Camp+では、各中学・高校・大学の過去問について、傾向と分析を詳細に解説しています。都立中・都立高を中心に最新の過去問を大問ごとに分類し、傾向が一目で分かります。
〔大問1〕長文読解 〔大問2〕長文読解 〔大問3〕語彙 〔大問4〕文法・語法 〔大問5〕文法・語法 〔大問6〕語順整序 〔大問7〕リスニング
昨年度までの大問6題から今年度大問7題になったが、合計の小問数は大きな変化がない。
3年ぶりに語順整序問題が出たほか、正誤文判別問題が一昨年ぶりに出題された。語彙だけでなく過去完了や比較構文など文法・構文力も高校初級から中級レベルが要求される。
長文2題合計の文章量は昨年度より増えて約1290語(昨年度は約 1200話)。全体としては昨年度より難度が上がった。
1⃣は約760話の物語文で、頻出の英文和訳は例年同様難度が高い。
2⃣は約 530語の説明文で、come up withなど教科書に出ているものから rather than,compare to など豊富な語彙が必要。
3⃣は同音異義語。本校で過去に出題されたものは覚えておきたい。
4⃣は正誤文判別問題。<the+比較級、the+比較級>の比較構文、過去完了が出題された。
5⃣の語彙問題、6⃣の語順整序ともイディオム・構文の難度は高い。
近年必ず出る英文和駅と軽序作文の練習が不可。物語文の英文和訳は場面や情景をつかんで自然な日本語にする必要がある。
また説明文の英文和訳は構文を捉え、指示語や代名詞が指す内容、省略に注意して訳せるようにする必要がある。
難度の高いイディオム、構文は過去にも幾度か出題されていることが多い。本校の過去問を10年以上徹底して解いて重要構文を覚えることが肝要である。
〔大問1〕整数問題 〔大問2〕平面図形 〔大問3〕データの活用 〔大問4〕二次関数
昨年度の大問 3題構成から、例年同様の大問4題構成に戻った。1⃣はピタゴラス数についての問題。(2)、(3)、(4)はそれぞれを文字で置いて立式していく問題で、経験量が物をいう問題であった。2⃣は平面図形の問題。(1)、(2)ともに回りくどい表現はなく、解きやすい問題。(3)は、90°・75°・15°の三角比の問題。
文脈に沿って証明しながら問題を解いていく流れであったが、上記三角形の3辺比は覚えておきたい。
3⃣はデータの活用についての問題。ヒストグラムと箱ひげ図の状況整理に時問がかかり解きづらい内容ではあったが、時間をかけて丁寧に解き進める必要があった。
4⃣は関数の問題。一見二次関数のオーソドックスな問題に見えるが、示されている数値が複雑であるため、計算問違いのないように進めたい。特殊な解き方は必要なく、細かな数値を高いレベルでミスなく処理する必要のある問題であった。
本校に合格するためには、本校の問題を何年分も解くだけでなく、他の国公立や他県の難関私立高校、早慶の問題も触れ、経験量を積み正確な計算力をつける必要がある。
また、知識量だけでは時問内に問題を解き切れないため、常に計算スピードを追い求める必要がある。
〔大問1〕論説文 〔大問2〕随筆文 〔大問3〕 古文
大問3題・小問10問の構成。
昨年度は選択式の問題や漢詩の詩形を答えさせる問題など多様な出題がなされたが、今年度は一昨年度までと同様、ほぼ記述式の問題となった。
1⃣の出典は谷原つかさ『「ネット世談」の社会学データ分析が解き明かす「偏り」の正体』。理性的な「輿論」に対する情緒的な「世論」の危うさを論じ、ネット社会における「ネット世論」のつかみどころのなさについて言及する文章である。論説文としては読みやすく、要旨を捉えることは難しくない。
2⃣の出典はハルノ宵子『降明だもの』。無者の少々変わった家族観と、それに付品するエピソードについて書かれており、非常に短く読みやすい文章であった。
3⃣の出典は本居宣長「源氏物語玉の小櫛』。時と場合に応じて変化する良し悪しの判断について論ぜられている。現代語訳はないものの、非常に読みやすく平易な問題であった。本校の設問は「どういうことか説明せよ」「なぜか説明せよ」という基本的な問いである。
本文が極めて短く、解答の作り方が本文の要約中心であるという本校の傾向は、2003年度以降大きく変化していない。
過去問をさかのぼって解き、自分の解答と模範解答を比べてよく吟味すること、観的な判断を仰ぎ解答を洗練させていくことが求められる。
雑駁な問題の作りかつ2行程度の記述があるという点で共通する慶應女子の過去問や、
出題される文章のレベルに慣れることを目的に国立大学附属の問題、とりわけ出題される文章のテーマが近い名古屋大学等の問題に取り組むことが効果的である。
〔大問1〕物理 〔大問2〕化学 〔大問3〕 生物 〔大問4〕 地学
大問は化学、生物、地学、物理の4分野から1ずつ計4題が、毎年異なる順番で出題される。
知識問題だけでなく、思考力、計算力、表やグラフを読み取る力を問う問題もここ数年定着してきている。
1⃣の物理分野は、物体の運動からの出題。月面上での重力の大きさを求める計算問題、記録タイマーを用いた実験より打点問の距離・平均の早さを求める問題、瞬問の速さの時問変化をグラフに表す問題、加速度の計算、物体を引く力を一定にした時の物体の質量の逆数と加速度の関係をグラフで表す問題が出題された。
2⃣の化学分野は炭酸水素ナトリウムの熱分解の問題。化学式中の数字の上付き下付きを解答用紙の四線上に正確に描かせる出題が特徴的。炭酸ナトリウムの他の問題、実験結果の表中の数値が予測と異なると思われる結果を指摘し理由を記述する問題、炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムの水溶液にフェノールフタレイン液を入れた際の色の問題、加熱後の蒸発皿が冷えたかどうか安全に確認するための方法を記述させる問題が出題された。
3⃣の生物分野は、フンコロガシの行動の観察実験からの出題。緑色ライト、紫外線ライトを用いてこれらの当て方を変えることでフンコロガシが養を選ぶ方向を観察し、実験から読み取れることを答える問題。
4⃣の地学分野は気象、天体からの出題。地球を半径1mとしたときの大気圏の厚さを計算で決める問題、日本海側に降雪があった日の天気図、春先に強い南風が吹いた時の天気図を選ぶ問題、ヒマラヤ山脈の形成や地態・火山活動が起こる原因となっている現象について、月を周回するアポロ8号の周回の向き、月の地平線から昇る地球の様子、火力・水カ・風力・地熱・太陽光・原子力の各発についての正誤問題、火星についての正誤問題が出題された。
中学校で学習していない知識を前提とした出題はなく、必要に応じて問題内で説明がされているものの、都県立高校レベルを越えた応用力が来められる。
今年度は生物を除く 3分野において計算問題が出題されているので、様々な計算問題に慣れておく必要がある。
〔大問1〕歴史 〔大問2〕地理 〔大問3〕公民
例年通り大問3の構成で、一昨年までの1⃣歴史2⃣地理3⃣公民という順番に戻った。
1⃣は古代から現代までの歴史の総合問題。
2⃣は世界地理・日本地理の総合問題。
3⃣は国連開発計画や新型コロナウイルスなどの時事問類を含む公民の問題であった。記述問題は3問と例年よりもやや多く出題された。
表やグラフなどの読み取りから答えを導き出す問題が多く、大学入試を意識した問題となっている。難度が例年より少し低いと思われるが、数科書の範囲外のものが多く、中途半端な知識では対応できない。難解な選択問題は正確な知識をもとに消去法で答えを導き出して、諦めずに点数を確保する必要がある。
また、ロシアのウクライナ侵攻など時事問題に関する問題も必ず出題されているのでおさえておきたい。
地理は「世界地理」、歴史は「世界史」、公民は「経済」「時事問題」のより細かい内容の学習が重要になってくるのが本校の社会の特徴である。
〔大問1〕長文読解 〔大問2〕長文読解 〔大問3〕語彙 〔大問4〕文法・語法 〔大問5〕文法・語法 〔大問6〕リスニング
問題構成は、昨年度の大問6題、小問46問から、今年度は大問6題、小問42問になった。正誤文判別間題の大問が出題されず、代わりに新傾向の語彙問題が4⃣に出題された。例年多少の形式変更があるので、柔歓な対応力が引き続き求められている。
1⃣は約600話の長文読解。英文和訳問題、並べ替え問題など小問8問構成であった。昨年度の約700話、小問14問より大きく減っているので正答を取りたい。素早く正確に答えることを日頃から心掛けて問題を解く必要がある。
2⃣は約600部の長文読解、昨年度より話数が増えているので、2題の読解全体でかけられる時間に大きな差はない。時間を意識した学習が日頃から決められる。3⃣は語彙問題。似た分野の問題を多く解き、8割以上の得点を目指したい。
4⃣は新傾向の語彙問題なので、聞かれていることをきちんと読み取り、時間をかけ過ぎないようにしなければいけない。
5⃣は標準的な文法問題で、多くは夏期講習会のテキストにも出題があるレベル。高1レベルの文法を夏前までにやり終え、繰り返し問題を解いて得点に結び付けよう。
6⃣では、問題文を含めてすべて英語表記に変わったが、例年と注意点は変わらない。放送開始前に問題に目を通してしっかりと準備をした上で、積極的にメモスペースを使い、解答に利用することが重要。本校の英語攻略には一貫してスピードが重要だったが、その傾向がより強まっている。「できる」ではなく「短い時間でできる」まで仕上げて高得点を取ることを目標にしてほしい。
〔大問1〕A:関数 B:平面図形 〔大問2〕整数・場合の数 〔大問3〕空間図形
大問3題となったが、 1⃣に単元が2つ含まれる構成となったため、例年の大問4題構成とほぼ変わらない。 [A]は関数の問題。座標を文字で置き、代入しながら解いていくというオーソドックスな問題、[B]は円周の定理の逆を用いながら、角度の移行と相似の証明を行う問題。どちらもあまり時間をかけずに得点したい。
2⃣は整数・場合の数の問題。小問4問に対し、さらに細かい問題があり、道筋を迎れるように作問されているが、下2けたの組み合わせを考え、並び替えて答えを導いていくため、多くの時間を割くことになり完答は難しい。そのため、(1)、(2)を取りきる必要がある。
3⃣は空間図形。(1)は正面体の高さから外接球の半径を求める問題、正しく図形を抜き出し、相似や三平方の定理を用い、時間をかけずに解きたい。(2)は切断面を描く問題、比率に注意し、(1)と同様に素早く解く必要がある。(3)は(1).(2)を複合させ、長さを求める問題。(4)は再び外接球の半径を決める問題。(1)から(3)までの内容を使って解くが、多くの線分の長さが分かっている状態で使用する線分を取捨し、外接球の中心が全ての頂点から距離の等しい場所にあることを利用する必要があった。今年度の問題も昨年度と同様に、難問が多くなく、正答率が高いことが推測される。計算力を高めるとともに、本校の過去問だけでなく、国公立や灘などの問題を多くこなし、体得すべきである。
〔大問1〕論説文 〔大問2〕小説文 〔大問3〕 漢文
大問3題・小問12問の構成で、例年と比べて小問数が多かった。また、例年は全て記述式の問題であったの が、選択式の問題や漢詩の詩形を答えさせる問題なと、出題の幅が広がった。1⃣の出典は國分功一郎『目的への抵抗』、コロナ危機において表面化した「目的」と「手段」についての認識がテーマの文である。先人の言葉を引用しながら、テーマについての考察を深める哲学的文章で、要旨を正確に捉えることが難しい内容であった。
2⃣の出典は岩城けい『M』。オーストラリアの大学に通う「外国人」の2人の葛藤が描かれる小説文で、比較的読みやすい文章であった。 行間を読み取り、登場人物の心情・文章の表現の説明をさせる問題となっている。
3⃣の出典は広瀬談窓『遠思楼詩鈔』。広瀬は江戸時代後期の学者・時人であり、本文は漢文とその書き下し文となっている。記述式の問題は1問のみで、その他は漢文のルールについての理解が求められる問題が多く出題された。本校の設間は「どういうことか説明せよ」「なぜか説明せよ」という漠然とした問いである。盛り込むべき条件を過不足なく盛り込み、全体の文脈を押さえて解答しなくてはならない。自分の解答と模範解答を比べて、よく吟味することに加え客観的な判断を仰ぎながら、解答を洗練させていくことが求められる。
〔大問1〕化学 〔大問2〕地学 〔大問3〕 物理 〔大問4〕 生物
大問は物理・化学・生物・地学の4分野から1題ずつ計4題が、毎年異なる順番で出題される。知識問題だけでなく、思考力・計算力・表やグラフを読み取る力を問う問題もここ数年で定着してきている。1⃣の化学分野は、炭酸水素ナトリウムの熱分解で得られる物質の特徴・化学反応式の記述・原子の1個の質量比が与えられた上での質量の計算問題。解答用紙に4線を入れて、化学式の数字のぶら下がりを正確に書くように要求しているのも特徴的。2⃣の地学分野は、火山灰に含まれる鉱物の特徴・偏西風・鉱物を観察する際に準備すること・金量と月の満ちけ・金星の見かけの大きさの比を求める計算・金星と地球の太陽光エネルギーの反射率。3⃣の物理分野は空気や水の圧力についての計算問題。4⃣の生物分野は、血液、組織液、リンパ液の特徴・動脈、毛細血、静脈の特徴・計算問題。中学校で学習していない知識は前提とせず、必要な時には問題内で与えられるが、当然ながら都県立高校レベルを越えた応用力が求められる。4分野全てにおいて計算問題が出題されているので、様々な計算問題に慣れておく必要がある。
〔大問1〕歴史 〔大問2〕地理 〔大問3〕公民
例年通り大問3の構成で、一昨年までの1⃣歴史2⃣地理3⃣公民という順番に戻った。1⃣は古代から現代までの歴史の総合問題。2⃣は世界地理・日本地理の総合問題。3⃣は国連開発計画や新型コロナウイルスなどの時事問類を含む公民の問題であった。記述問題は3問と例年よりもやや多く出題された。表やグラフなどの読み取りから答えを導き出す問題が多く、大学入試を意識した問題となっている。難度が例年より少し低いと思われるが、数科書の範囲外のものが多く、中途半端な知識では対応できない。難解な選択問題は正確な知識をもとに消去法で答えを導き出して、諦めずに点数を確保する必要がある。また、ロシアのウクライナ侵攻など時事問題に関する問題も必ず出題されているのでおさえておきたい。地理は「世界地理」、歴史は「世界史」、公民は「経済」「時事問題」のより細かい内容の学習が重要になってくるのが本校の社会の特徴である。