Camp+では、各中学・高校・大学の過去問について、傾向と分析を詳細に解説しています。都立中・都立高を中心に最新の過去問を大問ごとに分類し、傾向が一目で分かります。
〔大問1〕リスニング 〔大問2〕図や表を基にした読解問題 〔大問3〕対話文読解 〔大問4〕 長文読解
大問4題・小問23問の構成、うち条件英作文12点分という出題傾向と配点は昨年度と同様、大問1は4問が記号選択式で最後の1問が英問英答。大問2は図や表を用いた対話文の読み取りと、Eメール文を基にした読解と条件英作文。返事のEメールをく条件>に合うように書くという形式は、平成29年度入試から7年連続で同じ出題であった。前後の文につながるように書く・伝えたい内容とそれを取り上げた理由を含めるという体験で、普段から英作文の添削をしてもらい、それを復習する必要がある。大問3の対話文は約610語。登場人物の「first year highschool students」は美術部員で、展覧会前に作品が完成できるか不安だというやりとりをしている。中学時代のやり取りを思い出し、それに勇気づけられるという流れの中で、encourageという話がカギとなっている。登場人物が多いので、代名詞が誰を指しているのかを意味しないと内容を混同しやすい選択肢があった。大問4の長文読部は730語。「exchange student」との交流を深めていく過程が書かれている。指示語・抽象語(that evening,the next day, three days later)がそれぞれ何曜日を指すのか、内容を理解したうえで設問に答えることが決められた。時制や指示語に加え、連語表現が内容理解に決められており、速読力と語彙力が点数の差につながる。日ごろから音読と単語テストに真に取り組む姿勢が点数アップのカギとなる。
〔大問1〕小問集合 〔大問2〕文字式の利用 〔大問3〕 関数 〔大問4〕 平面図形 〔大問5〕立体図形
大問5類、小問19問の構成で配点も併年通りであった。全体的に難問はないが、条件の整理に時間がかかる問題が例年より多く出題された。大問1は例年並みであり、全問正解しておきたい。〔問7〕では今年度「確率」が出題された。ここ6年問「確率」と「資料の整理と活用」の問題が交互に出題されている。〔大問2〕は図形の面積に関する公式について、文字式を用いて証明する問題。〔大問3〕は一次関数についての問題、〔問2〕は条件にあった図を自分で書かなければならず、差がつく問題といえる。〔問3〕は与えられた面積比から座標を決める問題。例年とほぼ同じ難度。関数は、ここ10年問で一次開数と二次関数が交互に出題されている。〔大問4〕は平部図形の問題。〔問2〕の相似の証明は非常に易しかったため、ぜひ正解しておきたい。〔問3)は面積比を決める問題。難度は高かった。〔大問5〕は空間図形の問題。〔問1〕は表面上の最短距離の問題、(問2)は正四面体の体積の公式と比を用いて水める問題だったため、正四面体の体積の公式を覚えていない生徒には解きにくい問題だった。 全体として難度は上がり、高得点を取りにくい入試問題であった。都立共通問題上位校を目指す生徒たちは都立高校だけでなく、中堅私立高校の入試問題も解いておくと良い。
〔大問1〕 漢字(読み) 〔大問2〕漢字(書き) 〔大問3〕 小説文 〔大問4〕論説文 〔大問5〕 現古融合文
大問ごとの問題数・配点についても変化がなかった。大問3の小説文の出典は清水晴木『旅立ちの日に』で、問題数は昨年と同じく5問だった。すべて記号問題である点も昨年と同じだった。傍線部の表現から読み取れる登場人物の心情、行動理由を問う問題や、表現方法に絡んだ問題など、過去の出題に沿った典型題で、難度も高くない。大問4の論説文の出典は信原幸弘『情報とウェルビーイング」で、200字の作文が1問、他4問が記号問題という出題形式は変わらなかった。対策を重ねてきた受験生にとっては想定通りで取り組みやすかった。作文問題は「これからの情報社会をよりよく生きる」というテーマで出題された。時間配分に注意しつつ、文中の内容に沿って意見をまとめ、具体的な体験や身に引き付けて書くことができたかどうかが勝負の分かれ目になっただろう。大問5は、清少納言「枕草子」と式部「源氏物語」についての対談と文の一部であるA (円地文子、吉田一『源氏物語をめぐって』とB(塚原鉄雄『枕草子研究』と、Bに含まれる古典の原文の現代語訳の3つの部分から成った出題だった。例年、大問5では語句・国文法・古典の基礎に絡んだ出題があるが、今年度は〔問1〕で「に」の議別問題、〔問3〕で「仮名遣い」の問題が出題された。このような、いわゆる「非読解」の問題が1つの大問の中に2題含まれるのは平成28年以来であった。他の問題は本文の説解に関わるもので典型題と言える上、難度もそれほど高くなかった、その分ミスが許されず、時間配分も重要になる出題だったと言える。
〔大問1〕 小問集合 〔大問2〕小問集合(レポート形式) 〔大問3〕地学 〔大問4〕生物 〔大問5〕化学 〔大問6〕物理
昨年度の大問1は小問5問構成だったのに対し、今年度は6問構成、ただし、大問4の小問がひとつ減っているので、全体では 25問であり例年と変わっていない。大問1では生物・化学がそれぞれ2問ずつ、地学・物理がそれぞれ1問ずつ出題された。都立では定番の2✕2の4択問題であり、基本知識を問う問題だった。2では、例年通りのレポート問題が出題された。速さ、食塩水の濃度・密度、卵割と染色体数、太陽の動きと地球の公転の4問構成だった。大問3の地学分野は、天気(飽和水蒸気量・雲のでき方)からの出題。全体的に図や資料が少なめ、かつ定番の問題だった。大問4の生物分野は消化からの出題。昨年度は4問だったのに対し、今年度は3問。こちらも、〔問1〕の唾液のはたらきを調べる対照実験、〔問2〕の小腸の毛で吸収される様子、〔問3〕のヒトの体内における血液の循環経路、すべて過去に出題されたものばかりであった。大問5の化学分野は、塩化銅水溶液の電気分解からの出題。すべて基本的な内容である。大問6の物理分野は、電流・電圧からの出題。実験の結果から考察し、基本計算を行う問題であった。全体を通してやや難化したとは言え、基本的知識を問われることが多く、解き方を暗記することはもちろんのこと、問題の実験の意図を理解し、計算問題を充分に演習することが不可である。
〔大問1〕 小問集合 〔大問2〕世界地理 〔大問3〕日本地理 〔大問4〕歴史 〔大問5〕公民 〔大問6〕総合問題
大問1は地理・歴史・公民分野から1問ずつの出題。〔問1〕は地形図を使った問題で、高低差を見分ける問題だった。例年、地形図を使った問題は出題されるので、地形図を読み取る練習は必要である。〔問2〕・〔問3〕は基本的な問題であり、確実に正解したい。大問2の世界地理は、例年通り地図や資料、様子を表した文章を使った問題が出題された。ここ何年かの難度の高い問題に比べ、キーワードがわかりやすく、解きやすかった問題といえる。大問4の日本地理も、〔問1〕は距離が輸送にかかる時間で表されたり、〔問2〕は貸物送量や輸出入額で表されたりと、比較的わかりやすく示されており、正解しやすかった問題といえる。国の歴史は、〔問3〕で時代順の並べ替えと所在地を聞く問題が例年にない完答問題として出題された。ただ、例年通りに解答を導くためのキーワードがわかりやすく出題されているため、新しい出題方法があったが難度は変わっていない。大問5の公民の〔問2〕は解答を導き出すヒントに乏しく、また、〔問3〕は固定資産税が地方税である感覚が受験生には薄く、ともに難度は高いと言える。さらに、〔問4〕の記述も解答するのに必要な資料はあるのだが、受験生に株式会社の概念があまりないため、難度としては高い。大問6の〔問1〕はややわかりにくいもののキーワードがあり解答にたどりつける。他方〔問2〕は事実上地球サミットの年号を必要とし、〔問3〕も大阪万博が第二ベビーブームの最中であることを知らないと対応できず、ともに難しい問題と言えるだろう。