中学・高校・大学
過去問分析

Camp+では、各中学・高校・大学の過去問について、傾向と分析を詳細に解説しています。都立中・都立高を中心に最新の過去問を大問ごとに分類し、傾向が一目で分かります。

早稲田大学高等学院 2025年度NEW!

英語

〔大問A〕長文読解〔大問B〕長文読解 〔大問C〕長文読解

昨年度と比べ大問数は1つ減っており、例年Aで扱われていた適句選択問題や適語補充問題、誤文訂正問題などの分野別文法問題は出題されなかった。しかし、小問数自体は微増しており、長文の内容理解と文法、知識を絡めた問題が出題されている。問題自体は総じて解きやすく、合格ラインは例年よりも高くなったと言える。
Aの内容は、筆者が少年の頃に、他者から受けた普良な行いを通して学び得たものについてである。注釈はほとんどないものの、昨年から話数も減った上、単語の意味を類推しやすく設計されており、傍線前後の内容を正確に理解することで正答できる問題が多かった。
Bはデジタルデトックスに関する内容で、スマートフォンを使用する際の諸注意について例を挙げて説明している。昨年度のB・Cに比べて語数は半減していたが、小問数は15問(全て問答)あり、部分英作が2問出題されていたため、本文理解の精度を高めておく必要があった。
Cは筆者が抱いていた独食に関する印象の変化についてである。こちらの長文も短く、かつ読み取りやすく、先の展開やまとめも把握しやすい文章になっていた。
今年度は、いずれの大問においても文字全体の内容真偽問題は出題されていなかった。昨年度より文自体は易化しているものの、他校と比較すると難度は高いため、英検2級レベルの語彙力と高1レベルの文法事項(特に分詞・仮定法・関係代名詞と関係副詞の非制限用法・形式目的語・強調構文)を押さえておくことは必須である。出題形式は多岐に渡るため、本校の過去問はもちろんのこと、その他の早慶の過去問に当たり、幅広いタイプの問題に慣れておきたい。

数学

〔大問1〕小問集合 〔大問2〕場合の数 〔大問3〕関数 〔大問4〕平面図形

 大問4題、小問18問構成。昨年度よりは大幅に難化し、高得点がとりづらい出題となった。
1⃣では根号の計算、平面図形、二次方程式の出題があり、工夫して計算しないとかなりの時間がかかってしまう問題で、難度は高い。
2⃣は場合の数で、大学入試レベルの出題。積の法則をきちんと理解しているかが試されている。出題者の意図がわからないと完答は難しい。
3⃣は関数の問題であった。二関数と正六角形の関係についての問題であり、有名角を使う内容であったため、過去問演習の中でも似た問題を解いた印象を受けた生徒もいただろう。国は平面図形の問題で軌跡を考える問題であった。誘導形式になっているが、完答するにはかなりの実力が必要である。
本校に合格するためには、日頃から計算スピード、計算の工夫を意識して問題演習を積む必要がある。発展的な内容の問題は、本校の過去問はもちろん、他の難関私国立高校の過去問演習を行い、解法バターンをしっかり身につけることを意識したい。1⃣の小問集合が昨年度と比べ難化したため、今年度の問題レベルで演習を積んでおこう。

国語

〔大問1〕論説文 〔大問2〕論説文 〔大問3〕古文

 長文読解2と古文の読解1題という例年通りの出題であった。1⃣の出典は戸谷洋志による『生きることは頼ること』(約4400字)、2⃣の出典は岡山敬二による『わからなさを生きる哲学』(約2800字)で、ともに近年の著作からである。
例年どおり長文読解は2題とも論説文での出題で、通読に時間を要するのも変わりがない。そして3⃣は平安時代の歴史物語『世継物語』から、例年通り400字前後に調整しての出題で文章量自体はさほど多くない。出題の傾向として大きな変化はないが、「適切でない・合致しない」ものを選ぶ定番の設問に加え、昨年度よりも本文からの抜き出し問題が増えている。
本校の出題の特徴は、長文の大問2題がともに抽象度の高い論説文であることだ。問題処理にスピードが必要なことも考えて、時間を意識した同水準レベルの文章読解の練習を積み重ねたい。また、問題数の多い抜き出し問題に対処するため、通読する際に本文中の内容・要素の言い換え表現や対比関係にある表現要素を頭の中で組み立てて読み進める習慣を身につける必要がある。
古文は得点源になるため、脱話物語のジャンルを中心に、同分量の学校の古文読解問題に触れて対策を進めていきたい。全体として、設問形式にパターンと特色があり、明確に語彙力の高さと処理力を試される問題のため、本校の過去問を遡って解き、時間を意識して演習を重ねるのがもっとも有効な対策である。


早稲田大学高等学院 2024年度

英語

〔大問A〕文法問題(適語選択・適語補充・正誤問題)〔大問B〕長文読解 〔大問C〕長文読解 〔大問D〕長文読解

Aの文法問題は適語選択、適語補充、そして正誤問題と幅広く出題された。 Bは約 600語前後で注釈なしたが、昨年度が900語前後であったため、大変短くなっている。内容は笑顔がコミュニケーションにもたらす効果についてである。 Cは約 700語。内容はコミュニケーション手段としての手話についてである。
Dは約500語で、Cとともに語彙の注釈はなく、英問英答で出題されている。内容は借金で苦しむ父を娘が借金取りから教う話である。昨年度と同様、Dの最後に自分の考えを英作文で書く問題が出題されている。近年、記述力を重視する傾向にあるので、次年度も同様に出題されると予想される。
長文に関しては、全体として内容が理解できているかを問う問題がメインである。
本校の出題ポイントは、①注釈なしの長女、②過去完了などの高校文法からの出題、③本文の適語補充の問題、④本文の表現に適するイラストを選ぶ問題、⑤単語のアクセントを問う問題。
全体として昨年度よりも易しめになったと思われるが、全体の難度が高い点は変わらず、本校に合格するには英検2級の語彙力と高1レベルまでの文法事項を抑えておく必要がある。
また昨年度では出題がなかったアクセントの問題も出たため、本校の過去問はもちろんのこと、その他の早慶系の高校などの過去問に当たり、幅広いタイプの問題に慣れておきたい。

数学

〔大問1〕小問集合 〔大問2〕空間図形 〔大問3〕関数 〔大問4〕場合の数

 大問4、小問16問構成。昨年度から1問増えた設問数であったが、ここ数年の設問数は15問前後であり大きな変化はなかった。
全体としては大幅に易化しており、7割以上得点がないと心配な出題であった。
1⃣では場合の数、平面図形、整数問題から出題があり、難度は標準レベルであった。本校の受験生なら確実に正答したい。
2⃣は空問図形から、最短距離、切断面、三角錐台の体積に関する問題であった。
(1),(2)は解きやすいものの、(3)は切断面の描き方が確実に身に付いていないと解けない難問であった。
3⃣は二次関数からの出題で、2⃣と同様に過去問演習の中でも同じような問題を解いたことがあると感じた受験生も多かったと推測される。
放物線上の点を結んで作られる台形は頻出のため、ぜひとも完答したい大問であった。
4⃣は立方体の辺上で移動する2点間の長さを考える問題。場合分けをもれなくできたかが得点差を生んだ問題であった。
(3)は本校有の確率が0になる問題で、答えに自信が持てない受験生も多かったと思われる。
(4)は計算力も問われる大学入試レベルの難問であった。
本校に合格するには、基本解法バターンをしっかり身につけたうえで、発展的な問題も学習して応用力を養う必要がある。
本校の過去問はもちろん、他の難関国私立高校の過去問演習を行い解法バターンのしっかり身に付けると同時に、時問内に確実に解ききる練習を積み重ねることが重要である。

国語

〔大問1〕論説文 〔大問2〕論説文 〔大問3〕古文

 大問構成は、長文読解2題と古文の読解1題という本校定番の出題であった。 1⃣の出典は哲学者・谷川嘉浩による『スマホ時代の哲学』(約4400字)、2⃣の出典は教育学者・池田賢市『学校で育むアナキズム』(約3200字)で、ともに近年の著作からである。
例年どおり長文読解は2題とも論説文での出題で、通説に時問を要するのも変わりがない。
そして3⃣は鉄倉初期の仏教説話『撰集抄』(作者不詳)から、中略し、例年通り400字前後に調整しての出題。
小開総数は27問で、抜き出し7問、適語補充も合め記号選択問題は15問で、 そのうち1⃣・2⃣では「適切でない・合致しない」ものを選ぶ定番の設問が7問、知識問題が4問、漢字の読み書きは1⃣・2⃣の本文からそれぞれ3問ずつの出題であり、出題の傾向として長きにわたり変化は見られな い。
本校の出題の特徴は、長文の大問2題がともに抽象度の高い論説文であり、まずはこれに慣れておく必要がある。
また、問題数の多い抜き出し問題に対処するため、通読する際に予め類似表現や対策表現を意識しつつ読み進める習慣を身に付ける必要がある。
古文は、説話物語のジャンルを中心に、多くの問題にあたることで得点額になる。
全体として、設問形式がパターン化しているので、本校の過去問をさかのぼって解き進めるのがもっとも有効な対策である。