中学・高校・大学
過去問分析

Camp+では、各中学・高校・大学の過去問について、傾向と分析を詳細に解説しています。都立中・都立高を中心に最新の過去問を大問ごとに分類し、傾向が一目で分かります。


東京都立日比谷高等学校 2022年度

英語

〔大問1〕リスニング  〔大問2〕対話文  〔大問3〕長文読解 〔大問4〕英作文
  リスニング、対話文読解、長文読解、英作文の4題構成は5年間変わらず。〔大問2〕は約1100語の「リーダーの資質」に関する対話を読んで、適語選択補充、適文選択補充問題各1問、内容に関する選択問題4問、本校特有の「空所に入る英文を 15語以上の英語で書く」問題1問に答えるもの。2021年度とほぼ同様の出題だった。〔大問3〕は約1150語の物語文について、内容に関する選択問題が3問、整序英作文、本校ならではの「30語以上の英文」を補充する問題1問が例年同様に出題された。一方で4年連続して出題された英文整序問題(2021年度の正答率48%、2019 年度の正答率 25%)は出題されず、本校では珍しい脱文挿入問題が1問出題された。序英作文は、3行前からの文とのつながりを考えて作れば難問とは言えないが、whoを疑問詞とするか関係代名詞とするか、または間接疑問文をつくるかで迷いやすい問題だった。〔大問4〕はイラストと図表で示されたテーマについて 50語以上の英語で説明するというもので、例年より具体的に書く問題だった。今年度も「聴く力」「読む力」だけでなく、「書く力」が求められた出題で、語葉力・速読力・構文力・表現力が総合的に試された。本校の問題を攻略するには、注釈に頼らずに本文を読める語業力を強化し、1000語程度の長文問題を 20分で読み解く練習と、易しい表現で英文を書く練習を数多く積むことが欠かせない。

数学

〔大問1〕小問集合 〔大問2〕関数 〔大問3〕平面図形 〔大問4〕立体図形
 今年度の出題も例年通り、大問4題、小問14問の構成であった。〔大問1〕は例年独立小問5問で、難度は変わらない。〔大問2〕の関数も例年通りパラメータと三角形の融合問題が出題された。〔問1〕は座標を文字を使ってきのy座標をpで表せばよい。〔問2〕は座標にp=ー1を代入してから、グラフ上の座標を求めて直線AFBDから交点座標を求める。〔問3〕はp=ー2から座標Aと座標Cを求めれば△AOCの面積を求めることができる。難問はないので、できれば3問完答したい。〔大問3〕の平面図形は円であった。[問1]は円周角の定理を〔問2〕は△AOC が二等辺三角形であることから、角DEG が直角になるので直角三角形同士の相似となる。あとは角度を描きこめば角CBA=角EGDにたどり着く。〔問3〕は、図を正確に描き直し、〔問2〕を利用すればよい。4⃣の立体図形の〔問1]は合同な二等辺三角形を発見できるかント。〔問2]は△ACE≡△BCE、△ACO≡△BCO、△BCO にて三平方の定理を利用すればよい。〔問3〕の三角形の高さの比を求められるかがポイント。全体的には大幅に解きやすくなったので、ミスなく確実に得点できるかが重要であった。2023年度は難化する可能性があるので、十分な準備が必要である。

国語

〔大問1〕漢字〔読み〕  〔大問2〕 漢字〔書き〕  〔大問3〕 小説文  〔大問4〕論説文  〔大問5〕 現古融合文
 例年通りの大問5題構成で、課題文の長さも、論説文(約3500字)が短くなった分、小説文(約5000字)と融合文(約4000字)と融合文がやや長くなり、全体としては変わりがなかった。〔大問1〕・〔大問2〕の漢字は、「陶治」「蓋然」の読み、「具申」「所産」の書きなど、語彙力が問われるやや難しめの出題。〔大問3〕の出典は浅井リョウ『スター』、配給形態が時代とともに変わっていく映画の世界における、作り手の葛藤を描いた新しい素材による本校らしい出典である。6問ある選択問題は、心情と表現、内容を問うものだが、ひとつひとつの修辞が何を意味するのかを考えながら読む訓練が必要である。〔大問4〕の出典は、村上陽一郎『文明の死/文化の再生』、人間が共同体から受ける枠組み(伝統)を相対化し、意図的に他を選択できることが人間にとって重要であるとする論説文である。内容理解の選択問題が3問と傍線部の説明 1間(記述80字)、傍線部の価値を問う作文(250字)が出題された。作文は具体的な事例を挙げ、考えを記述するものである。〔大問1〕の出典は、森本哲郎『月は東に一蕪村の夢激石の幻-』より、無村の句中にある「三径」から、文人と隠者の違い、無村と直蕉の比較等々を漢文の書き下し文を用いて論じている。5問ある選択問題は、内容理解が4間、言葉の意味が1問であった。 記述要素が減った分、課題文が難しくなり、選択肢の慎重な吟味が必要になった。俯瞰的な視野で主題を掴むという作間の姿勢は変わらないが、より緻密な読解を求められるようになったと言えるだろう。