150分につき大問6題が出題されます。図形に関する問題、微積分、複素数平面が頻出となっています。全体的に計算量が多く発想力が問われることから、国公立の中でも最難関レベルの問題が出題されます。特に確率と数列の融合問題である「確率漸化式」、数列と極限、複素数平面と図形の相似の融合問題が頻出です。制限時間内で解くのは非常に難易度の高い問題が見られるため、文系数学以上に問題の見極めが重要となります。東大の問題では、問題の解法がすぐに浮かばないことがあるため、様々な方向から思考することが重要になります。解けそうな設問を確実に解き、解けない問題であっても、問題文を式に直すことで部分点を得ることができます。6問中2問完答+部分点を目安に、理科三類であれば4問完答+部分点を目指しましょう。
大問番号 | 出題形式 | 問題の傾向 |
---|---|---|
第1問 | 記述方式 | 現代文(評論) |
第2問 | 記述方式 | 古文 |
第3問 | 記述方式 | 漢文 |
2000年度以降、現代文2題、古文1題、漢文1題の構成となっています。第1問~第3問は文理共通問題です。第1問の現代文では、記述説明問題が3~4問、本文全体の論旨をふまえて100~120字で説明する問題が1問、漢字書き取り問題が3問の構成となります。第2問の古文は、中世の物語や説話、和歌が頻出です。問1は古文を現代語訳する問題が3問、問2以降は記述説明問題または現代語訳が出題されます。設問数は文科が5問、理科が3問です。第3問の漢文は、「史伝」からの出題が多いものの、漢詩など幅広く出題されています。古文と同様、現代語訳3題と記述説明問題または現代語訳で構成されています。設問数は文科が4~5問、理科が3~4問です。古文・漢文ともに話の展開がわかりやすい問題が多いため、取組時間を50分程度にとどめ、より難易度の高い現代文に時間を割けるかどうかが合格のカギとなります。
大問番号 | 出題形式 | 問題の傾向 |
---|---|---|
第1問 | 記述方式 | 力学 |
第2問 | 記述方式 | 電磁気 |
第3問 | 記述方式 | 波動・熱力学 |
例年大問3問構成で、第3問は波動か熱力学のいずれかが出題されます。原子は出題範囲ではありますが、最後の出題が2005年のため、可能性は低いといえます。また、直近の2023年度では、第1問・第2問ともに分野融合的な問題が出題されたため、最新の傾向に注意しましょう。第1問の力学では、円運動・単振動の問題が頻出です。複数の物体を組み合わせた「2体問題」もよく出題されます。力学で得点するには、まずは教科書の理解が大切です。力学的エネルギー保存則や運動量保存則を正しく使えるか、慣性系と非慣性系の区別がつけられるか等を確認しながら学習しましょう。物体の運動を様々な視点から観察する力や数学的な考察力も問われているため、過去問を通じて、様々な問題に触れましょう。第2問の電磁気では、電磁誘導や回路の問題が頻出です。ファラデーの電磁誘導の法則、コンデンサーに電荷が蓄えられる仕組みやコンデンサーの極板間にはたらく力を重点的に学習しましょう。見たことのない問題が多いですが、特別な知識が問われているわけではないため、問題文の題意を正確に読み取る練習を行いましょう。第3問は、熱力学では断熱変化や等温変化が2年に1度のペースで出題され、波動では、距離の差や位相差を考える問題が多く出題されます。熱力学は範囲が狭く、過去に同じような問題が出題されているため、繰り返し演習することで高得点が期待できる分野となります。波動は、イメージがつかみにくく、苦手な受験生が多い印象です。設定が複雑な問題が多いかわりに、誘導が丁寧にされることが多いため、正確に式変形することを意識して解きましょう。
大問番号 | 出題形式 | 問題の傾向 |
---|---|---|
第1問 | 記述方式 | 有機化学 |
第2問 | 記述方式 | 理論・無機化学 |
第3問 | 記述方式 | 理論・無機化学 |
例年大問3問構成で、小問は4~6題と年度によってばらつきがあります。特に、2017年度以降は大問1が有機化学・大問2が無機化学・大問3が理論という構成で定着していましたが、2021年度以降は「無機・理論」の融合分野が出題されたため、頻繁に構成が変わっていることに注意しましょう。論述問題は2~6題出題され、文字数指定がない形が定着しています。東大化学の最大の特徴は、解答用紙に解答欄が用意されていないことです。罫線の引かれた解答用紙が配布され、どの問題にどれだけのスペースを使うかは、受験生自身が判断することになります。最初の問題にスペースを使いすぎてしまうと、途中で足りなくなってしまうため、解答は必要最小限にとどめるようにしましょう。また有機では、構造決定や天然の有機化合物(合成高分子・アミノ酸・糖)、理論では、結晶格子や様々な平衡(化学平衡・溶解平衡)が頻出となります。平衡の問題は、無機化学の知識と関連付けて出題されることがあるため、分野の幅を超えた現象の理解が問われているといえます。2023年度では、高校化学で扱わない内容を考察する問題として、長いリード文を読む問題が出題されました。応用問題を解く上では、前提となる標準的な知識が非常に重要です。一つひとつの現象を理解することを意識し、それらを柔軟に使いこなせる思考力・応用力を身に付けましょう。
大問番号 | 出題形式 | 問題の傾向 |
---|---|---|
第1問 | 記述方式 | 遺伝分野・植物分野・動物分野が頻出 |
第2問 | 記述方式 | 第1問と同様 |
第3問 | 記述方式 | 第1問と同様 |
例年大問3問構成です。テーマは「遺伝分野」「植物分野」「動物分野」が頻出ですが、分野が融合したり、あらゆる分野から出題されるため注意が必要です。それぞれの小問は、基本的な知識を用いて記述または論述する問題と、問題のテーマとして示されている実験から考察して記述または論述する問題に分類されます。問われる知識は教科書レベルであり、医学部のような細かい知識を直接問う設問はありません。しかし、実験考察問題の比重が大きいため独自の対策を行う必要があります。実験考察問題は、問題文を正確に読み解く読解力、用語に対する深い理解、高度な思考力が必要とされます。解く際は、実験全体の目的をとらえ、目的がどのような流れで達成されたのかに着目して論述の練習を重ねるとよいでしょう。また、生物は物理と比べ、論述が多く所要時間が多くかかることが予想されます。自分の得意科目と相談し、選択するかを決めるとよいでしょう。
大問番号 | 出題形式 | 問題の傾向 |
---|---|---|
第1問 | 記述方式 | 天文 |
第2問 | 記述方式 | 大気・海洋 |
第3問 | 記述方式 | 固体地球 |
例年大問3問構成です。第1問に天文、第2問に大気・海洋、第3問に固体地球という構成が、最近の頻出パターンになっています。教科書の暗記だけでなく、宇宙・地球で起こっている現象に対する深い理解が求められます。東大地学の頻出分野は、天文分野から「系外惑星の軌道運動、受熱量と主系列星の性質、銀河系内外の天体の距離導出等」、大気・海洋分野から「海水の運動、台風の発生、空気塊中の雲水の生成について、エルニーニョ時の大気と海洋に関する問題」、固体地球分野から「地震と地質、断層運動、火成岩の造岩鉱物・化学組成、海底堆積物」となります。地学は、他の理系科目と比べ細かい計算が少なく、またベースとなる知識の分量も少ないため、考察力がある受験生にとっては選択するメリットの大きい科目といえます。しかし、地学受験できる他大学が少ないことや、地学に特化した参考書が少ないことから、自分の向き不向きを考えて選択するとよいでしょう。
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