都立中・全国公立中作文に使われた本の紹介

都立中・全国公立中適性検査Ⅰの作文問題に採用された書籍をご紹介します。 入試の傾向分析をしたり、問題で採用された箇所の気になる続きを読んだりなど、普段の読書のヒントにもお役立ていただけます。

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共同作成(小石川・武蔵・両国・富士・大泉)

2025年度 共同作成

2025/5/15(木)

『spring』恩田 陸(筑摩書房)

自らの名に無数の季節を抱く無二の舞踊家にして振付家の萬春(よろず・はる)。
少年は八歳でバレエに出会い、十五歳で海を渡った。同時代に巡り合う、踊る者 作る者 見る者 奏でる者――
それぞれの情熱がぶつかりあい、交錯する中で彼の肖像が浮かび上がっていく。
舞踊の「神」を追い求めた一人の天才をめぐる傑作長編小説です。

2025年度 共同作成

2025/5/8(木)

『カブトムシの謎をとく』小島 渉(ちくまプリマー新書)

この本は、昆虫研究者がカブトムシ研究の最前線を綴った一冊であり、
カブトムシを捕食する意外な生物、カブトムシの大きさはどう決まるか、
そもそもカブトムシは日本に何種類いるのかなどなど、基本的なところで未解明の部分が多いことに驚かされる。
そして研究とは何をすることなのか、またその魅力についても語られている。
将来、何かの研究を目指す職につきたい人にもぜひおすすめの一冊です。

2024年度 共同作成

2024/6/4(火)

『レモン石鹼泡立てる』東直子(共和国)

歌人である筆者の20年にもわたるエッセイ・書評を集めた本。
短歌からの引用も多数あり、丁寧かつ真摯に三十一文字(みそひともじ)に向き合う姿が印象的です。
静かで穏やかながらも感情を揺さぶられる名文ばかり。
また、紹介されている本もどれも魅力的で、読んでみたくなること請け合いです。

2024年度 共同作成

2024/5/7(火)

『俳句のきた道 芭蕉・蕪村・一茶』藤田 真一(岩波ジュニア新書)

世界一短い定型詩とよばれる「俳句」。
某番付番組の影響で句作を趣味にしている人も少なくないかと思いますが、
この本では句作が趣味というよりまさに生き様、魂そのものといった3人を紹介しています。
当時の熱い文壇の様子や句の深い解釈についても知れるので、
授業中にこっそり教科書の先の箇所を読み込みたいタイプの人(授業はきちんと受けましょう)は
俳諧の魅力にすっかりのめり込んでしまうかもしれません!

2021年度 共同作成

2024/4/23(火)

『「出会い」の不思議』河合隼雄(創元こころ文庫)

臨床心理学者である著者が人生のいろいろな「不思議」について書いた本です。
前書きでも述べられていますが家庭での教育の根本、すなわち子どもが安心してのびのびと育ってゆく場
としての家庭を築くことが重要で、それに関連づけるように本当の幸福とはどのようなものか考えて、
自分や家族の生き方を再考してほしいという著者からのメッセージが読み取れます。

2021年度 共同作成

2024/1/9(火)

『となりの脳世界』村田 沙耶香 (朝日新聞出版)

芥川賞作家による好奇心旺盛な、ちょっとヘンテコなエッセイ集です。
小さいころからのいろんな思い出、最近の考え事……
作家の脳内のフィルターを通すとこんな感じになるのか……と面白く読めます。
凝り固まってしまった自分のものの見方をズラしてくれるような文章です。
勉強に疲れたらこんな風に空想(妄想?)するのもいいでしょう。

2022年度 共同作成

2023/12/5(火)

『科学者の目、科学の芽』岩波書店編集部 編(岩波書店)

本書では普段の学校では教えてくれない「科学的に考える楽しさ」を中心に、科学者の様々な視点、
出来事から科学の学びについて紐解いてくれる内容となっています。
私たち現代人は、ただひたすら「勉強」することに意識を置きがちですが、
筆者の経験と私たち読者が照らし合わせながら読むことで、新しい「探求についての発見」、
「科学の魅力」について迫ることができるでしょう。理科が苦手な子供たちへもオススメの一冊です。

2022年度 共同作成

2023/11/28(火)

『自然を楽しむ 見る・描く・伝える』盛口 満 (東京大学出版会)

筆者が「見る・描く・伝える」を通して生物の世界と関わり、そこで出会ったこと、
感じたことをまとめた一冊です。自然を「見る」視点を探し出しそこで見つけた生物の姿を
スケッチに「描く」、そして誰かに「伝える」…自然に30年以上携わり教員生活を続けてきた筆者が、
「学校」というフィールドで生徒たちとつむぎだす物語です。

2023年度 共同作成

2023/11/10(金)

『木でつくろう 手でつくろう』遠藤敏明(小峰書店)

スウェーデンで木材工芸を学んだ著者による、「ものづくり」の精神や、楽しさを伝える本。
自然物を利用した工芸品には、これまで人間と自然とが共存していた時間を感じられる気がします。
工芸品を通じて、私たちの生活のあり方も変わりそうです。

2023年度 共同作成

2023/11/10(金)

『10代のための読書地図』
別冊本の雑誌20「なぜ若い時に本を読むことが必要なのだろう」田口幹人

ブックガイドって読んだことある?本のための本です。
普段マニアックな書評が載っている「本の雑誌」の、若い人向けブックガイド決定版。
本は本を呼び、読みたい本が次から次へと見つかるでしょう……
あまり興味のないジャンルでも、これならちょっと読んでみようかな、と思えます。
知的興味を広げるために、本を活用してみましょう。保護者の方も、ご一緒に。

桜修館中

2025年度 桜修館中

2025/2/26(水)

『ぼんやりの時間』
辰濃 和男(岩波新書)

常に時間に追われ効率を追い求める生き方が、現代人の心を破壊しつつあります。
そこで筆者は今こそ、 ぼんやりと過ごす時間の価値が見直されてよいのではないか、と考えます。
ではそうした時間を充実させる ために何が必要であり、そこにどんな豊かさが生まれるか。
さまざまな書物にヒントを求め、筆者自身の体験も 交えながらつづる思索的エッセイです。

2025年度 桜修館中

2025/2/18(火)

『問うとはどういうことか
~人間的に生きるための思考のレッスン~』梶谷 真司(大和書房)

私たちは問うことをためらいがちですが、それは「問うのが歓迎されない」、
「問うのが攻撃的だと感じられる」「問いは与えられるものだという思い込みがある」といった理由のためだと思われます。
この本では何のために問うのか、何を問うのか、どのように問うのか、
適切に理解することが重要だということを教えてくれます。
作者による「問う」ことの徹底的な考察と思考が詰まった必読の一冊です。

2021年度 桜修館中

2024/1/26(金)

『金田一家、日本語百年の秘密』
金田一 秀穂(朝日新聞出版)

金田一京助・春彦に続く日本語研究三代目の秀穂さんが、言葉の謎に分け入ってその変化や揺れを探っていきます。
日本語がこれから変わっていく予感を当時の時勢から感じとり、
IT化時代の外国語と日本語、といった テーマにも肉薄します。
本来の「人間としての教養」について読者を魅了する内容となっています。

2021年度 桜修館中

2024/1/19(金)

『あらためて教養とは』
村上陽一郎(新潮文庫)

現代では知識、情報量の多さ、頭の良さなどでその人間の偉大さをはかることが多いでしょう。
しかし 真の人間力は「人」としての教養、ルールや節度、マナーや礼儀正しさなど対人関係で
尊敬させることにあるのではないでしょうか?本作品では倫理や道徳といった失われつつあるテーマに
重点を置き、本来の「人間としての教養」について読者を魅了する内容となっています。
人間力を高めるのにうってつけの作品です。

2021年度 桜修館中

2024/1/16(火)

『日本語練習帳』
大野 晋(岩波書店)

どうすればよりよく読めて書けるようになるか、何に気をつけてどんな姿勢で文章に向かえばよいか、
筆者の出す練習問題に答えながら、単語に敏感になる習練から始め
文の組み立て、文章展開、敬語の基本など日本語 の骨格を理解し技能を磨いてくれる本です。
この本で自分の日本語を鍛えてみませんか?

2022年度 桜修館中

2023/11/14(火)

『生物学的文明論』本川 達雄(新潮社)

生物から見た人間への視点、生物の多様性と偉大さ、リサイクル性、ゾウの時間とネズミの時間の進み方の違い、
世のために働くとはどういうことか等、様々なことがこの一冊にあります。本来人間が動物であること、
自分が何者なのか知るために読むことをおすすめします。

2023年度 桜修館中

2023/11/14(火)

『面白いとは何か? 面白く生きるには?』
森博嗣(ワニブックス)

「面白い」というあいまいな概念を様々な見方から考察している本です。人生を面白く生きるために、
日常生活でつい後回しにしてしまいがちな自分の感覚・感情・感想を大事にする必要があるということに
気づけるでしょう。「誰かの面白さ」に流されることなく「自分の中の面白さ」
を理解して育てていくために…いかがでしょうか?

2023年度 桜修館中

2023/11/14(火)

『知ってるつもり:「問題発見力」を高める
「知識システム」の作り方』西林克彦(光文社)

現代において求められる「問題発見力」を身につけるための方法を解説してくれる本です。
この中では知識の 定着のさせ方、断片的な知識を基にして考えるにはどういったとらえ方・整理をすればよいのか
という疑問に 対しての答えを見つけたり、自分がいかに「知っているつもり」になっていないか
警鐘を鳴らしてくれたりします。知識をつなげて深い思考を可能にするための一冊。

立川国際中

2025年度 立川国際

2025/3/4(火)

『ウソみたいな宇宙の話を大学の先生に解説してもらいました。』
平松 正顕 (秀和システム)

私たちは宇宙のことをどれだけ知っているでしょうか?
「太陽系は『泡』に包まれている」 「宇宙人と交信しない方がいい理由」
「小惑星をくり抜いて作るコロニー」など、 「宇宙」に抱くイメージがいい意味で壊れるようなエピソードが満載です。
天文学を専門としている先生による、わかりやすい宇宙の本です。

2024年度 立川国際

2024/4/9(火)

『SNSの哲学 リアルとオンラインのあいだ』戸谷 洋志(創元社)

日々自分の考えや見方は現実のさまざまな事象によって変わるだろうけれど、
SNSという媒体の登場によって、感情や欲望や倫理観が一気にアップデートさせられたような感じ、しませんか?
われわれの生活に入り込んでしまっているSNS上では、さまざまな炎上、さまざまなネタが飛び交っています。
それらを哲学の地平で見渡すとどうなるか。身近な事例で哲学することの面白さ、そして身につまされる人文書です。
この本を友達同士で持ち寄って読書会してもおもしろいですね。

2021年度 立川国際

2024/3/8(金)

『クジラのおなかからプラスチック』保坂 直紀(旬報社)

現代で大きな問題となっている「ごみ問題」について、本書は誰でもわかりやすく、
その問題について説明をしてくれています。
その中でも本書は「プラスチックがもたらす環境への影響」について取り上げ、
人体にどんな影響を与えるか、この問題に今現在どんな対策をしているのかなど、
教養として 知っておきたい内容となっていますので、
環境問題の基礎知識を身につけるのにうってつけの作品となっています。

2021年度 立川国際

2024/2/27(火)

『はずれ者が進化をつくる』稲垣 栄洋(筑摩書房)

著者は「生物の進化の結果の『個性』には意味がある」をメッセージとして伝え、
これをもとに今の学校に 順応できない子どもたちへの温かい眼差しと、
周辺の大人たちへの厳しい示唆を与えています。
わかりやすく 教育的配慮もありながら「個性」とは何かを紐解き、読むものに勇気をくれることでしょう。

2023年度 共同作成

2023/12/5(火)

『読書をする子は○○がすごい』榎本 博明(日本経済新聞出版社本部)

皆さんは本当の「読書の仕方」、「本物の読解力の育て方」を知っていますでしょうか?
編では、今の子供たちの表現する力不足、なぜコミュニケーションで障害が起きるのかなど
社会的なテーマに焦点を当て、人と人との「対話」の重要性などについて語りかけています。
これからの人生、「大人になる過程」の第一歩として読んでみてはいかがでしょうか?

2023年度 立川国際

2023/11/21(火)

『はじめて学ぶ環境倫理
 ─未来のために「しくみ」を問う』吉永明弘(筑摩書房)

この本の中では環境問題について、「個人の責任として考えるのではなく、社会の問題として考える」ことがテーマと
して綴られています。また環境倫理学というのは、今ある環境問題に対して社会のシステムを変えるための学問である
ということが書かれており、環境そのものを考えるための基礎知識を説明してくれます。
個人が環境問題に対してどう関心を持つべきかを教えてくれるでしょう。

白鷗中

2020年度 白鷗中

2024/4/16(火)

『わたしの少女時代』共著 黒沼 ユリ子(岩波書店)

13人の著名人たちの少女時代についてのエッセイをまとめたアンソロジーです。
出版当時の年齢が若い順に並んでいるため、読み進めるにつれて時代をさかのぼれるようになっています。
後半はその時代独特の証言という趣もあります。
いつ、どのような時代においてもすごい人は「すごい」という一点で時代を感じさせないもので、
行動力が人並でない女性たちの半生にその当時を生きたたくましさが分かるでしょう。

2020年度 白鷗中

2024/3/12(火)

『辺境・近境』村上春樹(新潮社)

普段の生活では踏み入れることのない「辺境・近境」を読む者に強大な想像力を与えることでしょう。
米大陸横断、暴漢対策で警察が乗り込んでくる長距離バスなど、平和な暮らしを行う私たち日本人に
スリルと現実の過酷さを筆者が語りかけます。
いつもと違った読書、より刺激的な内容に触れたいときに オススメの作品です。

2020年度 白鷗中

2024/2/20(火)

『心と脳ー認知科学入門』安西 祐一郎(岩波書店)

私たち人間は「心と脳」により日々動いています。
しかし、その核心について考えたことはあるでしょうか?
情報化社会の中で、私たちは何を考え、悩み、楽しみ、日々を生活している のでしょうか?
本作品では認知科学という「心と脳」を基に入門編としてわかりやすく、
その 機能について読める一冊となっています。
子供から大人まで、やさしく核心に迫れると思います。

2022年度 白鷗中

2023/11/28(火)

『ほんとうの味方のつくりかた』松浦 弥太郎(筑摩書房)

人はひとりでは生きられないので、豊かな人生には「味方」の存在が欠かせません。
大切な味方の見つけ方と育て方を教えてくれる人生の手引書です。また自分自身がまず内なる味方であり、
それを徹底的に知ることが大切であることが述べられています。
その内なる味方とは健康、身だしなみ、マナー、時間、お金、ライフスタイルなど…が挙げられています。
これらを好きになり大切にすることについて、考えさせてくれます。

2023年度 白鷗中

2023/11/14(火)

『東大教授が教える知的に考える練習』柳川範之(草思社)

「知的」をテーマに段階を踏まえた思考をめぐらす面白さ、興味を引き出す一冊になっています。
現代社会で一般的に言われている「頭の良さ」はどこから来るのか?根本的なテーマに寄り添い、
我々が日常的に行う「思考」についての実験や工夫、
アイデアなどを様々な方向から訴えかける本作はとても興味深いものがあります。
子供から大人まで、通俗的な価値観を改めて見直し、役立てる本となっているのではないでしょうか?

2023年度 白鷗中

2023/11/14(火)

『東大物理学者が教える『考える』の鍛え方
想定外の時代を生き抜くためのヒント』上田正仁(PHP研究所)

変化の激しい現代人に必要不可欠な「考え方」、「人生を生き抜いていくヒント」を与えてくれる一冊となっています。
「力」をテーマに様々なアプローチで物事への対処法、現代社会を生きる私たちへの心の処方箋となってくれます。
単なる知識に終わらない、「今日から」実践的に使える処世術を本作を通して学んでみてはいかがでしょうか?

三鷹中

2025年度 三鷹中

2025/3/25(火)

『要の台所』落合 由佳(講談社)

クラスメイトに「スパイスみたいな子だね」と言われる要は引っ込み思案な性格です。
「いてもいなくても同じ」だと言われても 言い返すこともできずにいます。
そんなある日、家のベランダでネパールから来たお隣さんのサリタに出会います。
少しくせのある黒髪、日に焼けたような肌の泣いているサリタを前にした要は、作ったばかりのクッキーを差し出します。
違う文化で育ってきたサリタと友達になりたいと願う要は、近所の「がみババ」に料理を教わることになりますが…

2025年度 三鷹中

2025/3/17(月)

『透明なルール』佐藤 いつ子(KADOKAWA)

「人にどう思われるか」を過度に気にする女子中学生が、
自分を縛る<透明なルール>に気づき、立ちむかっていく爽やかな物語です。
SNSでのコミュニケーションや、人との比較を前提とした現代の子どもたちの生きづらさが、
繊細な筆致で描かれています。社会問題である「同調圧力」「ブラック校則」「不登校」といった内容が
織り込まれている、今の日本社会について考えさせられる1冊です。

2021年度 三鷹中

2024/6/18(火)

『墨のゆらめき』三浦 しをん(新潮社)

ホテルマンの「続」が、「筆耕」(主に筆を使った代書)の仕事の依頼のために
書家であり書道教室の先生を務める「遠田」のもとを訪れる。
きっかけはちょっとしたことではあるけれども、「書」の世界が仲立ちとなって、絆を深めるふたり。
この本を読んで筆ペンでもいいから字を無性に書きたくなった人は少なくないと思います。

2021年度 三鷹中

2024/4/2(火)

『本という不思議』長田 弘(みすず書房)

現代では電子機器、インターネットなどの便利なモノが発達しており、
紙媒体の「本」が売れなくなってきている傾向にあります。
若者の本離れが懸念される中で、自分の言葉で表現し、思考を深めるために 大切な「本」という親しまれた文化を、
本作品をもとに蘇らせてはいかがでしょうか?
不自由ない現代で 物事の核心、本質的に大切なことなど作品を通して気づかせてくれるはずです。

2021年度 三鷹中

2024/3/26(火)

『木』谷川俊太郎(至光社)

木にまつわる12の短い物語が、美しい絵と詩で語られています。
あるときは力強く、またあるときはものいわぬ一本の樹を季節と関連づけて表現され、それは例えば
春の木の希望に満ちた喜びや夏の木の力強さなどというかたちで出てきます。
きっとそれらのどれもが価値のあるすばらしいものだと感じることができるでしょう。

2021年度 三鷹中

2024/2/2(金)

『西洋哲学の10冊』(岩波書店)より「人間の自然」村山達也)

難解な言葉、説明で受け入れがたい哲学教養ですが、しっかりと入門として哲学の面白さ、
奥深さを感じることのできる一冊となっています。
西洋哲学で有名なプラトン、カント、ニーチェ、ハイデガーなど、
我々人類に多大な影響を与えた哲学者たちの考えをより簡単に、入り口として魅力を感じられることでしょう。
子供から大人まで、一度は読んでおきたい教養本です。

2023年度 三鷹中

2023/11/21(火)

『夜、寝る前に読みたい宇宙の話』野田祥代(草思社)

寝る前に心穏やかにして読める宇宙のお話が書いてある一冊です。宇宙そのもののあまりの広大さに対する不安や
恐怖を知識を持ってあたたかく包み込んでくれるような安心感を与えてくれるでしょう。
また宇宙から自分をみるという科学がくれた俯瞰術によって、自分が抱えている日々の小さな悩みを吹き飛ばし、
「よし、やろう!」という気にさせてくれます。

南多摩中

2025年度 南多摩中

2025/4/3(木)

『直観力』羽生 善治(PHP研究所)

「直感」と「読み」と「大局観」、棋士はこの三つを使いこなしながら対局に臨んでいる。
そして経験を積むにつれ、比重が高くなり、成熟していくもののひとつが「直感力」であるという。
将棋は、ひとつの場面で約80通りの可能性がある。
それを瞬時に二つ三つに絞り、直感によってひとつの手を選ぶ。
直感とは自分自身が築いたものの中から萌芽するものであると著者は述べている。
迷走を続ける現代社会に生きる我々に、自分を信じ突き進む力と勇気を与える一冊。

2021年度 南多摩中

2024/6/25(火)

『魚だって考える キンギョの好奇心、ハゼの空間認知』
吉田 将之(築地書館)

魚に心があるのか? 魚は何を考えているのか?
生物心理学という学問、様々な神経系の実験・調査を通じて生き物の認知と行動の不思議を面白く紹介する研究者の本。
魚の知能について驚くようなエピソードもあり、お店で魚を見る目が変わりました。
将来研究者になりたい小学生・中学生・高校生にもおすすめします!

2024年度 南多摩中

2024/6/11(火)

『「覚える」と「わかる」 ─知の仕組みとその可能性』
信原 幸弘(ちくまプリマー新書)

毎日毎日、暗記を頑張っている受験生のみなさん!お疲れ様です。
この本は、脳科学に基づいて「わかる」とはどのようなことか、を述べているのではなく、
そもそもの「知識」とは何なのか、哲学の新旧のトピックスを踏まえて深掘りしていきます。
何だかすごいことになっているのではないだろうかと思わせるのが4章あたりから。
私たちの知はどんどん拡張されていくのではないか、とわくわくしつつも少し怖くなるような内容です。受験勉強の気分転換にどうぞ!

2024年度 南多摩中

2024/5/21(火)

『地球以外に生命を宿す天体はあるのだろうか?』
佐々木 貴教(岩波ジュニアスタートブックス)

宇宙人はいるのか考えてみたことはありますか?
この本は中学生を対象としたものではありますが、天文学の歴史、太陽系の中の惑星だけでなく、
系外惑星についても触れ、「第二の地球はあるのかどうか」といった問題にも切り込んでおり本格的です。
SF作品のような想像の世界が、具体的に現実にせまってくる感じで非常にわくわくします。
空を見上げて惑星について、宇宙について思いを巡らせてみたくなる本です。

2021年度 南多摩中

2024/2/13(火)

『ぼくは縄文大工 石斧でつくる丸木舟と小屋』雨宮 国広(平凡社新書)

主に石斧を使って丸木舟や小屋を造る「縄文大工」というものを、
豊富な写真とともに石斧や黒曜石などの太古の道具でものづくりをすることの面白さを紹介してくれます。
3万年前の船を作り走らせた記録や工夫をこらした住居の復元などから新たな縄文人像を探り、
また筆者自らも実践する「縄文暮らし」で生活の様子を描き出すなど非常にユニークです。

2022年度 南多摩中

2023/11/24(金)

『はじめての哲学』藤田 正勝(岩波書店)

普段何気なく暮らしている私たちですが、ふとした瞬間に「生きるとは何か」「私って存在するのか」
「真実ってあるの?」と疑問に思うことはないでしょうか?
この本は哲学という専門的な知識を必要とせず、 堅苦しくなりがちな説明を、
簡単な言葉を使って「哲学の魅力」を伝えてくれる一冊となっています。
これを機に、「人間とは何か」を探求してみてはいかがでしょうか?

2022年度 南多摩中

2023/11/24(金)

『ゼロからはじめる哲学対話―哲学プラクティスハンドブック』
共著、河野哲也編(ひつじ書房)

現代社会で求められる「コミュニケーション能力」ですが、
自分と他人で様々なテーマについて「対話」する機会はあるでしょうか?
この本では「対話」をもとに自身の「表現力」であったり、「想像性」を 膨らませてくれる一冊となっています。
哲学に通じていない人であっても、この一冊で基礎知識も学べる 点においては、濃厚な時間を過ごせるはずです。

2023年度 南多摩中

2023/11/14(火)

『面白いとは何か? 面白く生きるには?』
森博嗣(ワニブックス)

「面白い」というあいまいな概念を様々な見方から考察している本です。人生を面白く生きるために、
日常生活でつい後回しにしてしまいがちな自分の感覚・感情・感想を大事にする必要があるということに
気づけるでしょう。「誰かの面白さ」に流されることなく「自分の中の面白さ」
を理解して育てていくために…いかがでしょうか?

九段中

2025年度 九段中

2025/6/10(火)

『〈弱いロボット〉から考える 人・社会・生きること』
岡田 美智男 (岩波ジュニア新書)

ロボット=完全無欠な存在、とイメージする人は多いでしょう。
本書に登場するロボットはどれも弱みや苦手を持ち、それゆえ周囲の助けをかりて初めて物事を成し遂げます。
弱さを補いあい、相手の強さを引き出す〈弱いロボット〉は、なぜ必要とされるのでしょうか。
まわりに半ば委ねつつ、まわりとの豊かな関係性を志向する〈弱いロボット〉の行動様式から、
生きることや社会の在り方に新たな視点を提供し考えさせてくれる1冊です。

2025年度 九段中

2025/5/27(火)

『八秒で跳べ』坪田 侑也(文藝春秋)

宮下景が所属する明鹿高校男子バレー部は、6月のインターハイ予選で初めて県の準決勝まで進んだ。
「いまのチームなら全国も目指せる」と3年生3人が引退をせず、
夏に敗れた全国常連の強豪校・稲村東にレギュラーメンバーで挑むはずだった。
けれど、大会数日前、景はあることがきっかけで怪我をしてしまう。
一方、景の怪我に責任を感じていた同じ高校の真島綾は「罪滅ぼしをしたい」と景と連絡を取ることになるが——
部活、恋愛、葛藤、挫折、成長……この一冊には、青春のすべてが詰まっている。

2024年度 九段中

2024/7/23(火)

『詩の楽しみ 作詩教室』吉野 弘(岩波ジュニア新書)

詩人による詩作の方法論をわかりやすく解説した本。
それと同時に、詩の読み解き方についての本でもありますし、
日常的なものの見方、捉え方を変えてくれる本でもあると思います。
学校で学ぶ詩は気恥ずかしい感じがして敬遠しがちなのですが、
本書を通じて教科書の詩を読み直してみるとまた違った発見があるかも!

2021年度 九段中

2024/7/16(火)

『線は、僕を描く』砥上 裕將(講談社文庫)

両親の死によって深い悲しみを抱く孤独な青年が、ふとしたことから「水墨画」に出合い、
自ら絵師として、技術やその精神を磨きながら成長していく物語。
古い美術とみなされがちな水墨画も、ストーリー内の登場人物とのふれあいや、
「線」の美しさの描写によって生き生きとし、想像力がくすぐられます。
「命」を描くとはどういうことか、この小説で体験してみてください。

2021年度 九段中

2024/7/2(火)

『犬と人の生物学』
スタンレー・コレン著 三木 直子訳(築地書館)

有史以来、人間の暮らしにもっとも近く寄り添ってきた動物である「犬」。
この本では犬の不思議な生態を紹介しています。
人間のがん細胞を発見するほどの嗅覚を持っているなど身体能力にも驚かされますし、
犬の「感情」、犬の心理学に基づくしつけの仕方なども書かれていて、
いま一緒にワンちゃんと暮らしている愛犬家の方にとっても、家族の一員をよりよく知るきっかけになること請け合いです。

2021年度 九段中

2024/3/19(火)

『なつかしい時間』
長田 弘(岩波書店)

2015年に急逝した詩人の長田弘さんが、
生前NHK「視点・論点」に17年にわたり出演した際に語ってきた内容を再収録したもの。
自身の詩や古今東西の詩や小説を引用しながら、言葉の重み、しかし言葉では語られないもの、
見えないものを何とかとらえ、つむぐ言葉は静かに、しかし確かに心に沁みていくようです。

全国国公立中高一貫校

25年東大附属中

2025/7/18(金)NEW!

『日本の伝説』
柳田 國男(新潮文庫)

道ばたの石や木、小さな池や山も、遠い昔から言い伝えられてきた伝説で彩られている。
かつては私たちの身近にいくつも伝えられ、民間信仰と結びついて生活の一部となっていた伝説。
「咳のおば様」「山の背くらべ」「神いくさ」など、今では語る人も少なく忘れ去られようとしている伝説の数々を、
民俗学の先駆者である筆者が全国からくまなく採集し、美しく平易な文章で後世に残さんとした名著。

25年お茶の水女子大附属中

2025/6/20(金)

『泡のざわめき』
田中 幸 ・結城 千代子 (太郎次郎社エディタス)

皆さんは「泡」と聞いて何を思い浮かべますか?
例えば、石けんのアワアワ、シャボン玉、炭酸ジュースのシュワシュワ、 フワフワのメレンゲ…これらはすべて泡です。
本書では食べ物のおいしい泡から細胞や宇宙の泡まで、色々な泡について可愛らしいイラス トとともに解説されています。
またおいしいコーヒーの淹れ方やお菓子作りのコツまでのっているので、楽しんで読むことができるでしょう。

25年お茶の水女子大附属中

2025/6/20(金)

『風をとおすレッスン 人と人のあいだ』
田中 真知(創元社)

中東やアフリカで長年過ごしてきた著者が旅の経験や、古今東西のさまざまな文化や文学作品などの例をとおして、
人と人との「あいだ」、また自分自身の中の「あいだ」を見つめ、 そこに風をとおし互いに自由になれる関係をつむぐ道を考える。
迷いや悩みの多い10代やすべての方たちにとって、「私」も他者も大切に、軽やかに生きていくレッスンとなる一冊です。

23年稲毛国際中

2024/7/12(金)

『なぜ学ぶのか 科学者からの手紙』
田中 真知(創元社)

筆者は自身の「仮説実験授業」を通して「学ぶ」ことの意味を子どもの時の疑問や社会の変化の中で分かりやすく伝えています。
知識は時間が経つと忘れていくもので、それを防ぐためせっせと暗記や練習を繰り返していくのが
学校の勉強に なっているところがあるかもしれません。
しかし筆者は学びの中にある「発見」や「驚き」、そこから湧き上がる「疑問」 を解こうとする「意欲」を教えてくれます。
教育に関心のある保護者様は必読の一冊です。

23年千葉県共通

2024/7/5(金)

『問う方法・考える方法 ─「探究型の学習」のために』
河野 哲也(ちくまプリマー新書)

私たちは自分の人生の中で出会うさまざまな課題を、見つけ、調べて、解決することが求められる時代に生きています。
高校では、総合的な学習の時間が総合的な「探究」の時間に変わります。
探究的な学習を進めるに当たって、哲学対話のやり方、
文献の探し方、プレゼンテーションの仕方、レポートの書き方も説明されています。
生徒と教師に向けた 「探究型の学習」のための一冊です。

23年千葉県共通

2024/6/28(金)>

『大人はどうして働くの?』宮本 恵理子 編著(日経Kids+)

子どもの素朴な疑問に答えるシリーズ第三弾、テーマは「働くこと」。
医師・作家など7人の識者がそれぞれ一般論を超えて仕事についての意義を語ります。
同じ内容を大人向け・子ども向けに編集しているのもポイントで、親子ともに楽しめそうです。
「働くこと」が「生きること」とどう直結していくのか、自分だったらどう答えたいか、
どう答える大人になっていたいか考えさせられる本。

23年川口市立高附中

2024/6/21(金)

『動物と人間の世界認識 イリュージョンなしに世界は見えない』
日高 敏隆(ちくま学芸文庫)

この本では動物から見た世界を紹介しつつ、人間があるものをどのように認識しているかという考えにも踏み込んでいます。
「全生物の上に君臨する客観的環境など存在しない。
我々は認識できたものを積み上げて、 それぞれに世界を構築しているだけだ」。
筆者はこれを「イリュージョン」と名づけました。
動物行動学の権威 である筆者が著した目からうろこの一冊です。

23年川口市立高附中

2024/6/14(金)

『あと少し、もう少し』瀬尾 まいこ(新潮文庫)

陸上部の名物顧問が異動となり、代わりにやってきたのは頼りない美術教師。
部長の桝井は中学最後の駅伝大会に向けてメンバーを募り 練習をはじめるが……
元いじめられっ子の設楽、不良の大田、頼みを断れないジロー、プライドの高い渡部、 後輩の俊介。
寄せ集めの6人は県大会出場を目指して、襷をつなぐ。 あと少し、もう少し、みんなと走りたい。
涙が止まらない青春の物語。

23年大宮国際中

2024/6/7(金)

『いつもの言葉を哲学する』古田 徹也(朝日新書)

有名人でも、友達でも、通りすがりの知らない人でもなんでも、相手の話している言葉が気になる。
それどういう意味?と言いたい気持ちを抑える。いや、意味内容がわからないわけではない。
その意味が持っている重みや、考えていることが言葉にすべて集約されているのかなんなのかとか、
言葉に表れてない部分がある気がして「モヤる」。すたれていく言葉や流行語についても、自分ごととして考えたい方へ。
「表現」がなにより大事に思えるこの時代において、立ち止まって考えてみよう。

23年仙台青陵中

2024/5/31(金)

『勉強する気はなぜ起こらないのか』
外山 美樹(ちくまプリマー新書)

中高生向けではありますが、その親や大人自身にもやる気をマネージする為に参考になる一冊です。
「やる気」に関して、過去の数々の実験例を踏まえて説明がされており、
そこまで難しくないんじゃないかな、と思うような方法でやる気を出したり、高めたりすることを学べます。

23年群馬県立中央中

2024/5/24(金)

『なんのために学ぶのか』
池上 彰(SB新書)

学ぶとは何なのか、何のために学ぶのか、教養とは何なのかを、著者の体験談を交えながら書かれています。
例を挙げるとただ本を読むだけでは意味が無く、内容をかみ砕いて自分なりに考えることで自分の為になる、 という内容があります。
インプットだけでなくアウトプットも大事というこの考え方もそうですが、
著者の学ぶことが 好きという気持ちが全体を通して感じられる一冊です。

23年群馬県立中央中

2024/5/17(金)

『AIの時代を生きる』
美馬 のゆり(岩波ジュニア新書)

AIの存在感が増し、便利な暮らしへの期待や憧れが高まる一方で、仕事を奪われる不安に揺れる現代人。
人とAIの未来はどうあるべきなのか。
多様な学術的背景を持つ著者がAIの歴史、そのしくみを解説しつつ、両者にとってよりよい社会の作りかた、
さらには一人一人ができることを「創造力と共感力」をキーワードに語ります。

24年浦和中

2024/5/10(金)

『自分で考える力を鍛える 正解のない教室)』
矢萩 邦彦(朝日新聞出版)

教養とも呼ばれる「リベラルアーツ」。
本書はその意義に迫る内容となっています。
先行きの見えない現代においては、何か世代や属性などによってロールモデルがあるわけではなく、
自分にとっての最適解を見つけ、そのために「考える」必要があると筆者は説きます。
古今東西の偉人の言葉をヒントに自分なりに思考をめぐらせてみませんか。

24年浦和中

2024/4/26(金)

『君たちは今が世界(すべて)』
朝比奈 あすか(角川文庫)

学級崩壊、かつ熾烈なスクールカーストにある状況下で、
「6年3組」の生徒一人ひとりの思いや立場が交錯していく様はスリリングで、時折鋭い言葉に胸が痛むことがある。
本書は勧善懲悪という言葉の真逆のベクトルを煮詰めたような、簡単できれいな解決がなされるわけでもなく
ただただ「苦しい」場所を描いた作品ではあるが、
ひと(びと)の負の感情に触れ立ち止まり考えることができる、稀有で力強い小説であることは間違いない。

24年神奈川県立中

2024/4/12(金)

『学校では教えてくれない ゆかいな日本語 (14歳の世渡り術)』
今野 真二(河出書房新社)

みなさん、「サワサワ」と「ザワザワ」の違いについて、何だか言えますか?
普段何気なく使っている言葉が不思議に思えてくる「日本語」の本です。
「音」「文字」「数字」「遊び心」の4つの切り口から日本語の歴史をたどります。
楽しく読み終えたら、古典や国語がなんだか身近なものに思えて、きっともっと勉強したくなることでしょう!

22年埼玉伊奈学園中

2024/4/5(金)

『金魚たちの放課後』
河合 二湖(小学館)

みなさんこれまでペットを育てたことはありますか。
友達のような、家族のような、大事な、そして不思議な存在ですが、さてこの作品に出てくる「生き物」はどうでしょう。
舞台は金魚を育てている街。水の中にゆらめく金魚のイメージと、
小5の男子、中2の女子の主人公たちのそれぞれの心情のゆらぎが印象的な作品です。

21年千葉・東葛飾

2024/3/29(金)

『演出家の仕事』
栗山民也(岩波書店)

演出家は日々何を思いどういうことを行なっているのか、そもそも演劇の力とは?
第一人者による平易でスリリングな演出論、作品選びや劇作家たちとの対話、稽古場での実践、俳優養成の思想など。
大勢の世界の演劇人との出会いも紹介されます。これを読めば演劇の世界に興味をもてるでしょう。

21年埼玉伊奈学園中

2024/3/15(金)

『給食アンサンブル』
如月 かずさ(光村図書)

「何気ない学校生活で性格も感性も異なる学生の物語。
本書では6人の中学生が「給食」という日常の 出来事をもとに、徐々に心を通わせ、
人間味を演出してくれるヒューマンストーリーとなっています。
みなさんも現実でかかわることの多い「他人」とのやり取りを、本書と照らし合わせて一度考えて みてはいかがでしょうか?

21年稲毛高附中

2024/3/5(火)

『昭和のエートス』
内田 樹(文春文庫)

筆者が以前に様々なテーマでエッセイを書き、それらをまとめた一冊になっています。
短く的確に、ユーモアを交えていろいろな形で納得のいくような解釈で書かれていてわかりやすいです。
「昭和人」について、日本の教育について、日本という国の立ち位置について…など
現代の私たちが読んでも新鮮に感じられる考えが多く書かれており、非常にためになるでしょう。

21年太田市立太田中

2024/3/1(金)

『増補新版 いま生きているという冒険』
石川 直樹(新曜社)

読書をきっかけに未知の世界を知りたいと思った筆者が、世界中のあらゆる場所を冒険していくようすが書かれています。
この一冊を通して、未知の世界を知る喜び、生きている実感をどのようなときに感じるかがわかるでしょう。
身近な地域でも徒歩や自転車でちょっとした冒険ができるかもしれない、そんな気にさせてくれること間違いなしです。

21年仙台青陵中

2024/2/16(金)

『おとなになるってどんなこと?』
吉本 ばなな(筑摩書房)

みなさんは「こども」と「おとな」のちがいはどこにあると思うでしょうか?
今作は「おとなになる」というとてもシンプルな考え方を、
様々な目線から疑問を投げかけ、読み手に深く考えさせる内容を 作り上げています。
ふだん、なにげなくわたしたち人間が「おとなになるということ」について 考えさせられますが、
改めて本作をもとにその疑問について、考えてみてはいかがでしょうか?

21年群馬中央中

2024/2/9(金)

『社会人の生き方』
暉峻淑子(岩波書店)

「社会人についての本」という珍しい題材の本です。「社会人」とは、今自分が生きている社会について考えている人のこと。
そのままだと思われるかもしれませんがいざ考え始めると深く難しいことに気づかせてくれます。
自分の家族 から友人、恋人、会社の人のなど、「身内」のことだけを考えているようでは
社会人としてはまだまだであり、社会人となるためには、未だ見ぬ人へ 対しての想像力が必要になります。
あなたはそのように考えられるでしょうか。

21年川崎高附属中

2024/1/30(火)

『毎日新聞社 記事づくりの現場』
深光富士男(佼成出版社)

新聞記者は次々と飛び込むニュースをどのように捉え、どう伝えていくのか?
社会部記者・写真記者・校閲記者・論説委員・デジタル新聞ディレクターなどの仕事を紹介してくれる本です。
危険な場所での撮影や、記事で世の中を変えられることなど新聞に関して色々なことを伝えてくれます。
これを読めば新聞作りに興味をもてることでしょう。

20年度横浜SF高附中

2024/1/23(火)

『フィールドワークは楽しい』
岩波書店編集部編「談話と文化的学びのかかわりを見つける」當眞千賀子

フィールドワークとは、ある地域においてあるテーマで「歩いて、見て、聞いて、調べて、まとめる」ことです。
この本には長年フィールドで研究してきた方々に、調査方法やまとめ方を具体的に語っている内容が掲載されています。
フィールドワークの楽しさ、おもしろさを存分に味わってください。
総合学習や調べ学習へも活用できる でしょう。

2021年度京都府共通

2024/1/12(金)

『「さみしさ」の力 ─孤独と自立の心理学』
榎本 博明 (筑摩書房)

誰にでも、ふとした瞬間に「さみしさ」を感じることはないでしょうか?本作はそんな皆さんに向けて、
自分の内面と見つめ合い、さみしさとの付き合い方を指南してくれる作品となっています。
子供から大人まで「さみしさ」をテーマに、普段考える機会がない人にもとてもためになる作品だと感じます。
この機会に自分の沸き起こる感情と本作を照らし合わせてはどうでしょうか?

20年度横浜SF高附中

2024/1/5(金)

『素直に生きる100の講義』
森博嗣(大和書房)

人気ミステリー作家の筆者が、タイトルの通り素直になるための100のアドバイスを書いています。
「講義」というタイトルがつけられていますが、はっきりとした正解も書いていません。
しかし100もの視点から、多くの発見をすることができ、また読む人の年齢によって異なった発見もあるはずです。
著者の自由な思考で世の中を見つめる視線が感じられることで、面白みがわかるでしょう。

20年度横浜SF高附中

2023/12/29(金)

『ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか』
熊谷徹(青春出版社)

現代日本ではお金に困り、生きづらさを感じている人が多いのではないでしょうか?
そうした中で本書はドイツ人から学ぶ「賢く生きる」「お金に悩まされない」人生論を展開しており
老若男女問わず、「お金」に振り回されない生き方について学ぶことができます。
これから大人になる皆さんへ、教養としてぜひ読んでみてほしいオススメの一冊となっています。

23年度横浜SF高附中

2023/12/19(火)

『ヒトはなぜ、ゴキブリを嫌うのか?~脳化社会の生き方~』
養老孟司(扶桑社)

タイトルに目がいきがちですが、「都市化」と「自然化」の中身が分かりやすく書いてあります。
自然のものが存在してはいけないという原則がある「都市化」は、ゴキブリや土、川といった
自然のものを徹底的に 排除する。 そういった生活は仮想現実の世界で楽しみ、人々は自然に親しんだ
暮らしをするのがよく、脳はそれで満足するという筆者の考え方に興味をもてるでしょう。