Camp+では、各中学・高校・大学の過去問について、傾向と分析を詳細に解説しています。都立中・都立高を中心に最新の過去問を大問ごとに分類し、傾向が一目で分かります。
〔大問1〕長文読解 〔大問2〕長文読解 〔大問3〕語彙 〔大問4〕文法・語法 〔大問5〕文法・語法 〔大問6〕リスニング
問題構成は、昨年度の大問6題、小問46問から、今年度は大問6題、小問42問になった。正誤文判別間題の大問が出題されず、代わりに新傾向の語彙問題が4⃣に出題された。例年多少の形式変更があるので、柔歓な対応力が引き続き求められている。
1⃣は約600話の長文読解。英文和訳問題、並べ替え問題など小問8問構成であった。昨年度の約700話、小問14問より大きく減っているので正答を取りたい。素早く正確に答えることを日頃から心掛けて問題を解く必要がある。
2⃣は約600部の長文読解、昨年度より話数が増えているので、2題の読解全体でかけられる時間に大きな差はない。時間を意識した学習が日頃から決められる。3⃣は語彙問題。似た分野の問題を多く解き、8割以上の得点を目指したい。
4⃣は新傾向の語彙問題なので、聞かれていることをきちんと読み取り、時間をかけ過ぎないようにしなければいけない。
5⃣は標準的な文法問題で、多くは夏期講習会のテキストにも出題があるレベル。高1レベルの文法を夏前までにやり終え、繰り返し問題を解いて得点に結び付けよう。
6⃣では、問題文を含めてすべて英語表記に変わったが、例年と注意点は変わらない。放送開始前に問題に目を通してしっかりと準備をした上で、積極的にメモスペースを使い、解答に利用することが重要。本校の英語攻略には一貫してスピードが重要だったが、その傾向がより強まっている。「できる」ではなく「短い時間でできる」まで仕上げて高得点を取ることを目標にしてほしい。
〔大問1〕A:関数 B:平面図形 〔大問2〕整数・場合の数 〔大問3〕空間図形
大問3題となったが、 1⃣に単元が2つ含まれる構成となったため、例年の大問4題構成とほぼ変わらない。 [A]は関数の問題。座標を文字で置き、代入しながら解いていくというオーソドックスな問題、[B]は円周の定理の逆を用いながら、角度の移行と相似の証明を行う問題。どちらもあまり時間をかけずに得点したい。
2⃣は整数・場合の数の問題。小問4問に対し、さらに細かい問題があり、道筋を迎れるように作問されているが、下2けたの組み合わせを考え、並び替えて答えを導いていくため、多くの時間を割くことになり完答は難しい。そのため、(1)、(2)を取りきる必要がある。
3⃣は空間図形。(1)は正面体の高さから外接球の半径を求める問題、正しく図形を抜き出し、相似や三平方の定理を用い、時間をかけずに解きたい。(2)は切断面を描く問題、比率に注意し、(1)と同様に素早く解く必要がある。(3)は(1).(2)を複合させ、長さを求める問題。(4)は再び外接球の半径を決める問題。(1)から(3)までの内容を使って解くが、多くの線分の長さが分かっている状態で使用する線分を取捨し、外接球の中心が全ての頂点から距離の等しい場所にあることを利用する必要があった。今年度の問題も昨年度と同様に、難問が多くなく、正答率が高いことが推測される。計算力を高めるとともに、本校の過去問だけでなく、国公立や灘などの問題を多くこなし、体得すべきである。
〔大問1〕論説文 〔大問2〕小説文 〔大問3〕 漢文
大問3題・小問12問の構成で、例年と比べて小問数が多かった。また、例年は全て記述式の問題であったの が、選択式の問題や漢詩の詩形を答えさせる問題なと、出題の幅が広がった。1⃣の出典は國分功一郎『目的への抵抗』、コロナ危機において表面化した「目的」と「手段」についての認識がテーマの文である。先人の言葉を引用しながら、テーマについての考察を深める哲学的文章で、要旨を正確に捉えることが難しい内容であった。
2⃣の出典は岩城けい『M』。オーストラリアの大学に通う「外国人」の2人の葛藤が描かれる小説文で、比較的読みやすい文章であった。 行間を読み取り、登場人物の心情・文章の表現の説明をさせる問題となっている。
3⃣の出典は広瀬談窓『遠思楼詩鈔』。広瀬は江戸時代後期の学者・時人であり、本文は漢文とその書き下し文となっている。記述式の問題は1問のみで、その他は漢文のルールについての理解が求められる問題が多く出題された。本校の設間は「どういうことか説明せよ」「なぜか説明せよ」という漠然とした問いである。盛り込むべき条件を過不足なく盛り込み、全体の文脈を押さえて解答しなくてはならない。自分の解答と模範解答を比べて、よく吟味することに加え客観的な判断を仰ぎながら、解答を洗練させていくことが求められる。
〔大問1〕化学 〔大問2〕地学 〔大問3〕 物理 〔大問4〕 生物
大問は物理・化学・生物・地学の4分野から1題ずつ計4題が、毎年異なる順番で出題される。知識問題だけでなく、思考力・計算力・表やグラフを読み取る力を問う問題もここ数年で定着してきている。1⃣の化学分野は、炭酸水素ナトリウムの熱分解で得られる物質の特徴・化学反応式の記述・原子の1個の質量比が与えられた上での質量の計算問題。解答用紙に4線を入れて、化学式の数字のぶら下がりを正確に書くように要求しているのも特徴的。2⃣の地学分野は、火山灰に含まれる鉱物の特徴・偏西風・鉱物を観察する際に準備すること・金量と月の満ちけ・金星の見かけの大きさの比を求める計算・金星と地球の太陽光エネルギーの反射率。3⃣の物理分野は空気や水の圧力についての計算問題。4⃣の生物分野は、血液、組織液、リンパ液の特徴・動脈、毛細血、静脈の特徴・計算問題。中学校で学習していない知識は前提とせず、必要な時には問題内で与えられるが、当然ながら都県立高校レベルを越えた応用力が求められる。4分野全てにおいて計算問題が出題されているので、様々な計算問題に慣れておく必要がある。
〔大問1〕歴史 〔大問2〕地理 〔大問3〕公民
例年通り大問3の構成で、一昨年までの1⃣歴史2⃣地理3⃣公民という順番に戻った。1⃣は古代から現代までの歴史の総合問題。2⃣は世界地理・日本地理の総合問題。3⃣は国連開発計画や新型コロナウイルスなどの時事問類を含む公民の問題であった。記述問題は3問と例年よりもやや多く出題された。表やグラフなどの読み取りから答えを導き出す問題が多く、大学入試を意識した問題となっている。難度が例年より少し低いと思われるが、数科書の範囲外のものが多く、中途半端な知識では対応できない。難解な選択問題は正確な知識をもとに消去法で答えを導き出して、諦めずに点数を確保する必要がある。また、ロシアのウクライナ侵攻など時事問題に関する問題も必ず出題されているのでおさえておきたい。地理は「世界地理」、歴史は「世界史」、公民は「経済」「時事問題」のより細かい内容の学習が重要になってくるのが本校の社会の特徴である。