中学・高校・大学
過去問分析

Camp+では、各中学・高校・大学の過去問について、傾向と分析を詳細に解説しています。都立中・都立高を中心に最新の過去問を大問ごとに分類し、傾向が一目で分かります。


東京都立日比谷高等学校 2025年度NEW!

英語

〔大問1〕リスニング  〔大問2〕対話文  〔大問3〕長文読解 〔大問4〕英作文
 問題構成は例年と変わらない。 2⃣は対話文の内容に関する選択問題に加え、10語以上15語以下の英語を自分で考えて記述する問題が出題された。
3⃣は昨年度に続き説明文が出題され、内容理解に関する選択問題と30語以上40語以下の英文、整序英作文・不要分削除問題がそれぞれ出題された。
4⃣は「イラストに描かれた場面」について、自分の考えを英語で書かせる問題だった。
例年と同様、「書く力」「読む力」に加え「英語で表現する力」が求められ、語彙力、速読力、表現力が高いしベルで総合的に試されるものであった。
本校の問題を迅速に処理するためには、注釈に頼らず内容を理解する必要がある。
そのための語彙力の強化はもちろん、1000語以上の説明文の長文問題を短時間で読み解く練習や、易しい表現で英文を書く練習を数多く積むことが父かせない。
日常からまとまった英文を読む習慣をつけておくことが肝要である。
またこれらと並行して、英作文を短時間で正確に書けるよう早いうちから訓練をし、指導者の添削を受けることが重要となる。

数学

〔大問1〕小問集合 〔大問2〕関数 〔大問3〕平面図形 〔大問4〕立体図形
 今年度の出題は大問4題、小問15問の構成で証明問題が2問であった。
1⃣は今年も独立小問5問で、〔問1〕は平方根の計算、〔問2〕は数式計算、〔問3〕はさいころの確率の問題で、正確さが求められる問題であった。〔問4〕は反比例のグラフと格子点、〔問5〕作図する問題であるがこの5問は確実に正答したい。昨年度出題されたデータ活用(四分位数)は出題されなかった。
2⃣は放物線と直線の出題であった。〔問1〕は三角形の面積を求める問題と座標を求める問題、〔問2〕は放物線と2直線から最短距離を求める問題で、難問もなく確実に得点したい問題である。
3⃣の平面図形も例年通り円が出題された。〔問1〕は基本的な三角形の面積を求める問題で、〔問2〕(1)も昨年度同様に三角形の相似の証明問題はシンプルな図形だが、二等辺三角形、円周角と中心角の関係から等しい角度を求めることができれば証明することができる。(2)は(1)の相似な三角形を利用して求める。
4⃣は都立中の適性検査のような、問題文が会話形式の問題。球と円形に入っている水量を問われる問題で、会話をしっかり読み、頭の中だけではなく図も正確に描くことで正解できる問題である。他の都立自校作成校の問題や難関私立高校の問題も演習しておく必要がある。

国語

〔大問1〕漢字〔読み〕  〔大問2〕 漢字〔書き〕  〔大問3〕 小説文  〔大問4〕論説文  〔大問5〕 現古融合文
 例年通りの大問5題構成で、課題文の長さも小説文が長くなった分論説文が短くなり、全体としては変わらなかった。
小問では漢字と作文以外の記述は2問となり、その内1問は7字の抜き出しであった。
1⃣と2⃣の漢字は例年より平易。
3⃣の出典は砥上裕將『一線の湖』、数年前よく出題された『線は、僕を描く』の続編である。水墨画の奥義を追求しようとする若者とその兄弟子が気付きを得る重要な場面であるが、対象が水墨画であるだけに表現が比喩的・抽象的なのでそこから心情を読み取ることがポイントであった。5問ある選択問題はすべて内容理解、1問ある80字以内の記述が文章全体を俯瞰しないと書けない本校らしい問題であった。 4⃣の出典は山﨑正和『柔らかい個人主義の誕生』。人類特有の「個人」の誕生を個別化と種族維持の観点から論じている。約3000字と短いが非常に密度の高い文章なので、一行ずつ丁寧に読む必要がある。作文以外の5問は選択問題で傍線部の内容を問うもの。何が書いてあるかが分かれば正解できる問題である。作文は「自分の立場や考えを築くこと」と「集団や社会との関わり」について「具体的なことがらを挙げて」書くことが要求された。
5⃣の出典は白州正子『西行』による。西行が平泉周辺で詠んだ和歌とその歌詞を解説している。西行の和歌は難しいのが常だが、韻文には完全な口語訳が与えられている。「名状しがたい」の意味を問う〔問4〕以外は内容理解である。
全体としてやや易しくなった印象で、文章の内容を理解することがもっとも重視されている。本校の過去問はもちろん都立自校作成校の課題文を読み、時には調べながら、ことがら自体を理解することが対策となる。

東京都立日比谷高等学校 2024年度

英語

〔大問1〕リスニング  〔大問2〕対話文  〔大問3〕長文読解 〔大問4〕英作文
 7年間変わらない問題構成、2⃣は整序英作文、内容に関する選択問題に加え、昨年度同様、30語以上の英文を自分で考えて記述する問題が出題された。3⃣は昨年度に続き、説明文の読解が出題された。昨年度出題された図表を用いた問題は、今年度は出題されなかった。内容理解に関する選択問題が6問、「15語以上の英文」を補充する問題が1問出題された。4⃣は「交換留学生の体験入学時に行う催し事で最もふさわしいものについて決定する部の議論の仕方」について、複数の資料をもとにより良いと考える方法を英語で書かせる問題だった。 例年と同様、 「聴く力」「読む力」だけでなく「英語で表現する力」が求められ、語彙力、読解力、表現力が総合的に試される出題であった。本校の問題を迅速に処理するためには、注釈に頼らず内容を理解する必要がある。そのための語彙力の訓練はもちろん、1000語以上の説明文の長文問題を20分以内で読み解く練習及び易しい表現で英文を書く練習を数多く積むことが欠かせない。日常からまとまった英文を読む習慣をつけておくことが肝要である。また。これと並行して、英文を短時問で正確に書けるよう早いうちから訓練をしていくことが必要になる。

数学

〔大問1〕小問集合 〔大問2〕関数 〔大問3〕平面図形 〔大問4〕立体図形
 今年度の出題も昨年と同様に、大問4題、小問14問の構成で記述が3問であった。1⃣は今年も独立小問5問で、〔問1〕は平方根の計算、〔問2〕は二次方程式の計算、〔問3〕は確率、〔問4〕は中2での学習範囲である四分位数が出題された。〔問5〕は図形の折り曲げから60度を作図する問題である。この5問は確実に正答したい。2⃣は昨年同様、2つの放物線に関する問題であった。〔問1〕は文字を用いて三角形の面積を表す問題、〔問2〕は本校ではよく出題される2つの放物線と直線の問題、〔問3〕は平行四辺形になるときの値を求める問題である。3問とも問題文の条件を正しく理解してから立式・計算をし、確実に正答したい。3⃣の平面図形も昨年度同様、円が出題された。〔問1〕は△CFEの内角と外角の利用、〔問2〕(1)も昨年度同様に三角形の合同の証明間題、一見簡単そうに見えるが、正確に記述するにはかなりの実力が必要である。(2)は一つの角の大きさが120度である三角形の面積を決める問題。(1)の三角形の合同の利用で求めることができる。補助線を的確に引けたかがポイントであった。4⃣は正方形の紙に光を当てて影の形を考える問題。最近の都立高校の入試問題では見かけない問題で、解答形式も記号選択の小間もあり、時間をかけすぎて間に合わなかった受験生もいると思われる。全般的には昨年度と難度はほぼ同じであるが、記述問題に時間をかけすぎると最後の問題までたどりつかない場合があるので、日頃から問題を解くときには時間配分も意識したい。また、得点カアップのため、難関私立校の入試問題の演習も増やすことが必要である。

国語

〔大問1〕漢字〔読み〕  〔大問2〕 漢字〔書き〕  〔大問3〕 小説文  〔大問4〕論説文  〔大問5〕 現古融合文
 例年通りの大問5題構成だが、課題文が小説文約 5000字、論説文約 5000字、融合文約4000字と長くなり、出題形式も漢字と作文以外に記述問題が3問となった。1⃣の読みは平易であったが、2⃣の書きでは「会心」「ー陽来後」など書きにくいものが出題された。3⃣の出典は河崎秋子『温む骨』。自分の陶芸に足りないものに向き合うまでの姿を、妻とのやり取りの中で表現している。〔問1〕~〔問5〕は80字以内の記述と、内容と心情を問う選択問題だが、〔問6〕では本文の表現や内容について適切なものを6択から2つ選ぶもの(完答)が出題された。全体的にやや難といえる。4⃣の出典は大塚洋『深層学習後の科学のあり方を考える』。科学の両輪である合理性と客観性が、一見その代表に見えるAIの深層学習の導入によって再考を促されるという内容である。〔問1〕~〔問5〕は選択問題と3字の抜き出しでの文章内容の説明である。〔問6〕の作文はAI活用の可能性に関するもので「具体的な領城を挙げる」という条件が付いた。この大問は比較的平易であった。5⃣の出典は中西進『万葉のことばと四季』。5問ある小問は、副詞「およそ」の別以外は内容理解を問うものであった。短時間で正確に読み取る力が試されたと言える。

東京都立日比谷高等学校 2023年度

英語

〔大問1〕リスニング  〔大問2〕対話文  〔大問3〕長文読解 〔大問4〕英作文
 6年問変わらない問題構成。〔大問2〕、〔大問3〕の文章量は昨年度より400語程度増加した。 〔大問2〕は約1390語の「代替肉」に防する対話文の内容について、通路の選択問題や整序英作文、内容に関する漢択問題に加えて、30語以上の英作文問題に答えるものであった。 〔大問3〕は約1270語の説明文〔昨年度は物語文、それ以前の3年問は説明文〕であった。 内容理解に関する選択問題が6問と本校ならではの「15語以上の英文」を補充する問題が1問出題された。過去4年連続で出題された英文整序問題〔正答率5割前後〕は2年続けて出題されず、表現の仕方は異なるが、「話の流れに合わない文を除く」問題が5年ぶりに出された。〔大問2〕、〔大問3〕それぞれに図表を見て解く問題が出題されたのは初めて。他校でも本校の〔大問2〕と同じテーマが扱われていたため、タイムリーな話題を含めて、さまざまなことに関心をもつことが重要であると言える。〔大問4〕は「文化祭で上演する劇について2案のうち1つを選び」資料を見て50語以上の英語で書く問題で、例年よりも具体的に書かせる問題だった。今年度も語彙力、速読力、表現力が総合的に試された。本校の問題を攻略するには、注釈に頼らずに本文が読める語彙力をつけ、1000語以上の説明文の長文問題を20分以内で読み解く練習と、易しい表現で英文を書く練習を数多く積むことが欠かせない。

数学

〔大問1〕小問集合 〔大問2〕関数 〔大問3〕平面図形 〔大問4〕立体図形
 今年度の出題も昨年と同様に、大問4題、小問14問の構成で記述が3問であった。〔大問1〕は今年も独立小問5問で、昨年と同様の難度のため、少なくとも4問は正答したい。〔大問2〕は昨年同様、2つの放物線に関する問題。〔問2〕の2問は座標を文字を使って表して考えていけば、決して難しくはないので、ここで少なくとも1問は正答したい。〔大問3〕の平面図形も昨年同様、円が出題された。〔問1〕は円周角の問題。〔問2〕(1)は日比谷特有の三角形の合同の証明問題。角の二等分線、直径があることから、何をすればよいのかを落ち着いて考えていけば完答は可能な問題であった。〔問2〕(2)は(1)の結果を利用して相似に気づけるかがポイントで、差がつく問題といえる。〔大問4〕は円錐の一部と三角錐を組み合わせた図形の問題。〔問2〕・〔問3〕は図を自分で描いて考えなければならなかったため、差がつく問題といえる。〔問2〕は三平方の定理を複数回利用しなければならず、うまく比を利用しないと 計算量が多くなってしまう問題であったため、実は〔問3〕の方が解きやすかった。全体として、難度は昨年より若干難化した。本校に合格するには、本校だけでなく様々な私国立難関校の入試問題を解くことが必要である。また、比を自由自在に使いこなせることが最大のポイントである。

国語

〔大問1〕漢字〔読み〕  〔大問2〕 漢字〔書き〕  〔大問3〕 小説文  〔大問4〕論説文  〔大問5〕 現古融合文
 例年通りの大問5題構成で、課題文の長さも、小説文が短くなった分、論説文と融合文がやや長くなり、全体としては変わりがなかった。「短い論説文」と「長い論説文」が本校の特色として定着したようだ。出題形式も、漢字と作文以外の記述問題が1問だけで、他はすべて4択の選択問題となった昨年の形式が、今年も踏襲された。〔大問1〕・〔大問2〕の漢字では、「素封家」の読みと「管見」の書きが難。ともに語源も含めた語彙力が試された。〔大問3〕の出典は、山本兼一『花鳥の夢』。狩野派を率いる絵師が、門下を出た絵師の自由な創作態度と作品の見事さに触れ、揺れ動く心理を描いている。〔大問4〕の出典は、若林幹夫『地図の想像力』。「世界」があってそれを示す「地図」があるのではなく、地図は想像力と社会的実戦の基盤であり、その意味で近代的な地図は人類に共通する世界像を形成する役目を担った、とする内容。作文は共通化に向かう中で他との違いや個別性を保っているものの具体例を挙げて考えを書くものである。課題文の中での論理、また作文につながる論理展開という、文脈が理解できているかが試された。 〔大問5〕の出典は、尼ヶ崎彬『花鳥の使』。室町時代の歌人心敬の見方は、和歌の伝統による「本意」を守りながらも、「無常観」に立つ「冷え」の美意減に繋がっているという内容。5問のうち1問は助詞の識別、他は内容理解を問うものであった。