中学・高校・大学
過去問分析

Camp+では、各中学・高校・大学の過去問について、傾向と分析を詳細に解説しています。都立中・都立高を中心に最新の過去問を大問ごとに分類し、傾向が一目で分かります。


東京都立武蔵高校附属中等教育学校

〔適性検査Ⅰ〕共同作成問題

例年と同様、読解問題が2問、作文問題が1問出題されました。
読解問題では2019年度以降続いて出題されていた文章横断型の問題(傍線が引いてある文章とは異なる文章から解者を書いたり探したりする問題)は出題されませんでした。
作文問題は前年度と同様、各段落に書くべき内容は指定されず、自分で適切に段落分けをする問題でした。
(問題1)は傍線部分の理由を本文中から抜き出す問題です。傍線部問辺の情報を丁寧に読み取ることが求められましたが、難度自体は高くはなく、必ず正解しておきたい問題でした。(問題2)は、「行間を読む」ことについて、本を読むことにおいては何をどうすることか、「真実」「事実」という語を用いて説明する問題です。一見簡単そうに見えますが、端的にまとまっている一文があるわけではなく、複数所の情報をまとめる必要があるため、点数の分かれる問題でした。(問題3) は、二つの文事から読み取った「共通していると思う考え方」をまとめ、それをはっきり示したうえで、これからの学校生活でどのように学んでいくつもりか、関連させて作文を書くことが求められています。これまでの年度の問題と比べて、二つの文章ともに抽象度が高いこと、双方の文章ともに筆者の主張が一文でまとめられる類の文章ではないこと、共通点が明示されていないこと、などの理由から、二文の「共通していると思う考え方」をまとめる作業は難しかったはずです。日ごろから、文章全体の大意を読み取る力を養うことが肝要です。

〔適性検査Ⅱ〕

例年通り〔大問2〕は独自作成問題、〔大問1〕・〔大問3〕は共同作成問題です。
図は電子書籍をテーマとした問題でした。(問題1)は計質問題、グラフ作成問題、作成したグラフの変化の様子を読み取る問題でした。(問題2)は、電子出版のなかでもコミックの販売額が増えている理由の考察と、その考えが正しいかどうかを確かめる方法を説明する問題、紙の「事典・辞書」の販売用数が減っている理由について会話文や資料をもとに考えを書く問題、(問題3)は紙を使った出版と電子出版をどのように使い分けることが将来の出版にとってよいと考えるか、具体的な方法を 151字以上180字以内で説明する問題でした。最後の問題の字数が増えたものの、問題数や形式ともに大きな変化はなく例年通りの出題だったと言えるでしょう。やや易化した前年度の問題より難度が上がりました。

〔適性検査Ⅲ〕

〔大問1〕は観察池やアクアリウムで生きる動植物をテーマとした生物分野からの出題でした。近年は物理分野・化学分野からの出題ばかりだったため、おどろいた受検生もいたと思います。(問題1)は小学校の観察池で生物が生き続けるのに必要な環境を考えて説明する問題です。(問題2)は光合成の仕組みに関する小間で、理屈まで理解しているかどうか試されました。(問題3)は水そうの中に入れた土とヤマトヌマエビの役割について考える問題で、例年出題される対照実験の仕組みの理解が鍵を握る問題でした。(問題4)は水に浮いた水草が育つ理由を考える問題で、写真をもとに考察をしていきます。
〔大問2〕は前年度に続き図形をテーマにした問題でした。全体的に頻出問題が多く、正解したい問題でした。(問題1)は白と黒2色のタイルを組み合わせた図形を考える問題で、指定された条件において図形が「作れない」ことを説明する問題でした。(問題2)は、白い正方形のタイルを5枚つなけた図形、いわゆるペントミノが何通りできるかを調べる問題です。(問題3)は、白と黒の小さな立方体を4x4x4の64 個積んで大きな立方体を作り、大きな立方体を切断した時に切られる黒い立方体の個数を数える問題でした。