中学・高校・大学
過去問分析

Camp+では、各中学・高校・大学の過去問について、傾向と分析を詳細に解説しています。都立中・都立高を中心に最新の過去問を大問ごとに分類し、傾向が一目で分かります。


東京都立西高等学校 2023年度

英語

〔大問1〕リスニング 〔大問2〕対話文 〔大問3〕長文読解 〔大問4〕長文読解
大問4題構成は変更なし。リスニングを除いた小問数は昨年度27 問に対し、今年度は29ン問。大きな変更点は、内容正誤問題が 24点の配点のまま、4つの選択肢から1つ又は2つの英文を選択する形式になった点であり、受験生にとっては解きやすくなった。長文の文章量としては、〔大問2〕109行、〔大問3〕52行、〔大問3〕62行であった。〔大問2〕では、適文選択問題や文脈を踏まえた 整序英作問題、要約した文章の空所補充問題などが出題された。〔大問3〕では、長文中の 共通語補充問題、整序英作問題などが出題された。〔大問4〕では、該当の英文が文章のどの空欄に入るかを問う問題や整序問題、適語句補充問題が出題された。今年度入試では、〔大問2〕の長文のテーマが日比谷高校のものと重なっていた。タイムリーな話題も含めて日頃からさまざまな分野に対して興味関心を向けておくことも得点力の向上につながる。〔大問4〕のテーマ作文は「外国人に推薦する日本の建造物・自然」という典型的テーマであった。リスニングを除き大問3題のためそれぞれを平約12分程度で解くスピードが要求されている。短時問で長文の内容を把握する必要があることから、語彙力のレベル向上を強く意識しながら多くの長文読解に取り組み、過去問を中心に難度の高い長文読解練習と速読の対策をしておく必要がある。

数学

〔大問1〕小問集合 〔大問2〕関数 〔大問3〕平面図形 〔大問4〕約束記号
今年度の問題構成は作年度と同様であり大問4題、小問 14 問であった。大問ごとの出題傾向も昨年通りであった。〔大問1〕は小問集合で、平方根の計算、二次方程式、確率、資料の整理、作図の5問である。作図問題の難度は高かった。作図以外の4問は確実に正解しておきたい。〔大問2〕は二次関数の開題であり、他の問題と比べて正解しやすい問題であった。(3)の回転体の求積の問題は回転軸が斜めになっているため、類題経験の有無で差がつく問題といえる。〔大問3〕は平面図形の問題で、昨年同様に円についての問題であった。〔問1〕・〔問2〕は他の自校作成校の過去問なども使って円の問題を解く練習をしておけば解ける問題であった。〔問3〕は証明問題であり、他の学校とは異なるタイプの問題。様々な高校の過去問を解き、しっかり練習しておく必要がある。〔大問4〕は例年、日は他の学校のように空開図形ではない問題が出題される。作業をして解ける〔問1〕は正解しておきたいが、〔問2〕〔問3〕は正答率が低いと思われる。全体的には昨年と比べて難度は下がっている。〔大問1〕の作図や〔大問4〕の〔問2〕〔問3〕などで時問をかけずに正解できる問題から解いていけるかがカギとなった。

国語

〔大問1〕漢字〔読み〕  〔大問2〕 漢字〔書き〕  〔大問3〕 小説文  〔大問4〕論説文  〔大問5〕 現古漢融合文
 大問は例年通り5題で小問は26問、問題数は昨年度と変わらなかった。ただ、本文全体の字数が増加したこと、論説文の難度が上がったことなどを踏まえると全体的に難化している。小説文では例年通り心情変化の記述問題が出題された。〔大問1〕・〔大問2〕漢字の読み書きは各4問。例年では四字熟語の出題があったが、今年度は出題がなかった。その他の漢字の難度は例年通りであった。〔大問3〕小説文は碧野圭『凜として弓を引く』からの出題であった。 設問形式は変化していない。毎年出題がある心情変化の記述問題は、昨年度と比較し字数が増加した。〔大問4〕論説文は千葉眞「資本主義・デモクラシー・エコロジー』からの出題であった。設問形式では大きな変化はなかった。 しかし、課題文自体が難解になったことにより大問自体の難度が上がった。文章の流れ、文構造を意識した読み方が要求されている。〔大問5〕現古漢融合女は縄田雄二『モノと媒体の人文学』からの出題であった。設問形式では抜き出し問題が出題されるという変化があった。他の都立自校作成問題校の総合問題で演習を積むことや、古文・漢文に読み慣れておくことで早く解き進めることができる。全体として難度が高く、とりわけ論説文においては課題文の抽象度も高いため、都立高校の問題だけではなく、私立最上位の高校の問題の対策を行うことが必須である。