中学・高校・大学
過去問分析

Camp+では、各中学・高校・大学の過去問について、傾向と分析を詳細に解説しています。都立中・都立高を中心に最新の過去問を大問ごとに分類し、傾向が一目で分かります。


東京都立青山高等学校 2025年度NEW!

英語

〔大問1〕リスニング 〔大問2〕対話文読解 〔大問3〕長文読解 〔大問4〕英作文

今年度は出題構成が昨年度と異なり、新たに4⃣の英作文が出題された。
2⃣は小問が8問、語数も約1260語と昨年度に比べやや増加した。
内容は「学習スタイルについて」の対話文で、本文は読みやすかったものの、整序問題が2問と増加し、文整序や5語以上の適文補充が出題されるなど、問題傾向が昨年度から大きく変更となった。
適話補充や適文補充など英語の表現力が決められる問題で差がついたと思われる。
3⃣は小問数が8問と減少し、英作文が4⃣へと独立した。語数が約1500語と増加し、物語文が出題されるなど昨年度から大きく変更されている。2⃣と同様、適語補充や適文補充など本文の内容を理解しながらも文法的知識も必要とされた。
4⃣は新たな大問として、英作文が独立して出題され、小問数が2問であった。「電子書籍(e-books)を読むか」というテーマでグラフを読み取り、5語以上の英語で適文補充をする問題、「電子書籍(e-books)と紙の書籍(paper books)のどちらが好きか」について約50語の対話文中に10語以上の英語で適文補充をする問題が出題された。
試験時問内に約 2800語の長文を読むスピードだけでなく、多様な問題形式への対応力も求められた。
本校以外の都立自校作成校の過去問に取り組み「長文を短い時問で速く読む」ことに慣れることは必須である。
また英文法・語法の知識に加え「自分で考えて英語で表現する」力も必要となる。
早慶や MARCH など難関私立高校の問題にも取り組み、文法・語法のレベルを高め、都立だけでなく私立の多様な問題を数多く解いておきたい。

数学

〔大問1〕小問集合 〔大問2〕二次関数 〔大問3〕平面図形 〔大問4〕立体図形

大問4題・小問14問で、出題傾向・分量ともに例年通り。
1⃣は計算問題・連立方程式・2程式を用いた確率・データの活用・作図から5問出題され、ほぼ例年通りの出題であった。
2⃣は二次関数からの出題。〔問2〕(1)は正方形の各点の条件から放物線上の点の座標を求める問題。誘導に乗って確実に正解したい。
〔問2〕(2)は2つの三角形の面積が等しいという条件から直線上の点の座標を求める問題。平行な二直線問の三角形は高さが共通なので、面積が等しい場合は底辺も等しいという基本的な性質をしっかりと抑えておく必要がある。
3⃣は平行四辺形に関する問題。〔問1〕〔問2〕ともに比較的易しいため、正答しておきたい。
〔問3〕は選択した上で証明するという近年よく見られる形式の問題。きちんと証明するのはやや難度が高く、差がつく問題であったと言える。
4⃣は立体図形の体積に関する問題。〔問1〕は直方体内部の三角すいの体積を求める問題。基本的な立体図形の問題で、確実に得点したい。〔問2〕・〔問3〕はより複雑な三角すいの体積を求める問題。
しっかりと誘導に乗れば、難度はそれほど高くはない。図形のイメージが難しく、差がつく問題であったといえる。全体の難度は例年通りであったが、平易な問題が若干増加した分、差がつく問題の重要度が相対的に増している。出題分野は例年似た範囲が多く、過去問にしっかり慣れておくことで本番の対応力が変わる。
空問図形など例年出題されている範囲はしっかり日頃から演習を重ね、得点源としておくことが重要である。

国語

〔大問1〕漢字〔読み〕  〔大問2〕 漢字〔書き〕  〔大問3〕 小説文  〔大問4〕論説文  〔大問5〕 現古融合文

例年と変わらず、大問数は5題・小問数は18問。1⃣・2⃣の漢字の読み書きは各5問で、難度は例年と変わらない。 3⃣は上田健次『中野「薬師湯」雑記帳』からの出題。最近少なくなった「銭湯」を手伝いながら大学に通う主人公がプラネタリウムを見学する場面。
昨年度小説文ではなくなった記述問題が1問復活した。全て自分で書くのではなく、説明する文の空欄15字を埋める形式である。
4⃣は保坂和志『世界を肯定する哲学』からの出題。昨年度まで連続していた文章1・文章2にまたがる形式ではなくなった。本文のテーマは「記憶」。
記憶の種類を説明し、中でも言語によらない「非宣言的記憶」が人類史上では大きなものだったことを述べる。
小問は、記述2問、記号選択3問、作文1問。記述2問は3⃣での出題と同じく、説明する文の空欄を埋める形式で、それぞれ8字、20字である。
作文は 200字、「本文を学習した生徒たち」の会話も踏まえて「人問にとって大切な記憶とはどのような記憶か」を考えて書く。
5⃣の現古融合文は岩山滋『文学の中の都市と建築』からの出題。テーマは清少納言の「枕草子」に登場する「車」や、作品の舞台となる「宮中」の建築物について分析するもの。
小問は抜き出し1問、記号選択4問で、すべて内容把握の問題であり、語彙的な問題、文法的な問題は出ていない。抜き出しは9字と15字の箇所を古文から見つけ出すもので、現代語訳もついているので難度は高くない。

東京都立青山高等学校

英語

〔大問1〕リスニング 〔大問2〕対話文 〔大問3〕長文読解(説明文)

出題構成は昨年同様で、〔大問2〕は伝統的な日本の絵画をテーマにした対話文、〔大問3〕は「雷」をテーマにした説明文であった。
〔大問2〕は小問8問構成で、適文選択問題や本文中の絵画技法の説明からそれに該当する絵画を選ぶ問題、絵画の技法の内容をさらに掘り下げて適語を選択する問題が出題された。
〔大問3〕は小問7問構成で、文章の内容と地図、グラフ、イラストの両方を照らし合わせながら解く形式は昨年と同様であった。馴染みのあるテーマで読み易さを感じたかもしれないが、「雷」の発生のしくみに関する部分などは細かいところまで正確に読み取らなければならない問題であった。
「英作文」は昨年と異なり、今年度は〔大問3〕の最後の設問で出題された。「電力不足にあなたならどのように対処するか」を40語以上50語以内で書く問題で、必ずしも本文の内容を踏まえる必要のない自由英作文であった。
リスニングを含めて、これらの問題を50分で解けるようになるためにも、都立自校作成問題校レベルの英文に慣れておく必要がある。さらに、出題英文を正確に読み進めるには高校1年生レベルの文法をマスターしておく必要もある。「高1レベルの文法力を土台にして、いかに多くの英文に接していくか」が都立自校作成問題校の英語攻略のカギである。

数学

〔大問1〕小問集合 〔大問2〕関数 〔大問3〕平面図形 〔大問4〕空間図形

大問4題、小問17問の構成。〔大問1〕は「平方根を用いた計算」「連立方程式」「さいころを用いた確率問題」「ヒストグラムから相対感数を求める」「正三角形の作図」の合計5問。難度は例年並みであり、全問正解しておきたい。
〔大問2〕は二次関数の問題で、座標機何分野から3問出題。〔問3〕の台形の面積を二等分する直線の式の導出は空欄補充形式で、学校側の誘導に沿って計算することが求められている。自己流の解き方だけでなくテキストの解答解説も参照するなどして、1つの問いに対し複数の解法を身に着ける学習を進める必要がある。
〔大問3〕は平面図形の問題が3問出題。与えられている図形が正確ではないので、問題文の条件を踏まえて自分で正しく図を描き、落ち着いて処理する必要がある。
は立体図形の問題。会話文に沿って問題が展開されているが、簡潔なやり取りで不要情報はないため読解で手間取ることはない。問題そのものは〔大問3〕・〔大問4〕ともに平易〔大問4〕であるため、「相似な図形」分野を十分こなすことで完答できる。
全体として難度は昨年より下がったため、ミスが許されない入試となった。次年度は難化する可能性があるので都立高校だけでなく、難関私立高校の入試問題にも取り組む必要がある。

国語

〔大問1〕漢字〔読み〕  〔大問2〕 漢字〔書き〕  〔大問3〕 小説文  〔大問4〕論説文  〔大問5〕 現古融合文

大問は例年通り5題で小問は26問、問題数は昨年度と変わらなかった。小説文では例年通り心情変化の記述問題が出題された。〔大問1〕・〔大問2〕漢字の読み書きは各5問。漢字の難度は読みも書きも例年通りであった。
〔大問3〕小説文は瀧羽麻子『虹にすわる』からの出題。記述問題について、本文内指定文脈の要点の要約を求める点では変化がないが、解答形式が書き抜きではなく自由記述形式に変化した。
〔大問4〕論説文は東中竜一郎『AIの雑談力』からの出題。昨年同様、文章1と文章2にまたがる横断型の問題が特徴。設問の形式はそのままに、文章量が増えた。書き抜き問題の指定字数も去年の50字以内の大きな字数指定から2字+17字に変化し、求められる字数が短くはなったが、難度は高かった。
〔大問5〕国現古融合文は鈴木健一『古典詩歌入門』からの出題。記述問題が2題に増え、そのどちらも書き抜き問題という大きな変化があった。全体を通しては書き抜き問題が増えており、例年の出題形式を見ても対策が求められることがわかる。都立の問題だけでなく、広く難関私立の書き抜き問題が多く採用されている過去問を使用し、書き抜き問題に対するアプローチの方法と時間の使い方を、なるべく早い段階で身に付けておくべきである。