Camp+では、各中学・高校・大学の過去問について、傾向と分析を詳細に解説しています。都立中・都立高を中心に最新の過去問を大問ごとに分類し、傾向が一目で分かります。
〔大問1〕対話文〔大問2〕長文読解 〔大問3〕対話文読解 〔大問4〕長文読解 〔大問5〕英作文
英語5題・小問22問の例年通りの構成。合計で約1800語強の英文を時間内に読み切り、50語の英作文を合め処理しきらなければならない。問題形式は空所補充、英文和訳、和文英訳、語順整序、要約文など奇をてらったものこそないが、一定以上の語彙レベルと問題を高速処理する力が決められる。1⃣は対話文をもとにそれぞれの人物の飼っている犬と猫の名前を推測する問題。英文和訳の能力は前提として、情報をもとに推理するカが求められた。2⃣は善悪についての論説文。文章中の語順整序も出題され、注釈があるとはいえ一定の語彙は必要であり、抽象的な論説文への理解度、知識も要求される。3⃣は18世紀の英国文学者・サミュエル・ジョンソンについての対話文。
要約文が出題されたほか、2⃣と同様指示語の解釈を含めた英文和訳の問題も出され、感覚ではなく明確に語のつながりを理解できているかを試された。4⃣は“THE TALES OF THUNDER AND LIGHTNING”から一部を抜粋する形で出題。登場人物、場面を素早くつかむことを求められた。国は「あなたにとっての特別なルーティーンは何か」を50語で書く英作文。昨年度の「あなたにとっての多様性とは何か」と比較すると具体的な問題となった。全体を通して要求される語彙のレベル、問題形式などは昨年度と同程度だが、素早く英文を読んで問題を処理する必要があるため、本校の過去問だけでは演習量が足りない。早慶、筑波大附属、筑波大駒場などの過去問も解き、様々な問題形式への理解、英文解釈の練習を数多く行っていくべきである。
〔大問1〕計算問題 〔大問2〕確率 〔大問3〕関数 〔大問4〕平面図形 〔大問5〕空間図形
大問5題、小問19問の構成。難問奇問はなく、解きやすい問題が多かった。
1⃣(1)が食塩水、2⃣は流水算の文章問題であった。流水算は、貨物船やボートの長さを考慮する問題で、点の移動で考えると立式しやすい。2⃣は関数と確率の融合問題、3⃣のS=tとなる確率が1/36より大きくなるときのtの値を求める問題は、条件をみたすものが、2通り以上になるものと考えると分かりやすい。3⃣は二次関数の頻出問題。確実に完答したい。〔3]は、AC を底辺とした、平行四辺形ABCDの面積と同じ大きさの三角形を作り、等積変形を利用すると解ける問題。4⃣は平面図形の問題。まず、△ABP≡△ADP から、BP=DPとなり、点Dが円P上にあることに気付くことが必要。弧BQと弧QR=2:1の利用の仕方が難しいが、∠BDQ:∠QDR=2:1に結び付けられると〔1〕が攻略できる。〔1〕が分かれば〔2〕~〔4〕は易しい問題であった。
国は空問図形の問題。〔1〕はミスなく得点しておきたい。〔2〕は、表面積と体積から内接球の半径を出す頻出問題であった。〔3〕は立体図形が相似の関係のとき、内接球も相似の関係になることを利用すればしい。
〔4〕は〔3〕を利用し、xを求めてから六角形の面積を解くと速く解ける。
本校に合格するには、本校や他の難関私国立高校の過去問を徹底的に解き、解法パターンを習熟する必要がある。とにかく、本校の過去問をできる限り繰り返し解き、出題形式に慣れることが重要である。
〔大問1〕随筆文 〔大問2〕古文 〔大問3〕小説文
本校は説明的文章と文学的文章の2題の年と、そこに古文を加えた3題の年を繰り返しており、今年度は3題であった。
1⃣の出典は山崎正和の『世紀を読む』。一般的な論説文で、文章も短めであった。本校としてはオーソドックスな、傍線部についての説明をする字数制限のない記述問題の出題に加え、空欄補充問題の中に難度の高いものが出題された。
2⃣は『十訓抄」からの出題。皇帝の名前から中国の古代王朝の名を答えるもの、古文単語「しるし」の意味を問うものがあり、知識まで含めた準備が必要。一方、文章自体は読みやすいため、古文読解の練習は最難関校の中では容易なほうである。
3⃣の出典は夏目漱石の『彼岸過迄』(ひがんすぎまで)。純文学が出題されるのは本校では珍しくないものの、現代との細かな語彙の違いは読みづらさを感じる受験生も多かっただろう。
出題内容は標準的だが、問七が難問で得点に差がつく一問だった。
本校の合格を目指すには、知識事項のインプットと記述問題の克服が欠かせない。早い段階から本校を第一志望にする中学生が多いため、国語の便覧を用いた知議事項の早期定着に加え、普段から読解問題を解く際に「選択肢を見ずに、自分で記述の解答をつくって短い文章でまとめる」習慣をつけたい。
〔大問1〕説明文(要約)〔大問2〕長文読解 〔大問3〕対話文 〔大問4〕長文読解 〔大問5〕英作文
大問5題構成は昨年度と変わらず。小問数は昨年度が25問、今年度は23題となった。
1⃣は約270語、2⃣が約 600語、3⃣は約350語、4⃣が約650語と、2000語弱の英文を時間内に読み、かつ英作文まで解かなければならない。昨年度と異なり部分英作文の出題がなくなった他、記述の問題が減り、記号・抜き出しの問題数が増えた。
1⃣は洞窟にある手形についての出題。要約の問題は昨年度こそ出題されなかったが、他校でもよく出る形式であり、素早く処理したい。
2⃣は太陽光パネルについての文章で、高校レベルの英単語は少ないもののある程度は知識が必要である。空所補充、語順整序、内容一致等と出題自体は奇をてらったものではない。
3⃣はアマゾンで40日間生き残った子どもたちについての対話文で、会話文補充の出題は昨年度と同様だったが、こちらも記述の問題がほぼなくなり、選択問題が多く出題された。
4⃣は男女間の賃金における格差についての文章で、小問は日本語訳、書き換えなどよく出題される形式のものが多かった。
5⃣は自分にとって多様性は何を意味するのか、具体例を挙げながら 50語で説明をする英作文問題。昨年度の本についての出題に比べ、問いの内容は難しくなったと考えられるが、時事問題に日頃から興味関心を持てていれば対応できるレベルである。
全体を通して昨年度より取り組みやすい問題が多く、ある程度易化したと言える。しかし、英検2級レベルの英単語知識の他、とにかくスピードをもって読解をする必要がある。本校の問題だけでは演習量が足りないため、その他早慶はもちろん、開成や筑波大駒場、関西では灘や西大和、東大寺など全国の難関校の問題を多く解いておくとよい。
〔大問1〕計算問題 〔大問2〕条件整理 〔大問3〕関数 〔大問4〕平面図形 〔大問5〕空間図形
大問5題、小問数13問とほぼ例年通りの問題構成であり、難度も平年並み。難問奇問はなく、解きやすい問題が多かった。
1⃣[1]は不定方程式の問題で昨年同様の出題。[2]は食塩水の問題であるが、普通に立式して解くよりも天秤図を利用した方が解きやすいため、天秤図は日頃から使えるようにしておきたい。
2⃣は、カタラン数を背景とする、場合の数の問題、[1]は地道に樹形図をかけば易しい問題であった。[2]はいかに[1]の出題意図を読み取り、生徒がそれぞれ2人、4人、6人のときの結果を利用できるかが鍵であった。いくつかの結果から新しい結果を導く考え方はよく出題されるが、問題の意図を読み取るのに時間がかかり、完答できなかった受験生が多かったと予想される。
3⃣は関数と等積変形の利用の顔出問題。[1]は傾きの公式により易しく解けるため、公式を活用できるようにしておきたい。[2][3]が誘導になっており、直線OBと直線CEが平行であることに気づくと問題が解きやすい。
4⃣は平面図形の問題。[3][4]は図が複雑に見えるが△ABM≡△OBM、△ACN≡△PCNであることに気づくと易しい問題。
5⃣は立体図形の顔出問題。立方体の頂点で作る正四面体の体積は頻出なので、確実に得点しておきたい。
全体として2⃣以外はミスが許されない入試となった。
本校に合格するには、本校や他の難関国私立校の過去問を徹底的に解き、解法パターンを習熟する必要がある。とにかく、本校の過去問をできる限り繰り返し解き、出題形式に慣れることが重要である。
〔大問1〕随筆文 〔大問2〕説明文
本校は近年、大問2題の年と3階の年を繰り返しており、今年度は大問が2題で、一昨年度の形に戻った。
1⃣の出典は竹久夢二『新方丈記』。大正期の文ということもあり、文体が古く、慣れていない受験生にとっては読みづらい文であった。問題としては、部分的に引用されている古文の訳を問うものや、語彙力を問うものがあるものの、全体としては傍線部の言い換えや説明を記述で求める問題が多くを占めていた。
2⃣の出典は長谷川眞理子『進化的人間考』、生物学的な文章で、具体例が多く内容も一貫しており、比較的主旨が読み取りやすい文章であった。例年通りの品詞分解、対義語を問われる問題が1問ずつあるほかは、同様、傍線部の説明や言い換えを決められる問題であった。
本校への対策としては、ことわざ、四字熟語、慣用句などの語彙力を早いうちから身に付けておくことが必要となる。読解も問題はその多くが文字数指定のない記述問題で精成されるため、傍線部の分析と、過不足無い説明ができるように練習を重ねる必要がある。大問の数は年によって変わっているものの、問題の性質は変化が少ないため、過去問をできるだけさかのぼることが有効な対策となる。