中学・高校・大学
過去問分析

Camp+では、各中学・高校・大学の過去問について、傾向と分析を詳細に解説しています。都立中・都立高を中心に最新の過去問を大問ごとに分類し、傾向が一目で分かります。

東京都立国立高等学校 2025年度NEW!

英語

〔大問1〕リスニング 〔大問2〕対話文 〔大問3〕長文読解
 2⃣の対話文は例年通り理系の内容(=効率的な脳の使い方)を扱っているが、例年に比べ専門性が下がり一般的な説明文となっている。
小問に関しては、整序作文(関係節による修飾)や文脈把握の選択問題などは平易に感じられる。
ただし、本文中の語の抜き出しは時間を忘れて探してしまうことに気を付けたい。対話文の内容はこの数年易化傾向にあると思われる。
3⃣は約1350語の物語文であり、出題形式は例年と大きく変わらない。選択問題や整序作文は比較的平易である。ここでも本文からの語句抜き出しは時間を取られないように気を付けたい。
2か所ある20~30語の英作文は、文脈の把握と英文作成の能力が求められている。ひねる必要はなく素直な英文を作成したい。

数学

〔大問1〕小問集合 〔大問2〕二次関数 〔大問3〕平面図形 〔大問4〕空間図形
 昨年度同様、大問4題・小問14問の問題構成。
1⃣は平方根の計算、連立方程式、データの活用、確率、作図の5問。
〔問3〕は平均値と中央値が一致するときのaの値を考えれば解くことができる問題である。
〔問4〕は円を扱った問題であるが、さいころの問題なので書き出して確実に正解を導きだしたい。
〔問5〕はどのように作図したらよいか判断を迷った受験生も多かったと思われる。
2⃣は昨年度同様、二次関数からの出題で、〔問1〕は二次関数の比例定数aの値、〔問2〕は直線の式、〔問3〕は座標を求める問題。いずれも典型的な問題で、前期日曜特訓から何度も練習した分野でもあるので満点を狙いたい。日頃から早く正確に解くことを意識するとよい。
3⃣は平面図形で、正方形と正三角形を組み合わせた問題。〔問1〕は角度を求める問題、〔問2〕(1)は合同の証明の問題で、正方形や正三角形の性質を理解していれば解きやすい問題だった。〔問2〕は多くの受験生が答えまでたどり着いていないと思われる。
本校に合格するためには、前期から日曜特訓に参加し、できなかった問題を徹底的に復習する必要がある。
また、他の都立自校作成校の過去問はもちろん、難関私国立高校の過去問にも多く取り組み、応用力を身に付ける必要がある。

国語

〔大問1〕漢字〔読み〕  〔大問2〕 漢字〔書き〕  〔大問3〕 小説文  〔大問4〕論説文  〔大問5〕 現古漢融合文
 全体の構成は、昨年度と比べて小説文で小問が1問減り、大問は5題、小問は漢字の読み・書き10問を含めて29問。
1⃣・2⃣の漢字はやや易化。聞いたことがある言葉が多く、意味を考えて漢字に直すことが出来れば正解できる。三字熟語や四字熟語の読み書きを普段から練習しておくとよい。
3⃣の出典は青山美智子『リカバリー・カバヒコ』で、小学生のぼくが友人や整体院の先生との会話の中で、意識が変わり成長していく場面が描かれている。選択問題と抜き出し問題のみ。選択問題は平易で、抜き出し問題も、答えを探す範囲が限定されるため、難しくない。
4⃣の出典は戸谷洋志『SNSの哲学』でSNSを支配するアルゴリズムと、それによる行動予測が私たちに与える影響について述べられている。選択問題が5問、抜き出し問題が2問、本文を踏まえながら具体的な例を挙げて書く200字作文が1問。抜き出し問題がやや難。答えを探す範囲が広く、似たような表現も多いため時間がかかる。
5⃣の出典は川本皓嗣『俳諧の科学』で、短詩である俳句の魅力や特徴について、具体的な句をいくつか引用しながら説明している。
選択問題のみ5問で、本文を丁寧に読解できていれば平易である。
本校に合格する力を身につけるためには、都立自校作成校の過去問や難関私立高校の問題を数多く解くこと。
その際に、知らない語彙が出てきたら読み・書き・意味を調べる、選択問題では正解や間違いの根拠を明確にする、抜き出し問題ではスピードを意識して探す範囲をある程度予測する、などの練習を重ねる必要がある。


東京都立国立高等学校 2024年度

英語

〔大問1〕リスニング 〔大問2〕対話文 〔大問3〕長文読解
 今年度も例年と同じく〔大問1〕リスニング、〔大問2〕対話文、〔大問3〕長文読解の構成だった。〔大問2〕の対話文は例年通り理系の内容で、今年度はパズルを解いてメッセージを解読するという内容となっていた。〔問1〕の内容把握と〔問2〕の整序英作(関係節による修飾)は平易といえる。パズルを解くのに夢中になって時間がかかりすぎないよう気を付けたい。また、〔問3〕・〔問6〕の語句抜き出しは探すのに時間をかけすぎないようにしたい。内容把握の設問は平易であり、昨年度の〔大問2〕(石けんの泡の分子の説明)に比べ、易化した印象を受ける。
〔大問3〕も例年通り1000語程度の物語文であり、選択問題は比較的平易であった。整序英作もかなり平易といえる。複数ある語句挿入の設問は本文内に答えが確実にあるので見つけたい。〔問8〕の英作文は解答の焦点が絞りづらく、解答作成を敬遠した受験生が多かったと思われる。

数学

〔大問1〕小問集合 〔大問2〕二次関数 〔大問3〕平面図形 〔大問4〕空間図形
 大問4問、小問14題の問題構成。〔大問1〕は平方根、連立方程式、資料の整理、確率、作図の5問。難問はほとんどないので、少なくとも4問は正解したい。〔大問2〕は昨年度同様、二次関数からの出題で、〔問1〕はaの値、〔問2〕は直線の式、〔問3〕は座標を求める問題。いずれも典型的な問題で、前期日曜特訓から何度も練習した分野でもあるので、満点を狙いたい。日頃から早く正確に解くことを意識するとよい。
〔大問3〕は平面図形で、正方形と円を組み合わせた問題。〔問1〕は弧の長さの比から角度を求める問題。〔問2〕は合同の証明。正方形や円性質を理解していれば、解きやすい問題だった。〔問3〕は面積を求める問題。すべての問題が受験生にとって見たことがある問題なので、落ち着いて解けば完答できる問題であった。
〔大問4〕は例年同様、立方体の問題。図形の中を動く点を考え、〔問1〕は長さ、〔問2〕は面積、〔問3〕は体積を求める問題である。問題を正しく読み取り、〔問1〕だけでも正解したい。日頃から日曜特訓に参加し、できなかった問題を徹底して復習する必要がある。また、他の都立自校作成問題校の過去問だけではなく、難関国私立校の過去問も多く取り組み、応用力を身に付ける必要がある。

国語

〔大問1〕漢字〔読み〕  〔大問2〕 漢字〔書き〕  〔大問3〕 小説文  〔大問4〕論説文  〔大問5〕 現古漢融合文
 全体の構成は例年と比べてやや少なく、大問5問、小問数は漢字の読み・書き10問を含めて28問。〔大問1〕・〔大問2〕の漢字の難易度は例年並み。聞いたことがあっても、いざ漢字に直すと戸惑ってしまう言葉が狙われている。言葉の意味を感がえて、冷静に漢字に直せば正解できる。また、四字熟語の幅広い学習は必須である。
〔大問3〕の出典は川端裕人『手のひらの中の宇宙』(約3000字)で、湧水池で生きものを捕まえて交流する親子の姿が描かれている。会話が多用されており、親しみやすい問題。選択問題が7問、抜き出しが1問。選択問題は平易で、傍線部までの流れをつかめば正解できる。抜き出し問題は探す範囲が問題文全体となる上、条件が漠然としていて難しい。昨年度同様、記述問題の出題はない。
〔大問4〕の出典は河野哲也『人は語り続けるとき、考えていない』(約4000字)で、他の対話との違いを示しながら、哲学対話とは何か、その目標は何か、を解き明かしていく。哲学の文章の常として、同じような内容が繰り返される。抜き出し問題は、該当箇所が地の文にカモフラージュされて探しづらかった。選択問題5問はやや難。作文のテーマは平易で書きやすいものだった。
〔大問5〕の出典は久保田淳『藤原俊成』(約2500字)で、平安時代末期の歌人・藤原俊成の歌論について論じている。やや読みづらい文章である。選択問題が5問で、傍線部前後が正しく読めれば正解できる。
 全体的に難化傾向にあり、問題数も多い。近年の都立自校作成問題の過去問を中心にスピードを意識した演習の繰り返しが重要である。選択問題では選択肢の選択基準を明確にすること、記述問題では問題の把握と、分かりやすい構成を心掛けること。これらをそれぞれ意識して練習を重ねることが不可欠となる。