Camp+では、各中学・高校・大学の過去問について、傾向と分析を詳細に解説しています。都立中・都立高を中心に最新の過去問を大問ごとに分類し、傾向が一目で分かります。
〔大問1〕リスニング 〔大問2〕対話文 〔大問3〕長文読解
今年度も例年と同じく〔大問1〕リスニング、〔大問2〕対話文、〔大問3〕長文読解の構成。
単語は注釈でふれられているものも多く、無新な単語も少ない。ただ、対話文英作文ともに1000語以上あり、相当な速読力が求められる。
〔大問2〕は英単語数が約1040語の国立高校ではよく扱われる理数系に関する対話文である。〔問1〕や〔問2〕などの解きやすい問題もあったが、〔問3〕につまずいた受験生は多かったと予想される。〔問5〕の整序英作問題は、使役動問のletの用法を知っていればすぐに二択まで絞れる。〔問4〕や〔問5〕の指定された語数の抜き出し問題や〔問10〕の内容真偽問題などは例年通り出題されており、昨年よりやや難化した。
〔大問3〕は発単語数が約1150語の物語文。物語の流れを正確に読み取る必要がある。〔問1〕の整序英作問題では話法の使い方だけでなく会話の対象などもしっかり考える必要があった。また、英作文が出ない代わりに〔問3〕・〔問5〕などの20語以上の英文記述問題が昨年同様に出題。文脈理解力と表現力が問われるので同形式の英作文の練習をしておく必要がある。〔大問2〕の〔問4〕・〔問9〕や、〔大問3〕の〔問4〕・〔問6〕のように本文から抜き出す形式の問題は、都立頻出パターンではないものの本校では多く出題されている。難関国立入試で扱われている同形式の問題を活用し、対策を練っていくのも有効である。
〔大問1〕小問集合 〔大問2〕関数 〔大問3〕平面図形 〔大問4〕空問図形
昨年同様、小問15問の問題構成。〔大問1〕は平方根・連立方程式・二次方程式・確率・作図の5問、いずれも確実に得点したい。〔大問2〕は二次関数からの出題で、典型的な問題である。〔問2〕(2)は等積変形を利用する問題で、毎年同様の問題が出題されているので、普段の授葉に加え、enaの日曜特訓・直前特訓に参加して何度も練習していくことで対策につながる。〔大問3〕の平面図形は、円に関する問題。〔問1〕は円周角を求める問題、〔問2〕は証明問題で、解きやすい問題だった。〔問3〕は相似と三平方の定理を用いる問題。与えられた条件から何がわかるか一つずつ丁寧に考えていく習慣をつけたい。
〔大問4〕は昨年同様、立方体の問題。〔問1〕は、立方体の内部を通る曲線の長さだが、落ち着いて考えれば解ける問題。〔問2〕も最短距離に関する問題。「展開図を書いて直線」という鉄則どおりに動ければ、解決できる問題である。普段から空問図形から平面図形を取り出して考える練習をしておくとよい。〔問3〕は立方体の内部の点Pが動いてできる図形の面積を求める難問。正六角形の半分になるが、考えづらい問題であった。
本校に合格するには、できなかった問題を徹底的に復習すると共に、秋以降は過去問を利用して、都立自校作成問題校だけでなく私国立難関校の入試問題に数多く取り組む必要がある。
〔大問1〕漢字〔読み〕 〔大問2〕 漢字〔書き〕 〔大問3〕 小説文 〔大問4〕論説文 〔大問5〕 現古融合文団
全体の構成は例年と比べやや少なく、大問5題、小問数は28問。〔大問1〕、〔大問2〕の漢字は難化。見慣れない熱話でも、一つ一つの漢字に分解して読みを当てる冷静さが求められる。〔大問3〕の出典は瀧羽麻子『博士の長靴』で、立春の食庫、家族の交流が多彩な心情描写と共に描かれている。文章の多くがセリフで構成されており、展開の把握は容易ではあるがやや読みづらい。〔大問4〕の出典は外山滋比古『日本語の論理』で、日本とヨーロッパを比べたときの言語活動における論理についての文章である。本文は読みにくいが、スピーディーに展開を理解し、要旨を読み取る力が求められる。作文のテーマは例年に比べ、平易で書きやすいものだった。〔大問5〕の出典は大岡信「私の古典時選」で、授頭数の歴史を辿り、その魅力について論じている。やや読みづらい文章であり、選択問題が5問で昨年と比べてやや難化した。全体的に難化傾向にあり、問題数も多いため、近年の都立自校作成問題校の過去問を中心にスピードを常に意識した読解演習の積み上げが重要である。選択問題では選択肢の選択基準を明確にすること、記述問題では題意の把握と見やすい構成を心掛けること、それぞれ意識して練習を重ねることが不可欠となる。