中学・高校・大学
過去問分析

Camp+では、各中学・高校・大学の過去問について、傾向と分析を詳細に解説しています。都立中・都立高を中心に最新の過去問を大問ごとに分類し、傾向が一目で分かります。

東京都立八王子東高等学校 2025年度NEW!

英語

〔大問1〕リスニング 〔大問2〕 対話文 〔大問3〕長文読解 
大問3、リスニングを除いて小問19問。
2⃣はworking dogsを中心に動物たちがどのように人の役に立っているかについて話し合う内容。
文の整序や適語選択は前後の文を丁寧に読めばそれほど難しくはない。ただし、 難易度の高い単語が[注]になく出てくるので、単話力は必要である。英作文は10年後の自分の姿を40語から50語で書くもので、普段から将来就きたい職業について英文を書けるようにしておくとよい。
3⃣の長文問題の文章量は約 1200語で昨年度とほぼ同じ。高校の英語の先生がカルフォルニアでスクールカウンセラーとして働いていたときの経験をエッセイ形式で生徒たちに伝える内容で、他者と比較することの利点と欠点、そして他者と比較することで生じるFOMO (Fear OF Missing Out)という、周囲から置いてきぼりになる不安や恐布を感じる状態を、JOMO Cloy Of Missing Out)という、目の前の今を楽しむことで克服しようと伝えている。特に適文選択問題では異なるも、適切でないものを選ばせるので、選択肢をすべて丁寧に読むことが必要であった。
全体を通じて、都立共通問題に比べ、対話文・長文ともに約2倍と長いので、速く、確実に読む力が必要とされる。連語も教科書に出てくるものは必ず覚えよう。
文法は関係代名詞や不定詞の構文(形式主語など)、There is 構文などの基礎を理解し、英作文や並び替えが確実にできるようにしておきたい。

数学

〔大問1〕小問集合 〔大問2〕 関数 〔大問3〕 平面図形 〔大問4〕 空間図形
 大問4、小問13問の問題構成。設問数は昨年度と同じ。
1⃣〔問1)は平方根の計算、〔問2)は二次方程式の計算、〔問3〕は硬貨3枚の表裏の確率の計算、〔問4〕は相似なおうぎ形の作図。
2⃣は二次関数と1次関数の問題。〔問1〕については例年同様、二次関数と一次関数の変城の一致から式を求める問題となっている。〔問2〕は三角形の面積が最大となるときの面積を求める問題。点Pが格子点になるという条件をもとに場合分けして、それぞれの場合を検討する。〔問3〕は等積変形を利用する問題。
3⃣は平面図形の問題で、円と長さの等しい弧を題材にした問題である。〔問1〕は角度を求める問題であったが、弧の長さと中心角が比例することを利用して解くことがカギ。〔問2〕は合同の証明の問題。対応する辺の長さを求めて、2組の辺とその問の角がそれぞれ等しいことで証明する。〔問3〕は面積を求める問題。この問題も適切な補助線を引くことが重要。また、三平方の定理や三角定規の辺の比で長さを求める作業に慣れておく必要がある。
4⃣は空問図形で、三角錐についての問題である。〔問1〕は線分の長さが最短になるときの長さを求める問題、〔問2〕は体積を求める問題。三角錐の高さとなる線分を含む面に注目することが重要であった。〔問3〕は2つの三角錐の体積比を出す問題。
全体的な対策としては、本校の過去問はもとより、他の都立自校作成校の過去問も解くことで対策を積みたい。

国語

〔大問1〕 漢字(読み) 〔大問2〕漢字(書き) 〔大問3〕 小説文 〔大問4〕論説文 〔大問5〕 現古融合文
 全体の構成はほとんど例年と変わらず、大問5題、小問数は25問。1⃣、2⃣の漢字は難化。 日常的な漢字の習熟はもちろん、三字熟語、四字熟語の幅広い習得は必須である。
3⃣の出典は青山美智子『リカバリー・カバヒコ」(約3000字)で、身体の衰えから家業の廃業を考える母と息子夫婦との交流が、多彩な心情描写とともに描がれている。登場人物は少なく、展開の把握は容易な文章である。選択問題が4問、50字以内の記述問題が1問で、いずれも難度は高くなかった。
4⃣の出典は見田宗介『社会学入門』(約 4000字)で、他者との関係が社会にもたらすものについて論ずる文章である。本文は非常に読みづらく、展開を理解し、要旨をうまく読み取る力が求められる。選択問題4問は要旨を理解できれば難しいものでは無かった。240字の作文について、出題形式は昨年度と変わらなかった。
5⃣の出典は谷知子『古典のすすめ』(約2500字)で、古典における「幽玄」の美について論じている。平易な文章ではあるものの、選択問題が4問で抜き出し問題が1問、選択問題に関しては昨年度よりも難度が高かった。
全体的な難度は例年並みといったところで、近年の都立自校作成校の過去問を中心に、スピードを常に意識した読解演習の積み上げが重要である。選択問題では選択肢の選択基準を明確にすること、記述問題では題意の把握と見やすい構成を心掛けること、それぞれ意識して練習を重ねることが不可となる。

東京都立八王子東高等学校 2024年度

英語

〔大問1〕リスニング 〔大問2〕 対話文 〔大問3〕長文読解 
大問3題構成。2⃣の対話文の文章量は約1300語で、昨年度とほぼ同じ。小問数も9問と昨年度と同じで、文整序の問題が2問、整序英作文が1問、内容一致が1問、文の選択問題3問、抜き出し問題1問、そして英作文問題が扱われており、問題構成もほご同じであった。
 特に選択問題は否定文が多く、選択肢を丁寧に訳す必要がある。また、英作文は「時間の使い方に関するあなたの考え」を自分の経験(具体例)に触れながら40字以上50字以内で書くものであった。時間を有効に使った経験が書けるとよい。
 3⃣の長文問題の文章量は約1200語で、例年度とほぼ同じ。小問数も10問と昨年度と同じで、文の並び替え問題が1問、整序英作文が1問、単語の並べ替えの問題が2問、適語選択が2問、適文選択が3問、内容一致が1問と問題構成もほぼ同じであった。内容は、東京のある高校に赴任したスミス先生が学校新聞に書いた記事、という形で日本の自動販売機の良さや面白さについてエッセイ形式で書かれている。接続詞、形容詞、副詞、熟語といった幅広い語彙力が必要とされた。
 全体を通じて、都立共通問題に比べ、対話文が約2倍、長文が約1.5倍と非常に語数が多いので、速く、確実に読む力が必要とされる。単語もGRIT2500のSTAGE4〔1700語〕までは必須であり、読み・書きができ、訳がすぐに思いつくよう練習を積んでおく必要がある。

数学

〔大問1〕小問集合 〔大問2〕 関数 〔大問3〕 平面図形 〔大問4〕 空間図形
 大問4問、小問13問の問題構成。設問数は昨年度と同じ。
 1⃣〔問1〕は平方根の計算、〔問2〕は二次方程式の計算、〔問3〕はサイコロ個の確率の計算、〔問4〕は頂角120°の二等辺三角形の作図。
 2⃣は二次関数の問題。〔問1〕については例年同様、二次関数と一次関数の変域の一致から式を求める問題となっている。〔問2〕は三角形の面積比を求める問題。実際に面積を求めると言うよりは、高さが同じ三角形なので線分比が面積比と等しいことを利用したい。〔問3 〕は等積変形を利用する問題。
 3⃣は平面図形の問題で、昨年度と同様、正方形題材にした問題である。〔問1〕は辺の長さを求める問題であったが、図形の対称性を考えて適切な補助線が引けるかがカギ。〔問2〕は相似の証明の問題。対応する辺の長さを求めて、2組の辺の比とその間の角はそれぞれ等しいことで証明する。都立でこの相似証明を利用する問題は大変珍しい。〔問3〕は面積を求める問題。この問題も適切な補助線を引くことが重要。また、三平方の定理や三角定規の辺の比で長さを求める作業に慣れておく必要がある。
 4⃣は空間図形で、三角錐についての問題である。〔問1〕は表面積を求める問題、〔問2〕は体積を求める問題。どの面を底面としてとらえるかが重要であった。〔問3〕は最短距離を出す問題。
全体的な対策としては、本校の過去問はもとより、他の都立自校作成問題校の過去問を解くことで対策を積みたい。

国語

〔大問1〕 漢字(読み) 〔大問2〕漢字(書き) 〔大問3〕 小説文 〔大問4〕論説文 〔大問5〕 現古融合文
 全体の構成はほとんど例年と変わらず、大問5題、小問数は25問。1⃣・2⃣の漢字はやや難化。日常的な漢字の習熟はもちろん、三字熟語、四字熟語の幅広い習得は必須である。
 〔大問3〕出典は恩田陸『なんとかしなくちゃ。青空編』(約3500字)で、独特のしきたりに臨む主人公と家族との交流が、多彩な心情描写とともに描かれている。登場人物は多いが、展開の把握は容易。選択問題が4問、記述問題が1問で、いずれも難度は高くなかった。
 〔大問4〕の出典は多木浩二『生きられた家』(約4000字)で、西洋と比較した日本の家、部屋の機能について論ずる文章である。本作は読みにくいが、展開を理解し、要旨をうまく読み取る力が求められる。選択問題4問はやや難。240字の作文については昨年度と変わらなかった。
 作文問題は「現代社会が『ああすれば、こうなる』原理のみによって運営されていることの問題点」について論じるもの。時間配分に注意しつつ、文章内容を踏まえられているかどうかで得点に差がついたと思われる。
 〔大問5〕の出典は復本一郎『俳句と川柳「笑い」と「切れ」の考え方、たのしみ方』(約2500)で、俳諧と笑いの関係性について論じている。選択問題が4問で抜き出し問題が1問、どれも比較的容易なものだった。
 全体的な難度はやや難化といったところで、近年の都立自校作成問題校の過去問を中心に、スピードを常に意識した読解演習の積み重ねが重要である。選択問題では選択肢の選択基準を明確にすること、記述問題では題意の把握と見やすい構成を心がけること、それぞれ意識して練習を重ねることが不可欠となる。


東京都立八王子東高等学校 2023年度

英語

〔大問1〕リスニング 〔大問2〕 対話文 〔大問3〕長文読解
昨年度同様に大問3題構成。文章量は昨年度とほぼ同じ。〔大問2〕の対話文は小問9問で1問減少しており、〔大問3〕は小問10問で1問増加したため、 合計では昨年度と同じ問題数となっている。〔大問2〕はイギリス英語とアメリカ英語の違いについての文章。イギリスでは建物の1階のことをground floor、2階のことをfirst floorというなどの、イギリスとアメリカの英語の違いとして有名なものが話題になっているため、あらかじめこのような知識を持っていると解きやすい問題だった。しかし、そういった知識がなくても読みやすい英文になっており、問題も解きやすいレベルだったと思われる。また、昨年度の英作文は本文の内容を理解していないと書けない内容となっていたが、今年度は「英語を学ぶ意義」について自身の経験をふまえて40字異常50字以内で書くという問題となっており、本文を呼んでいなくても書ける内容担っていた。〔大問3〕は情報との向き合い方についての文章。長文は平易な表現で読みやすく、問題も解きやすいものだった。〔大問2〕、〔大問3〕で出題された整序英作は2問とも基本的なレベルの問題となっていた。しかしながら、それぞれの大問で扱う文章量は多いため、普段から単語や文法の学習はもちろん、中3の早い時期から個々のレベルに合わせた英文の精読に時間を割く必要がある。

数学

〔大問1〕小問集合 〔大問2〕 関数 〔大問3〕 平面図形 〔大問4〕 空間図形
大問4問、小問13問の問題構成。昨年よりも設問が1問減。〔大問1〕の〔問1〕・〔問2〕は基本計算問題で、昨年まで出題されていた連立方程式の問題が削除された。〔問3〕は素数になる確率を求める問題で難度は低め、〔問4〕の作図は例年に比べて難度が高い問題となっている。〔大問2〕は二次関数の問題で、〔問1〕については例年同様、二次関数と一次関数の変域の一致から式を求める問題となっている。〔問2〕は例年にない直線の式が問題文にかかれており、多少問題文が複雑に書いてあるが、解き方自体は易しい問題である。〔大問3〕は平面図形の問題で、昨年と同様、正方形を題材にした問題である。〔問1〕は辺の長さを求める問題であったが、合同と平行四辺形の性質が理解できていれば十分解ける問題。〔問2〕の証明は例年にはないそれぞれ別の三角形から合同を求める、多少気が付きにくい問題ではあったが、その後の面積を求める問題は易しかった。〔大問4〕は空間図形で四角錘についての問題である。〔問1〕貼体積を求める基本問題、〔問2〕も面積を求める問題と最短距離を出す問題で、どちらも基本的な問題である。本校の過去問を利用して空間図形の演習を繰り返すことで十分に対策が取れる問題である。

国語

〔大問1〕 漢字(読み) 〔大問2〕漢字(書き) 〔大問3〕 小説文 〔大問4〕論説文 〔大問5〕 現古融合文
大問数は例年通り5題で、難度も昨年度と同程度。〔大問1〕・〔大問2〕の漢字は昨年と比較するとやや難度が下がった。三字、四字熟語の出題が続いている。〔大問3〕の小説文の出典は蓮見恭子『襷を、君に。』で、傍線部の前後から読み取れる登場人物の様子・心情・行動理由を問う問題や表現技法に絡んだ問題など、過去の出題に沿った典型題で、難度も高くない。〔大問4〕の論説文の出典は養老孟子『考えるヒト』で、昨年は引用された図が挿入されていたが、今年はそれが無い分、文章としては長くなったという印象。〔大問3〕と同様、過去の傾向通りの出題だったが、文章内容が生物学に関するものであったため、理解しづらい印象をもった生徒もいたことが推測される。作文問題は「現代社会が『ああすれば、こうなる』原理のみによって運営されていることの問題点」について論じるもの。時間配分に注意しつつ、文章内容を踏まえられているかどうかで得点に差がついたと思われる。〔大問5〕の出典は上野誠「万葉集講義」で、途中に古文が訳文とともに引用された融合文であった。例年、〔大問5〕では語句や国文法、古典基礎に絡んだ出題があるが、今年度は〔問4〕で傍線部の意味を問う設問があった。他の問題は本文の読解に関わるもので典型題と言えるうえ、難度もそれほど高くなかった。全体的にも例年通りの難度と考えて良い。本校や他の都立自校作成問題校の過去問に取り組むことが最善の策と言える。