中学・高校・大学
過去問分析

Camp+では、各中学・高校・大学の過去問について、傾向と分析を詳細に解説しています。都立中・都立高を中心に最新の過去問を大問ごとに分類し、傾向が一目で分かります。

東京都立新宿高等学校 2025年度NEW!

英語

〔大問1〕リスニング 〔大問2〕対話文 〔大問3〕論説文 〔大問4〕物語文

2⃣の対話文は、文内容をまとめたメモに適話を補充させる問題、語句整序問題、文整序問題と出題に大きな変化はないが、昨年度は短い選択肢が6つだったのに対して、今年は長い選択肢が4つに変化した。語数・難度ともに昨年度から変化はない。問4は連続する話を本文中から抜き出す問題から適語句を補充する問題に変化した。問5は本文の要約的な文章の空欄に、本文からの適切な話を入れる問題、問6は本文との内容一致問題。
3⃣についても基本的に昨年度の出題を踏襲しているが、問4の適話補充問題と問5の「phenologyを研究する際の問題点として述べられているもの」を選ばせる問題は、昨年度にはない問題。総じて、大問内での順学の入れ替わりがあるだけで、難度も昨年度と変化はない。
4⃣は物語文で昨年度と変化はない。問1と問2は下線部の内容を問う問題で昨年度と同様。問3は昨年度なかった文京中の話句数問題だったが、それ以外の形式に変化はなかった。難度は昨年度よりも読みやすくなっている。問7の作文は昨年度のメールの中の英文を考えさせる問題から、「自分たちで何かを作るとしたら」という自由度が増した英作文に変化した。
対策として、他の立自校作成校を含め過去問に数多く取り組み、語彙力・読解力・作文力を養うとともに処理スピードを上げ、自分に合った時間配分を見つけてほしい。

数学

〔大問1〕計算・小問集合 〔大問2〕関数 〔大問3〕平面図形 円と相似 〔大問4〕立体図形

大問4、小問 15 問と構成がほぼ変わらず、3⃣で出題されている平面図形の証明問題は昨年に引き続き選択穴埋め形式である。
1⃣は平方根の計算・連立方程式・データの問題・サイコロの確率・平面図形の角度を決める問題・作図である。標準レベルの問題が続いているが、試験は時問との勝負である。ここは慎重にミスなく解き、満点を狙いたい。
2⃣は関数からの出題。傾きの公式、座標平面上の平行四辺形、三角形の線分比と面積比といった日曜特訓(家庭教師Camp)の演習で繰り返した問題が続いている。ここでは時問をかけないようにしたい。3⃣は平面図形の問題で、やはりここも三角形の面積比が大きなテーマとなっている。証明問題の穴埋めは比較的やさしい問題である。最後は証明済みの相似である三角形を利用して解いていく問題である。相似な三角形を補助線を引いて作らなければならず、類題の経験がない受験生にとっては高難度の問題である。
4⃣の立体図形は一昨年度のような時間内に解くのが到底不可能と思われる問題ではなく、いずれも立体の基本的な性質をおさえておけば得点できるレベルの問題であった。点と平面の距離、三角錐台の体積、立体内の2点問の距離などが出題されている。類題を日曜特別・直前特訓で扱っており、繰り返し解きなおすなど復習を十分にすれば本番のテストでも十分に役立ったと思われる。

国語

〔大問1〕漢字(読み・書き) 〔大問2〕物語文 〔大問3〕論説文 〔大問4〕現古融合文

大問が4題・小問が28問という構成、1⃣の漢字は、読み書きどちらにおいても昨年度並みの難度であった。
2⃣は平田侑也『八秒で発べ』からの出題で、パレーボール部に所属する主人公が大会の予選に出場し、自分たちの試合の前に他校の試合を見ているチームメイトを見かけたときの物語が描かれている。記号問題6問に加え、空所に当てはまる漢字を答える問題が出題された。
3⃣は近内悠太『利他・ケア・傷の倫理学』からの出題。利他とは何か、ケアの本質とはどういったものかについて、哲学的に述べられた論説文である。昨年度と比べて文章量・文字自体の難度ともに変化はない。記号問題の他、小問内の文中の空所に適する表現を本文から抜き出して答える問題、200字以内の自由記述問題が出題された。
4⃣は小林一彦『掛詞』(一部改変)からの出題。さまざまな短歌に含まれている掛詞およびその役割についてべられている。昨年度と比べ文章量が増加したものの、文自体の難度は昨年並みであった。記号問題4問に加え、残り2問が抜き出しの記述問題であった。
日頃から正答のみならず誤った選択肢においてもどういった点で相違が生じているのかという分析が必要不可である。加えて、自由記述問題では文章内容を踏まえた作文が求められるため、文章内容の要約を試みる習慣をつけることも重要である。


東京都立新宿高等学校 2024年度

英語

〔大問1〕リスニング 〔大問2〕対話文 〔大問3〕長文読解 〔大問4〕長文読解

今年度はリスニング、対話文1題、論説文1題、物語文1題と、昨年度の大問構成と変わらなかった。
語数も全体で50語程度減っているため、その点ではやや易化した印象がある。
大問別にみると、2⃣は昨年度出題された文中での文整序問題がなくなったかわりに、文中での語句整序問題になった。さらに、今年度は〔問1〕で、対話の内容をメモでまとめ、その文中に語句を埋めさせる問題が増えた。3⃣は例年通り論説文で、空所語句補充が1問、下線部の意味と内容が合う絵を選ばせる読解問題が1問、語句整序問題が1問、内容一致問題が1問と変化はない。内容については、昨年度の「二次元コード」を扱った題材に対して、今年度は「ローマ数字」についてという馴染みのない内容であったため、受験生にとっては扱いにくかったと思われる。
4⃣は例年通り物語文で、7問構成も例年通りであった。下線部の意味を問う問題が昨年度1問に対して今年度は3問になり、内容一致問題が1問で昨年度と同じ、それ以外は空所補充問題となっている。いずれも内容の前後関係で答えを導き出せる問題となっており、例年通り解きやすくなっている。難度は例年通りだが、長文3題を制限時間内に高い精度で処理しなければならないため、時間配分を考えながら解き切る力が求められる。
特に3⃣の馴染みがない題材については、解答の手がかりになる内容の位置やルール、条件などを論理的に整理しながら読み解く能力が求められた。こういった問題に対する訓練は、過去問を制限時間内に解いた後に、時間をとって和訳を参考にしながらでも論理構成を確かめながら読んでいき、最後にもう一度英文を音読し、文脈をたどながら読んでいくという訓練をする必要がある。

数学

〔大問1〕小問集合 〔大問2〕関数 〔大問3〕平面図形 〔大問4〕空間図形

大問4問、小問16問の問題構成。例年とほぼ変わらないが、3⃣で出題されている平面図形の証明問題(10点)が、今回は記述ではなく、選択穴埋め形式(1問1点×10)へと変更されている。
1⃣は小問形式で、平方根の計算、連立方程式、式の値、確率、中点連結定理を利用した平面図形、そして作図である。ここ数年続いた高いレベルの作図は出題されなかった。いずれも標準レベルの問題であるが、ここは慎重に解き、満点を狙いたい。他の都立自校作成問題校の1⃣はすべて解き切って本番に臨んでほしい。
2⃣は関数からの出題。本質的には三角形の線分比と面積比の理解が問われている。前期日曜特訓から何度も練習した分野である。解きやすい問題ではあるが、日頃から制限時間に解く訓練が必要である。
3⃣は平面図形で、〔問1〕・〔問2〕は正三角形の折り返しがテーマで頻出問題といってよい。〔問3〕の証明問題は誘導をもとに丁寧に解いていき、正解にたどり着きたい。結果のみの暗記ではなく、日頃の授業から、なぜその定理が成り立つのか、公式を自ら証明する学習習慣をつけておこう。
4⃣は二つの立方体を組み合わせた問題。昨年度のような時間内に解くのは不可能と思われるような問題ではない。いずれも日曜特訓、また直前特訓で扱っており、繰り返し解きなおすなど復習を十分にすれば本番のテストでも役に立ったと思われる。

国語

〔大問1〕漢字(読み・書き) 〔大問2〕物語文 〔大問3〕論説文 〔大問4〕現古融合文

1⃣の漢字の読み書きは各4問。漢字の難度は読みも書きも例年通りであった。
2⃣小説は、木内昇『かたばみ』からの出題であった。小学校教員を務める主人公の悌子、夫の権蔵、そして将来有望視されていたものの野球大会の決勝で足を怪我してしまった清太、3人を軸とした物語が描かれている。設問が合計7問で、全問記号選択の形式であった。
3⃣論説文は、池上俊一『歴史学の作法』からの出題であった。歴史の捉え方ならびに考え方について述べられている。文章量が減少しているものの、文章そのものの難度は低くはない。また、最後の自由記述問題では、出題の切り口が波線部中の語句からとなり、これまでにあった文章全体における指定語句についてという出題の切り口とは異なるものであった。取り上げられる語句自体の抽象度は例年通り高い。
4⃣現古融合文は、小川靖彦『万葉集と日本人』からの出題であった。万葉集の歴史をテーマとしている。これまでの熟語の構成及び助詞の識別等といった文法問題が出題されていた年度もあったが、本年度ではそれらの出題がなく、文章内容を問う問題以外では現代仮名遣いを記述する問題が1問出題された。

東京都立新宿高等学校 2023年度

英語

〔大問1〕リスニング 〔大問2〕対話文 〔大問3〕長文読解 〔大問4〕長文読解
〔大問2〕は小問6問の対話文問題であり、適文選択や対話文完成、文脈に合わせた語句補充問題、 内容一致問題で構成されていた。〔問1〕・〔問3〕の適文選択、対話文完成問題はできるものを埋めていき、消去法で残りを特定する方法が有効。〔大問3〕は「二次元コード」ついての説明文。適文選択や整序英作問題、語句補充問題、内容真偽など、本文内容を理解しているかを問う問題であった。〔問2〕の整序英作問題は難度が高く、相関接続詞や関係代名詞を正しく柔軟に利用できるのかどうか、文脈を理解しているのかを問う良問であった。〔大問4〕は読書がテーマの物語文。 語順整理問題、適文補充問題、内容一致問題、35語以上45語以内の英作文の7問で構成されていた。英作文は「どのような目的で読書をするか」という問題 で、これは本文に書いてある 「読書から得られるもの」と一致するため、本文の内容に合わせて書く練習を積み重ねる事で上達できる。先に英作文の問題を読み、文章全体のテーマと問われる事を理解したうえで本文を読み始める事がポイントになる。例年と同じく大問4題構成と問題数が多く、スピード勝負というのは変わりなかったが、令和2年度や3年度のように、語順整理問題が2問に減った分、 難度が上がった。整序英作問題は新宿だけでなくどの都立自校作成問題校にも出題されるので、最低でも他の都立自校作成問題を含めて、過去問を解いておいた方が良い。

数学

〔大問1〕小問集合 〔大問2〕関数 〔大問3〕平面図形 〔大問4〕空間図形
昨年より小問が1問減り大問4題、小問16問の問題構成。〔大問1〕は平方根・ 連立方程式・式の値・確率・円内の角度計算・作図の6問。式の値を求める問題が加わった。いずれも標準的なレベルである。この〔大問1〕でしっかりと得点することが合格に直結する。〔大問2〕は二次関数。 今年も〔問2〕で解答過程の記述が要求された。 内容は標準的だが、題意を正確に読み取り、いかに素早く正確に計算できるかがカギとなる。〔大問3〕は平面図形。昨年や一昨年とは異なり、円に内接する多角形。〔問1〕は記号選択型の証明問題。一見すると簡単そうだが、誘導にうまく乗れないと苦労することもありうる。長さの等しい辺・等しい角・平行・垂直などの記号を図形に書きこむ習慣を身に着けておこう。〔大問4〕は立体図形。二等辺三角形を底面とする角柱。与えられた条件を図形に書き込み、断面や展開図を自分で描く力が求められている。合格点を取るには、enaの日曜特訓・合宿・各種模試を完遂し、勉強の絶対量を確保することは必須である。その上で、PERSPECTIVEに加え、私立 MARCH附属や都立戸山・青山・立川などの平成25年以前の過去問にもふれておきたい。

国語

〔大問1〕漢字(読み・書き) 〔大問2〕物語文 〔大問3〕論説文 〔大問4〕現古融合文
大問構成は4題で小間は29問だった。〔大問1〕の漢字の読み書きでは、「連絡」や「小康」のように都立自校作成問題校で出題されやすい漢字が出題され、昨年度と比べると易化した。〔大問2〕は村山由佳『星屑』からの出題。歌番組のリハーサルに急遽出ることになったミチルと真由の心情や、彼らを見守るマネージャーの桐絵の心情の変化とその根拠を問う出題だった。 文章中の登場人物の場面ごとの様子を正しく読み取りながら、選択肢の取捨 選択を正確に行っていく必要がある。〔大問3〕は池内了「物理学の原理と法則」からの出題。科学における理論とはどうあるべきか、原理を説明するための演繹法と帰納法とは何かについて述べていくなかで、筆者は科学を万能だと考えることに対しての警鐘を鳴らしている。〔大問4〕は山本淳子『枕草子のたくらみ』からの出題。 枕草子で描かれている冬の夜の月と雪の光り合う姿を不釣り合いだと考えたり、逆に月夜の雪景色を美しいものと考えて いたりしているのは、実は同時期の源氏物語の作者である紫式部と互いの作品を読みあい、美意識のやり取りをしていたのではないのかという筆者独自の視点を読み取る内容であった。古文の内容を含みつつも、出題は現代文内容からの出題や品詞の識別などが中心となっている。本校を受験する場合は他の都立自校作成問題校の過去問や私立MARCH附属の過去問を精力的に取り組んでおきたい。