家庭教師ブログ

直観が外れる? 確率の不思議とモンティ・ホール問題

2023.04.01

直観が外れる? 確率の不思議とモンティ・ホール問題

こんにちは。家庭教師Campライターの杉浦です。本日は【確率の不思議】について紹介します。

 

そもそも確率とは、くじ引きやジャンケンなど様々な場面で登場する「起こりやすさの指標」です。例えば、コインの表裏は2分の1など、計算しなくても直感的にわかる確率もあります。しかし、ときには直感が外れる確率、みんなが騙される確率があります。本日はそんな確率のお話です。

直観が外れる? 確率の不思議【モンティ・ホール問題】

モンティ・ホール問題とは

あなたの前に3つの箱があります。

その中に1つだけ当たり(ボール)が入っています。

あなたは当たりの箱は分かりませんが、司会者は当たりの箱を知っています。

そしてあなたは1つの箱を選びます。

 

そうすると、司会者は残りの2つの箱から1つ、ハズレを開けて見せてくれます。

これでハズレの箱は1つ開かれたので、当たりはあなたが選んでいる箱か、残り1つの箱になります。

 

「いま選んでいる箱を、もう1つの箱に変えられます。」

このとき、当たりを引くためには、あなたは箱を変えなくてもよいでしょうか。それとも箱を変えた方がよいでしょうか。

誤った解答

司会者が1つのハズレの箱を教えてくれた時点で、残った箱は2つです。箱を変えても変えなくても正解の確率は2分の1です。箱を変えるメリットは無い!

直感的に考えると、多くの人がこのような解答になるでしょう。私も最初はこのように考えてしまいました。しかしこれは誤った解答です。

正しい解答

箱を変えた方がよい

実は箱を変えた方が、当たる確率は2倍になるのです!

なぜか。それを一緒に考えてみましょう。

モンティ・ホール問題を考えてみよう!

箱を変えない場合

最初に3つの箱から、当たりを選べる確率は3分の1です。よってハズレを選ぶ確率は3分の2です。

ハズレの箱を1つ見せられても箱を変えないので、当たる確率は変わらず3分の1のままです。

箱を変える場合

先程と同じく、最初の3つの箱から、当たりを選べる確率ら3分の1です。よってハズレを選ぶ確率は3分の2です。

ハズレの箱を1つ見せられたら箱を変えると、①最初に当たりを選んでいたときは、ハズレを選ぶことになります。②最初にハズレを選んでいたときは、当たりを選ぶことができます。

このときの確率を考えてみましょう。①最初に当たりを選ぶ確率=最終的にハズレを選ぶ確率 →3分の1②最初にハズレを選ぶ確率=最終的に当たりを選ぶ確率 →3分の2

 

つまり箱を変えれば、当たりを選べる確率は3分の2になります! 箱を変えないときは3分の1でしたので、当たる確率は2倍になりました。

極端な例を考える

以上の説明でまだ納得できない人は、このような場合を考えてみてください。

箱が100個あり、当たりは1個。あなたは1つの箱を選び、司会者は残りの99個から98個を開けてハズレを教えてくれます。さて、あなたは選ぶ箱を変えますか?

確率のパラドックス

モンティ・ホール問題のような確率の問題は、「確率のパラドックス」と呼ばれます。パラドックスとは、正しく見える前提や論理から、納得しがたい結論に行きついてしまう問題のことです。多くの人が騙される確率の問題は他にもあります。例:囚人問題、誕生日のパラドックス、など

 

いかがだったでしょうか。確率の問題は、中学入試から大学入試まで幅広く出題されます。また世の中の数字に騙されないためにも、ぜひ理数的な脳を鍛えましょう! オンライン家庭教師の家庭教師Campは、入会金・退会金なしで受講することができます。忙しい方でもご自宅から簡単にマンツーマン指導が受けられます。

初めての方へ

【この記事を書いた人】
杉浦
【略歴】
高校時代はSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の取り組みに参加し、自身も学外発表などを経験。国立大学への推薦合格後、大学では生物・農学分野を専攻。中学受験では都立武蔵中・三鷹中・私立国学院久我山中などの指導実績あり。高校受験では都立高全般、中大杉並高などの指導を行う。これまで培った生徒ごとの苦手分析や、定期テスト・模試対策などを基に、役立つ情報を発信していきます。

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