中学・高校・大学
過去問分析

Camp+では、各中学・高校・大学の過去問について、傾向と分析を詳細に解説しています。都立中・都立高を中心に最新の過去問を大問ごとに分類し、傾向が一目で分かります。

東京都立墨田川高等学校 2024年度NEW!

英語

〔大問1〕 リスニング 〔大問2〕 対話文 〔大問3〕 長文読解 〔大問4〕 長文読解
今年度も例年通り、①リスニング、②対話文、③長文読解、④長文読解の構成だった。
②の対話文は吹奏楽部に所属する高校1年生の生徒2人と、アメリカからの留学生が、合奏に向けて練習をしている際の会話という、都道府県立高校では、良く見られるパターンの内容だった。
問題はいずれも内容正誤問題であり、対話文の内容把握以外では、文法的な知識は問われていない。
③は600語程度のリニアモーターカーについての説明文だった。 問題はいずれも内容正誤の選択問題であり、難度は高くない。 整序作文もかなり平易といえる。④は700字程度の、留学していた高校3年生の生徒と留学先のホストファミリーとの関係についての物語文。
〔問4〕の書き換え問題のみ文法知識が必要だが、本文中から抜き出す問題のため、難度は高くない。こちらの長文読解も内容把握が出来ていれば、正解は難しくない。
〔問7〕の英作文問題も、「これまであなたが誰かの役に立った経験について」の作文のため、本文を踏まえる必要がなく、自分が書きやすい英文を書くことができる。
問題の一つ一つは難しくないが、大問が三つあるため、問題の処理速度と長文を読むスピードが求められる問題であった。

数学

〔大問1〕 小問集合 〔大問2〕 関数 〔大問3〕 平面図形 〔大問4〕 空間図形
大問4題・小問18問構成であり、例年と構成、問題数に変更はない。
今年度の出題も昨年度と同様であり、大問4題、小問14問であった。
大問ごとの出題傾向、構成も例年通りであった。〔大問1〕は小問集合で、小問6問。平方根の計算、連立方程式、二次方程式、文字式、データの活用、作図から出題された。
データの活用については、中学校2年生の四分位数が初めて出題された。初めて出題された四分位数の問題以外は確実に正答にしたい。
〔大問2〕の〔問1〕は二次関数上の2点を通る直線の切片を求める問題。
〔問2〕は線分の長さが最短になるときの座標を求める問題。関数をx軸に対象移動させる発想に結び付けば難しくはなかった。〔問3〕(1)は座標上の三角形の面積の問題。
(2)も同様に、面積が等しい場合の座標を求める問題。
〔大問3〕は円に関する問題。〔問1〕は孤の長さ、〔問2〕は平行線を利用して角度を求める。この2問は確実に正答したい。
〔問3〕(1)は円周角の定理を利用した2つの三角形の相似の証明問題。(2)は(1)の相似な三角形の面積比の問題。(2)は補助線を1本引き、30°60°90°の直角三角形の存在に気が付けば容易に解ける。
〔大問4〕は正四角錐に関する問題。〔問1〕は立体の切断面の三角形の面積、〔問2〕は相似比を利用して正方形の面積を求める問題。〔問3〕(1)は側面上の線分の長さ、(2)は2つの立体の体積比を求める問題。
今年度の〔大問4〕は昨年度より容易であったため、(2)の計算過程の記述問題も減点なく仕上げたい。
全体としても、昨年度よりも易化している。しかしながら、①にデータの活用の四分位数が初めて出題されたので、過去問だけでなく教科書の問題も演習する必要があった。
対策としては、本校の問題の過去問だけではなく、他の都立自校作成問題校の過去問、計算過程の記述問題に取り組み、演習量を確保する必要がある

国語

〔大問1〕 漢字(読み・書き) 〔大問2〕 随筆文 〔大問3〕 論説文 〔大問4〕 現古融合文
〔大問2〕随筆文大問4題・小間27問・作文200文字の問題構成で昨年と同じ問題数の出題であった。
〔大問2〕の随筆文は幸田文の『花三題』からの出典で、心情読解問題が3問、内容把握問題が2問、表現読解問題が1問であった。例年と異なり小説文ではなかったが、心情読解が問いの中心である点は同じ。
〔大問3〕の論説文は大森蔵の『思考と論理』からの出典で、内容把握問題が5問、作文問題200字が出題された。 出題傾向は昨年と同様であった。
〔大問4〕の現古融合文は藤村真一『俳句のきた道 芭蕉・蕪村・一条』からの出典で、内容読解が5問、語句の意味を問う問題が2問で、昨年同様の出題であった。
全体を通して問題の傾向は変わっておらず、課題文に解答に至る根拠が示されているため、読解としては容易な部類に入る。
文章内容で述べ られている言葉を整理しつつ読解を進められるかが得点に結びつく。


東京都立墨田川高等学校 2023年度

英語

〔大問1〕 リスニング 〔大問2〕 対話文 〔大問3〕 長文読解 〔大問4〕 長文読解
共通問題のリスニング含めた大問4題・小問25問といった構成であった。
問題文の分量は、〔大問2〕が約600語、〔大問3〕が約500語、〔大問4〕が800語と昨年に比べ増えた。
〔大問2〕は学習におけるタブレット利用について生徒と教師が話し合っているという場面から始まる。整序作文・内容真偽 ・ 適語補充が出された。
〔大問3〕はネアンデルタール人とホモサピエンスの生存競争について、整序作文・適句補充・内容真偽が出された。
〔大問4〕はイギリスに留学した日本人 の少女が英語を話せるようになるまでを描いた物語だった。
適語補充・適文補充・語句解釈・整序作文・条件英作文が出された。
条件英作文は12~18語の英作文を2文書くもので、メールの返信文の一部を考えるというもので、相手からのメール文にヒントが書かれているためそれに気がつくことができれば書きやすかっただろう。
全体を通して、本文の分量そのものは昨年よりも増えたものの複雑な構文は使われず、比較的読みやすい文だった。
一方、長文が3題かつ異なるジャンルのものを読まされるため、時間内にいかに速く正確に読めるかが合否を分ける。
注釈以外の単語・連語は瞬時に意味がわかるくらいの語彙力が必要である。

数学

〔大問1〕 小問集合 〔大問2〕 関数 〔大問3〕 平面図形 〔大問4〕 空間図形
大問4題・小問18問構成であり、例年と構成、問題数に変更はない。
〔大問1〕小問集合は昨年同様6題。式の計算・連立方程式・二次方程式・文字式・平面図形・作図と昨年の確率の分野が平面図形の分野からの出題へと構成に変更があった。
文字式は平均についての文章題を等式変形する問題だが、昨年度の食塩水に関する文章題に比べるとやや易化されている。
〔大問2〕は一次関数と二次関数の融合問題。〔問1〕は二次関数の性質について、〔問2〕は定規角の傾きについて、〔問3〕は図形の面積に関する問題であった。
二次関数はy軸を軸とする、 線対称図形である、角度から関数の傾きを導く、等積変形と昨年度同様、関数の知識が必要となる問題である。
〔大問3〕は長方形に関する問題。〔問1〕は三平方の定理、〔問2〕は回転移動、〔問3〕は折り返し図形の相似の証明と求積についての問題であった。
昨年度同様に、〔問1〕・〔問3〕は解きやすい問題ではあるが、〔問2〕が解答パターンを知らないと時間がかかる問題であった。計算そのものは簡単であるので、演習より解答パターンを身に着けておきたい。
〔大問4〕は直方体に関 する問題である。
〔問1〕は内立体内部にある三角形の求積問題、〔問2〕、〔問3〕は共に立体の求積問題であった。
問題の難易度としては、都立共通問題の〔大問5〕と同程度であるので、共通問題の過去問演習も本校の合格のためには必要である。
総じて、〔大問1〕小間集合対策として、他の都立自校作成問題の〔大問1〕の演習、〔大問2〕以降は共通問題の〔大問3〕以降の演習を繰り返すことで、合格への力が身につく。

国語

〔大問1〕 漢字(読み・書き) 〔大問2〕 随筆文 〔大問3〕 論説文 〔大問4〕 現古融合文
〔大問2〕随筆文大問4題・小間27問・作文200文字の問題構成で昨年と同じ問題数の出題であった。
〔大問2〕の随筆文は幸田文の『花三題』からの出典で、心情読解問題が3問、内容把握問題が2問、表現読解問題が1問であった。例年と異なり小説文ではなかったが、心情読解が問いの中心である点は同じ。
〔大問3〕の論説文は大森蔵の『思考と論理』からの出典で、内容把握問題が5問、作文問題200字が出題された。 出題傾向は昨年と同様であった。
〔大問4〕の現古融合文は藤村真一『俳句のきた道 芭蕉・蕪村・一条』からの出典で、内容読解が5問、語句の意味を問う問題が2問で、昨年同様の出題であった。
全体を通して問題の傾向は変わっておらず、課題文に解答に至る根拠が示されているため、読解としては容易な部類に入る。文章内容で述べ られている言葉を整理しつつ読解を進められるかが得点に結びつく。