中学・高校・大学
過去問分析

Camp+では、各中学・高校・大学の過去問について、傾向と分析を詳細に解説しています。都立中・都立高を中心に最新の過去問を大問ごとに分類し、傾向が一目で分かります。

慶應義塾志木高等学校 2025年度NEW!

英語

〔大問1〕長文読解 〔大問2〕長文読解 〔大問3〕長文読解 〔大問4〕適文選択 〔大問5〕誤文訂正 〔大問6〕英作文

 問題構成は、昨年度の大問6題・小問55問から、今年度は大問6題・小問51問になった。大問の構成については過去3年問ほぼ変化なし。
傾向として、1⃣~3⃣の長文の単話数・小問数が減少しており、これまでの物語文・随筆中心の出題から説明文・論説文中心の出題になっている。ただし、本文の内容をより正確に捉えていないと正答できない問題が増加しているため、一つの小問に要する時問はむしろ増加していると言える。
1⃣は約800語、2⃣は約240 語、3⃣は空欄補充の語も含めても約500語の長文読解。昨年度より文法的な問題が減少しており、内容について問われる問題が出題されているため、正確に英文を読み取る文法力および語彙力と、速読力が必要とされる。
4⃣は書き換え問題からの出題。比較的に解きやすい問題ではあるが、単なる書き換え問題ではなく、表現を適切に変えていく必要があるため、文法力・語彙力が問われる問題であった。
5⃣は、正しい文を見つける問題。文法事項を正しく把握し、また品詞の理解も必要である。
6⃣では、自分の中学校の決まりを作ること、あるいは変えることについて述べる問題。理由も含めてというものなので都立の推薦入試の作文でよく出されるような題材を英語で書かなければならない。
本校の英語攻略に向けて、文法や語彙を正確に理解し、正しく文を読み取ることおよび速読力を磨いていくことが必要である。

数学

〔大問1〕小問集合 〔大問2〕文章題 〔大問3〕平面図形 〔大問4〕場合の数 〔大問5〕平面図形 〔大問6〕二次関数 〔大問7〕立体図形

  昨年度と比べて問題の出題順は変わったが、出題傾向・難度ともに大きな変更はなく、大問7題・小問16問だった。
1⃣は確率と整数の問題で、(1)では重複する場合の確率を考慮できたか、(2)では一見分数問題に見える内容をいかに整数の方程式として立式できるかがカギだが、いずれも標準的な問題であった。
2⃣は平面の折り返し問題でこちらも頻出パターンの問題であった。短時問で完答したい。
3⃣は並び方の規則を見つけて考える問題。フィボナッチ数列の先頭の数がない場合であることを見抜きたい。
4⃣の空問図形も標準的な問題のため、中3 PERSPECTIVE 下巻の空問図形問題を中心に演習することで対策できる。
5⃣は連立方程式の文章題で、ダイヤグラムをかいて考えると解きやすくなる。
6⃣は作図と座標平面上の図形に関する問題で、(1)の作図問題は円の半径と接線が垂直であること、半径を2つ含む三角形は二等辺三角形になること等、図形の定義定理を理解しておくことで解くことができる。
7⃣は放物線上の図形に関する問題で、図が描かれていないため、冷静に問題文を読み取り自ら描く能力が必要である。いずれの問題もPERSPECTIVE や過去問で訓練しておく必要がある。
対策としては全分野について典型的な問題を偏りなく解けるようにすること、特に関数や図形は与えられた情報をもとに自ら図形や関数を描けるよう訓練することが求められる。

国語

〔大問1〕小説文  〔大問2〕論説文  〔大問3〕 古文 〔大問4〕 論説文

 大問4題・小問45問、そのうち自由記述が5問。昨年度同様に小問数は多く、記述問題の数も変化はない。
1⃣の出典は安岡章太郎『球の行方』。内容としては読みやすく、空欄補充や選択問題が多いが慣用句や語句の知識を要する問題である。
2⃣の出典は黒井千次『老いへの歩み』。主に語句の知識・内容把提に関する選択問題・書き抜き問題が出題された。
3⃣の出典は吉本隆明『詩の力』。内容把握の関する選択問題だけではなく、詩の表現技法を問われる問題も出題された。
4⃣は中西進「ひらがなでよめばわかる日本語』。短い文章ではあるが思考力を要する問題である。全体としては、知識や抜き出し問題が多く出題されているが、内容を把握する力、総合的な知識が求められる。記述問題は、字数がそこまで多くないため、簡潔に分かりやすい言葉に自分で言い換える力が必要である。
本校の対策としては、自分の力で表現する練習を積み重ねること、語句の知識を幅広くつけることが必要である。PERSPECTIVE の文章を読みながら筆者の主張をまとめ直し、文中に出てきた語句を使えるように復習すること、他の慶応系列の入試問題を徹底的に解くことが有効である。知識分野からも毎年出題されるので、総合的かつ幅広い語彙力を体得しておきたい。


慶應義塾志木高等学校 2024年度

英語

〔大問1〕長文読解 〔大問2〕長文読解 〔大問3〕長文読解 〔大問4〕適文選択 〔大問5〕誤文訂正 〔大問6〕英作文

 問題構成は、昨年度の大問7題、小問46問から、今年度は大問6題、小問37問になった。リスニングが出題されず、代わりに英作文が6⃣に出題された。また長文読解問題も1題増えている。
 1⃣は約1000部の長文読解。適語補充問題・整序問題・内容合致問題などから出題され、昨年の14間より大幅に該少。一方で長文が長くなったことにより時間はかかってしまうため、速読力が必要となる。
 2⃣は約700部の長文読解。空所補充・ 並べ替え・発音・英文和訳・下線部内容説明問題・英問英答問題などが出題された。1⃣と同様に速読速解が要求されている。
 3⃣は約700部の長文読解。内容合致問題が出題されており、速読力が要求されている。
 4⃣はよく出てくることわざが数問あるが、ことわざの内容を把握していないと英文と結びつけることができないため、英語だけではなく国語の最低限の知識力が要求されたものであった。
 5⃣は問5の文法上の誤りを見つけるのが厳しい部分はあるが、それ以外の問題に関しては受験勉強をしている中ではよく出てくるレベルの問題である。文法事項を正しく把握し、また品詞の理解も必要である。
 6⃣では、息子からのメッセージで状況を確認し、父のメッセージの内容に沿った英文を書く必要がある。本校の英話攻略に向けて、スピードを意識した学習を常に実践し、得点すべき問題で正答する訓練が必要である。

数学

〔大問1〕小問集合 〔大問2〕文章題 〔大問3〕平面図形 〔大問4〕場合の数 〔大問5〕平面図形 〔大問6〕二次関数 〔大問7〕立体図形

  1⃣は例年通りの小問集合だが今年度は2問に戻った。(1)は回転体の求積、(2)は整数問題で確実に正答したい問題。
 2⃣は与えられた情報を使って3つの方程式を解く文題。情報監理ができれば解答できるが、その解容が正答なのか悩んだと予想される。
 3⃣は平面図形の証明問題。AQを円周上まで延長すれば三角形の外角を利用して証明できるため確実に正答したい。
 4⃣は場合の数の問題で、(1)はBにたどり着くまでの最後のカード、(2)も10枚目のカードが決まれば、残りのカードの並べ方も決まる問題。この問題も確実に正答したい。
 5⃣は三角形の面積比の頻出問題。本校受験者は正答したい。
 6⃣は二次関数の問題。(1)は放物線と直線の交点の座標を求める問題。(2)は線分BCの長さを点Bと点Cの座標を利用して決める問題。(3)は長方形OCAB の面積は対角線OAとOCを利用して決め、四角形OQAPは点O、Q,Aを利用して求める問題。差がついた問題である。
 7⃣は立体図形の体積を求める問題。(1)では問題の図を確認して〔操作1〕によりどのような変化が起こるかを理解すること、(2)では〔操作1〕を(1)でできた図形に再度適用することが求められている問題であった。
 今年は2⃣や7⃣のように情報や操作を正しく読み取ることが求められている問題が出題されたので、正確に問題を読み取ることができたかどうかも得点に影響したと推測される。証明も含めて様々な範囲から出題されているので、他校の入試問題にも取り組み、時間内に正確に解き切る練習が必須である。

国語

〔大問1〕小説文  〔大問2〕論説文  〔大問3〕 古文 〔大問4〕 文学史

 今年度は、大問4題、小問50問、そのうち自由記述が5問。小問数が大きく増え、それに伴い記述問題も増加したが、すべて字数指定問題となっている。
 1⃣の出典はモーパッサン著/太田浩一訳『宝石/遺産』空欄補充や選択問題が多く、とくに問2は一見簡単に見えるが思考力を要する問題である。
 2⃣の出典は森博嗣『科学的とはどういう意味か』、主に漢字の書き取り・内容把握に関する選択問題・書き抜き問題が出題された。
 3⃣の出典は頓阿(とんあ)『井蛙(せいあ)抄』。短い文章ではあるが難度は高い。
 4⃣は2023年度慶應志木の収穫祭に遊びに来た卒業生と在校生との会話文に依拠した、文学史の問題である。文学史単体、8問の小問で構成されている。受験に頻出の知識だけでなく出題類度の低いものまで出題された。
 全体としては知識問題や抜き出し問題が多く出題されているが、内容を類推・把握する力、深い教養に裏打ちされた総合的な知識が決められる。また字数指定の記述問題は各大問にまんべんなくあるので、時間配分にも気を付ける必要がある。本校の対策としては、自分の力で表現する練習を積み重ねること、国語という分野にとらわれ過ぎず広く学ぶことが有効である。他の慶應系の入試問題を徹底的に解くことが必須である。