慶應義塾大学は、各学部によって出題科目が異なります。
また、同じ科目であっても出題傾向が大きく異なるため、独自の対策を行う必要があります。
今回は、慶應義塾大学医学部の出題傾向・入試対策についてご紹介いたします。
教科・科目 | 試験時間 | 配点 | 出題範囲 |
---|---|---|---|
理科 | 120分 | 200(100/100)点 | 物理(物理基礎・物理)、化学(化学基礎・化学)、生物(生物基礎・生物)のうち2科目選択 |
数学 | 100分 | 150点 | 数学Ⅰ・数Ⅱ・数Ⅲ・ 数学A「場合の数と確率」「整数の性質」「図形の性質」・ 数B「数列」「ベクトル」 |
外国語(英語) | 90分 | 150点 | コミュニケーション英語Ⅰ・コミュニケーション英語Ⅱ・ コミュニケーション英語Ⅲ・英語表現Ⅰ・英語表現Ⅱ |
小論文 | 60分 | – | 第2次試験(第1次試験合格者が対象) |
大問番号 | 出題形式 | 問題の傾向 |
---|---|---|
第1問 | マークシート+記述方式 | 長文読解 |
第2問 | マークシート+記述方式 | 長文読解 |
第3問 | マークシート+記述方式 | 長文読解 |
第4問 | マークシート+記述方式 | 英作文 |
長文読解は全部で1550語程度ですが語彙レベルが高く、問題形式も空欄補充問題、和訳、内容説明問題、100語以上の自由英作文となっており高難易度の問題が続きます。まずは文法の習得を最優先に取り組み、英文全体の構造把握を精確に行う練習をしておきましょう。解釈については、根拠を説明できるレベルまで徹底して精読を行いましょう。テーマが多岐にわたる英作文では、自分の見解を述べるため、普段から背景知識を磨くとともに難関国立や難関私大の過去問演習で表現のストックを作っておくとよいでしょう。
大問番号 | 出題形式 | 問題の傾向 |
---|---|---|
第1問 | 記述方式 | 小問集合 |
第2問 | 記述方式 | 確率漸化式 |
第3問 | 記述方式 | 融合問題 |
第4問 | 記述方式 | 第3問と同様 |
第1問は例年、複数分野からの小問集合が出題されます。全大問の中では比較的易しいレベルで、場合の数、三角関数、指数対数、積分の計算が頻出です。第2問は例年確率漸化式が出題されているため、過去問演習に取り組み、傾向をつかんでおきましょう。第3問・第4問は融合問題が出題され、誘導にしたがって数値や数式を穴埋めする形式となっています。一つの空欄に対し、膨大な計算量を要求されることがあるため、解ける問題を見極めることが合格のカギとなります。微分積分が特に頻出ですので、関数に囲まれた面積・体積の求め方をよく演習しましょう。
大問番号 | 出題形式 | 問題の傾向 |
---|---|---|
第1問 | 記述方式 | 小問集合 |
第2問 | 記述方式 | 力学 |
第3問 | 記述方式 | 電磁気 |
大問3題のうち、第1問が物理基礎範囲の小問集合になってはいますが、教科書にある用語を徹底的に理解しているか問われます。第2問が波動、第3問は電磁気や原子といった内容が中心に出題されます。数値計算が多く複合的な問題も出題されるため、題意の把握に時間を割かれる可能性があります。また、描画問題が出題されることがあるため図を描く習慣をつけましょう。典型的な出題がなされないこともあり、計算量が多いため時間内に解き切るのは難しくなっています。さまざまな形式の過去問に触れ応用力を磨き、普段から細かい教科書内容にも目を通し、物理の知識を多方面で捉えておくようにしておきましょう。
大問番号 | 出題形式 | 問題の傾向 |
---|---|---|
第1問 | 記述方式 | 理論化学 |
第2問 | 記述方式 | 無機化学 |
第3問 | 記述方式 | 理論・無機・有機化学 |
第4問 | 記述方式 | 有機化学 |
例年大問数は3または4で推移しています。大問3つで論述問題が出題されることから、解答の過程を論理的に説明できる力が問われているといえます。例年各分野ごとの出題順番や出題量は変化するため、まんべんなく対策する必要があります。理論化学は、反応速度や酸化還元、化学平衡などの計算問題が頻出です。無機は理論との融合問題の出題が多く見られます。教科書レベルを超える知識が求められるため、難しい問題は後回しにするなど、解ける問題を見究める力を養いましょう。
大問番号 | 出題形式 | 問題の傾向 |
---|---|---|
第1問 | 記述方式 | 遺伝情報、動物の反応、細胞が頻出 |
第2問 | 記述方式 | 第1問と同様 |
第3問 | 記述方式 | 第1問と同様 |
記述式を中心に、選択式が一部含まれる形式となります。記述は用語の記入を問われる問題から、数行にわたり論述を問われる問題など様々であり、記述の割合が高くなっています。空所補充、数値計算、実験考察問題が頻出であり、特に実験考察問題では図表の読み取りを要求されるため、過去問に取り組み形式に慣れておきましょう。大問あたりの設問数は10以上のことが多く、時間内にすべて解くことは相当難しいといえます。合格点は決して高くないため、選択問題を素早く解き、分からない問題はとばすなど自分なりの戦略を立てて解くとよいでしょう。
大問番号 | 出題形式 | 問題の傾向 |
---|---|---|
第1問 | 論述方式 | テーマ型 |
指定文字数は600~700字程度です。与えられたテーマに対して、どのような考えを展開するかが問われる形式となっています。試験時間が50分と短いため、まずは時間に対してどのくらいの文字数が書けるかを確認することが重要です。また、「赤ちゃんポスト」や「末期がん患者への対応」など、医療に関わりのある社会問題が多く出題されています。日頃からニュースに目を通し、自分なりの考えを説明できるよう、意見を組み立てる練習を行うことが合格へのカギになります。
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